ハルビンのレビュー・感想・評価
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安重根と伊藤博文。暗殺の事実は知っているが、それ以上のことは知らない。日本人も見るべき映画。
1909年10月26日、伊藤博文がハルビン駅ホームにて短銃で暗殺される。暗殺したのは、日本でも有名な安重根(アン・ジュングン)。大韓義軍に加わり日本兵と戦いながらも、ある事を契機に仲間から排除される。しかし、祖国独立のため多くの同胞の死を無駄にしたくないと、再度立ち上がり同志との葛藤の中で暗殺を決意し実行に至るまでを描く。重厚で絶え間ない緊張感が全体を覆う。スリリングで映像も素晴らしく、韓国側から歴史を描いた日本人も見るべき映画。
歴史ではない。99%虚構ーーなのはいいけど、それでも杜撰。
「インディ・ジョーンズ」がナチス・ドイツ相手に活躍する、みたいなのを目指した感じか。
「ジャッカルの日」・「ミッション・インポッシブル」・「ディア・ハンター」的要素も盛り込もうとしたかな。
虚構でもいいんだけど、
それが杜撰で、説得力に欠ける。
最初の方の戦闘場面は、まず「攻撃してください」と言わんばかりの日本軍幕営地。
そして戦闘は、千年前ですか、と言いたくなるようなグチャグチャの密集白兵戦。
しかも敵味方入り交じったところへ銃を撃ってみたり。
国際公法に則って「捕虜として釈放」っていうのも意味不明。
単純に捕虜でよかろうが。
でも、釈放しないと物語が始まらない、という都合があったんだろう。
日本語が話せないのに日本人になりすまして列車に乗ったり。
(本物は偽装も何もなしで列車移動してる)
7日前になって慌てて爆薬を調達することになったり。
「最大の馬賊の長」となった元義勇軍兵士が飲んだくれでしかなく(そんなんじゃ統率できないだろうに)、唐突にロシアンルーレットを強要しようとしたり。
そして「日本人」役の日本語のひどさ。
せめてキーパーソンの森少佐ぐらいは日本人の役者にしようよ。
ちなみに森少佐は、途中で韓国語を理解しちゃうし。
(実は通訳不要だった――という描写はなかった)
「アン・ジュングンはどこだ」という台詞(日本語)は何十回言っただろう。
しまいには笑えてきた。
(ちなみに事実は、無名の人だったので、日本政府はそもそもその存在じたい把握してなかった)
他にも枚挙にいとまがないが、
暗殺シーンが、杜撰の極致。
* * *
きっと一番の意図は、
李舜臣――安重根――金九(キム・グ)という「英雄ライン」を示したかったんじゃないかな。
なお、
李舜臣は、文禄・慶長の役(壬辰・丁酉の倭乱)の時の朝鮮の将軍。のちに「救国の英雄」とされた。
金九は、のちの大韓民国臨時政府主席で「抗日の英雄」。昭和天皇の暗殺を指示したことがある。
侵略は侵略
日本語がガタガタ
主演のヒョンビンを、カッコいい愛国者として立たせるのが目的の映画かな?
私は嫌韓でも親韓・韓国ファンでもなく、映画としてどう?という観点でしか考えないのだが、日本人視点では「これどうなの?」みたいな反感を抱く人も多いかもしれない。
冒頭に主人公・安重根(アン・ジュングン)は「日本軍の捕虜将官を拷問にかけず、死刑にもせず、万国公法に則り解放したために味方に裏切り者扱いされても、法を守る清廉潔白な人」というエピソードで主人公らしさを出し、最後の暗殺も清い志で行ったとしてしまっていた。
だが、正直所詮は暗殺。
テロリズムへの嫌悪感を拭い去れるほどでもないし、いろんな考証とかの微妙さにひっかかって物語に入り込みにくい。
一番微妙だったポイントは、伊藤博文役のリリーさん以外はみな韓国の方々が日本人を演じたため、日本語イントネーションがガタガタだったところ。
ここはもっとたくさん日本人役者を雇おうよ、予算けちらんでも……と思いました。
今の私達にできることは?
思いっきり邦人を、東洋鬼(トンヤンキ)扱いする映画と思いきや…。
力による抑圧の報酬は、力による報復しかない。歴史から学ぶことは可能ですが、自分の身に置き換えると、意外とこれに気づかない。例えば、隣国に軍事介入した、凍てつく大地の大統領がいます。欧米諸国が懲らしめようとしても、いわゆるグローバルサウスが同調しません。かつて植民地にされた歴史を持つ国々が、かつての宗主国に、従うわけないよね。
和をもって尊しと為す。私の好きな言葉ですが、ワールドスタンダードに、その語句は当てはまらないようです。
戦い続けなければ、何も得られない。
問題は、その戦い方です。命を棄てて、名を遺す。結果、それが映画になっちゃったりしますけど、その戦い方を誤ると、新たなる憎悪、新たなる対立が残るかも。今の私は、誰の味方をしたらいい?。
私達は、過去から何か学習したのでしょうか。古今東西、暗殺事件は枚挙に暇がありません。(およそ3年前、このクニでもありました。)この映画は、その事件のたった1つです。その1つは、今の私達に、何を伝えることになるとお考えです?。
リリーフランキー、いい味出してます。見た目は伊藤俊輔より、陸奥宗光ですけど。ただもう少し、邦人キャストが欲しかった。一方で頑張って日本語、話した役者さんには、敬意を払います。やりたくもない役を努めてくれたのだから。単に予算の都合かも知れませんが、考えようによっては、憎まれ役に邦人を多用しなかったのは、極東の島への配慮だったかも。お陰で、リリーのラスボス感、爆上がり。ただやはり、ちょっと違和感が…。
この映画が、極東の島で評価されることはないでしょう。それでもこの極東を、よそのクニがどう見ているのか、知るきっかけになると思います。楽しくない話です。どこまで史実に忠実か知りません。でも観てね。このクニのかたちと、この世界の未来が、そこにあるやも知れません。
皆様は、何のために、戦いますか。
その戦い方は、他者を傷つけることが目的ですか。あるいは…
「天の血脈」
巨匠、安彦良和の描く壮大な歴史劇画。壮大過ぎて、私、途中までしか読まなかったですけど。6巻に、伊藤公も、安兄貴も、登場します。併せお読み下さい。
伊藤博文暗殺 ラストは笑った
1909年10月に清のハルビンで起きた伊藤博文暗殺事件や、朝鮮独立のために闘う人々とそれを阻止しようとする勢力の攻防を描いた。
1908年、参謀中将アン・ジュングン率いる大韓義軍は日本軍を奇襲し、勝利を収めた。万国公法に従い、アン・ジュングンは戦争捕虜である日本陸軍少佐・森辰雄らを解放した。しかし、大韓義軍の間ではアン・ジュングンに対しスパイではないかとの疑いとともに亀裂が生じてしまった。1909年、アン・ジュングンたち祖国独立のために同志たちがウラジオストクに集まった。彼らは伊藤博文がロシアとの交渉のためハルビンに向かうことを知り、彼を殺そうと狙ってた。一方、日本軍は大韓義軍に密偵を放っており・・・そんな話。
伊藤博文の暗殺に至るまでを描いた作品なのだが、第二次世界大戦で独立を勝ち取ったって、まるで韓国が日本と戦い勝ったみたいなラストでの字幕。
これには笑ってしまった。
アメリカが日本に勝ったのは認めるが、それが韓国が日本に勝ったことになるんだなぁ。流石韓国。何でも自分たちの都合の良い様に解釈する国。
韓国の俳優に日本人役をやらせるならもっと日本語の上手いのを使えよ、って思ったくらい。誰が誰か良くわからなかったし。
伊藤博文役のリリー・フランキーは貫禄あって良かった。
歴史を創作したヒーロー映画
相変わらず歴史を創作したヒーロー映画で中身が無い。韓国映画は一度くらい本当の歴史を韓国人に知らしめて欲しい。
安重根は無名の義兵の一人にすぎず、日本の警察・特務機関も「危険人物リスト」に入れておらず、伊藤博文が安重根を認識していたり警戒していた形跡は一切なく、暗殺を全く予期していなかった。
ハルビン駅で狙撃された伊藤博文は、「3発あたった。相手は誰だ。」と叫び、亡くなるまでの間に、自分を撃ったのが朝鮮人だとわかると「俺を撃ったりして、馬鹿な奴だ」と言った。
伊藤博文は、大韓帝国を保護国にして国力が整うまで支援・監督する形が望ましいとして日韓併合には反対だったが、安重根が暗殺して、山縣有朋や寺内正毅(韓国統監・陸軍大将)ら強硬派による日韓併合が早まり、朝鮮は武断統治された。朝鮮人に温情もあった伊藤博文がいた方が穏健な統治をしただろう。安重根は朝鮮人を不幸にしただけ。
伊藤博文に随行した外交官・室田義文が暗殺事件後に刊行した『室田義文翁譚』 には、伊藤博文の肉身に埋まっていた弾丸が、安重根のブローニング拳銃用のものではなくフランス製カービン銃の弾で、駅の二階の食堂から発砲されたと書かれ、彼は狙撃手は少なくとも2名であったと主張したが、ロシアは暗殺に関与したと疑われることを恐れ、日本も日露関係の悪化を恐れて真犯人探しは封殺された。安重根は事件の真相を闇に葬るための人身御供になり、日本も彼を犯人にして幕引きした。
安重根の高潔な人格を描くなら、監獄中で書いた「東洋平和論」(日清韓の協力による東アジアの平和を構想)の思想や、伊藤博文を暗殺する意図を語らせるべき。
安重根は、明治天皇を正義や道徳を尊ぶ高潔な君主として尊敬し、伊藤博文が朝鮮統治に関する実情や問題を明治天皇に正しく報告せず、天皇を欺いていると考えていた。
東洋平和論の記述:「私は日本国皇帝(明治天皇)を尊敬している。しかし、伊藤博文のような奸臣が皇帝の耳目を遮り、東洋の平和を乱している。」
安重根が日本側の取り調べに対する供述:「私は日本の天皇を害する意図などなかった。むしろ伊藤のような者が、天皇を欺いて韓国を不当に支配していることに憤りを感じた」
安重根は、日本と韓国が平和的な連携を持つ「東洋の連合」に希望を持ち、その障害となっていたのが伊藤博文だと考えて暗殺しようとした。
もっとも、安重根の思想は新しくは無い。李氏朝鮮末期に開花派で朝鮮独立党の指導者・金玉均が慶應義塾に留学して福澤諭吉の支援を受け、日本のアジア主義思想を東アジアに特化した三和主義(日本・朝鮮・清国の三国が協力して欧米列強の侵略を防ぎ、アジアの独立と発展を目指す)を唱え、閔氏政権打倒のクーデター(1884年12月4日、甲申事変)を起こしたが清の介入で失敗し、日本に亡命した金玉均は上海で閔妃の刺客に暗殺され、遺体は残忍な凌遅刑で晒し者にされた。李氏朝鮮は甲申政変後に開化派の三親等の一族を処刑して遺体を晒し者にし、朝鮮の近代化の芽は摘まれた。
しかし、大韓帝国末期に親日派政治団体の一進会が急速に勢力を増し、朝鮮が自力での近代化は困難だと判断し、既に近代化に成功していた日本の支援・統治を受けることで朝鮮社会の改革や近代化が進むと考え、1909年に日本に対して「韓日合邦を希望する」旨の合邦建議書(嘆願書)を提出した。(大韓民国初代大統領になる李承晩も当時は一進会の一員) 朝鮮半島はロシア・清・日本・欧米列強の勢力争いの場で、このままでは列強の植民地になると恐れ、「信頼できる国に保護してもらうなら日本だ」と判断した。
朝鮮半島は日本の安全保障にとって極めて重要な戦略的位置にあり、日清戦争や日露戦争を通じて、朝鮮半島が清やロシアの影響下に置かれることは日本にとって脅威となるという判断が強まり、「韓国の独立は常に外国の干渉を招き、日本の安寧を脅かす原因であった」という見解が政府・軍部内で共有された。1905年に韓国を保護国とした後も内政改革はうまく進まず、韓国内の政治的混乱や抗日運動(義兵闘争)が続き、大韓帝国皇帝・高宗は親露政策を取り国際情勢に反する行動をしたため英米の不信を招き、桂太郎首相は「韓国をこのまま放置すれば内政混乱が続き、列国との摩擦を再燃させる恐れがある。これを根本的に解決するには併合しかない」という立場を取るようになった。
ここに至って、日韓併合は必然だっただろう。大韓帝国政府は統治力がなく財政は破綻。清は列強に侵略され孫文の辛亥革命前夜。日本は満州から朝鮮半島を狙うロシア恐怖症。日韓併合は欧米列強も同意しており不法とは言えないと、世界の歴史学者も認めている。
もちろん、日本人は日韓併合など馬鹿なことしたと後悔している。国家予算の2割も朝鮮半島に投じて開発したが、植民地経営としては終始赤字で、その予算を東北など貧しい地方に投じて豊かにしていたら、世界恐慌後の5.15事件や2.26事件も無かったかも知れない。
1909年10月に中国・ハルビンで起きた歴史的事件を映画化し、祖国...
1909年10月に中国・ハルビンで起きた歴史的事件を映画化し、祖国独立のために闘う人々とそれを阻止しようとする勢力の攻防を描いたサスペンス。
1908年、参謀中将アン・ジュングン率いる大韓義軍は日本軍との戦闘で大きな勝利を収めた。アン・ジュングンは万国公法に従い、戦争捕虜である日本陸軍少佐・森辰雄らを解放するが、これをきっかけに大韓義軍の間ではアン・ジュングンに対する疑いとともに亀裂が生じる。1909年、アン・ジュングン、ウ・ドクスン、キム・サンヒョン、コン夫人、チェ・ジェヒョン、イ・チャンソプら、祖国奪還のために強い絆で結ばれた同志たちがウラジオストクに集まった。彼らは伊藤博文がロシアとの交渉のためハルビンに向かうことを知る。一方、日本軍は大韓義軍の密偵から、ある作戦についての情報を得る。
「コンフィデンシャル」シリーズのヒョンビンがアン・ジュングンを演じ、パク・ジョンミン、チョ・ウジン、チョン・ヨビン、イ・ドンウクが共演。日本からも伊藤博文役でリリー・フランキーが出演。「KCIA 南山の部長たち」のウ・ミンホが監督を務め、「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影を手がけた。
ハルビン
2024/韓国
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
ヒョンビンにつられ
歴史系は苦手だけどヒョンビンにつられて見てきました。
韓国側からの作品なので、日本は散々に描かれる覚悟で見ましたが、思っていたほどではなく(とはいえ最悪な日本人おるが)、ただそれより伊藤博文を暗殺することで独立にどう結びつくと考えここまで暗殺に執着しているのかがわからなかった。
劇中では理由は述べていたが、私の中ではしっくりこなかった。
そもそも今の平和な世界に住む私たちのような思考の人が、当時の状況や心境は計り知ることができないから、そもそも理解はできないだろうけど、もう少し当時を理解させてほしかったし感情移入したかった。
とにかく何か行動を起こして今を変えたい、変えるにはどうしたらいいのかもわからない、思いつく限りのことを全てしようと行った結果なのだと思ったけど、どうしても全ての展開において「その理由」がふんわりしてて置いてきぼり感があったところが残念だった。
日本人役が日本人じゃないことで聞き取りづらく、他の方もそう思われてたと思いますが、政治や戦争、日韓の問題でキャスティングは結構厳しいんじゃないでしょうかね。リリーさんは型破りな方ですし、それ以外の配役で日本人起用するなら20〜30代ですよね?
エキストラ程度なら行けそうですが、そこそこ演技力求めると有名俳優はOKでないだろうから仕方ないなと想いますね。
ウ・ミンホ「ハルビン」安重根が伊藤博文を暗殺するまで描く。映像も劇...
ハルビン
結末は知っている。その背景が知りたかった。
忘れてはいけない歴史。
韓国映画の本領発揮を示した作品。安重根が伊藤博文をハルビンで暗殺するまでの過程を描いた作品だが、ハラハラドキドキ、スリリング感もあり見事だった。安重根を演じたヒョンビンはさすが。安重根は教科書やニュースで知った程度だが、いざ作品を見ると紆余曲折もあったが、日本からの独立のために孤軍奮闘したのかと改めて再認識した。日韓は関係改善が進み、未来志向モードだったが、今回の作品のような歴史を忘れてはいけないと実感した。観て良かった。見事!
【"カレア ウラ!"今作品は安重根による伊藤博文襲撃を描いた、日本人にとっては悲しい想いが込み上げる【フィクション映画】である。】
■1900年代。大日本帝国は朝鮮を支配下に置こうとしていたが、それに反発する大韓義軍が逸れに激しく抵抗する。
そんな中、ある闘いで大韓義軍は森少佐(パク・フン)率いる大日本帝国軍に勝利するが、森少佐を始めとした捕虜に対し、安重根(ヒョンビン)は国際法を説き、彼らを開放するが同志イ・チャンソブ(イ・ドンソク)は激しく反発する。一方、森少佐も恥辱を受けたと思い、執拗に安重根を追うのであった。
◆感想
・日本の近代史をキチンと学んだ者であれば、伊藤博文が朝鮮併合には慎重論を持っていた事は周知の事実だよね。伊藤博文は当時の大日本帝国の主要な人物の中では、対中関係も高い視点で捉えていたしね。
・伊藤博文を演じたリリー・フランキーさんの冷徹な演技だと、ムッチャ朝鮮の民を軽視していた様に見えるけど、彼が暗殺されてしまい、日本は更に大東亜構想を邁進して行き、1945年に悲惨な敗戦を来したのは、誰もが知っていることだよね。
◼️何が言いたいかというと、特に韓国の若い人がこの映画を観て、"日本憎し!"と言う想いを持たずに、他国を無理矢理支配しようとすると様々な悲劇しか生まない事を感じて欲しいと思ったんだよね。
確かに、大日本帝国は朝鮮の民に対し、近代様々な酷い事を行って来た。だから、日本人はネオナチの様に、"アウシュヴィッツなんてなかった。"なんて、愚かしき事を考えてはいけないし、(南京事件もね。)この映画を観て、平和の大切さ、仲間をスパイではないかと疑わなくても良い現在の日本の国家の有り難さを感じなきゃいけないと、思ったんだよね。
◼️作品の質は、韓国映画らしいサスペンス要素が良かったし、当時の反大日本帝国の人達の苦しみや、苦悩や、やるせない怒りが抑制したトーンで描かれている所も良かったな。ヒョンビンって当たり前だけど、良い役者だなとも、改めて思ったよ。
<"じゃあ、貴方は何でこの映画に3.5を付けたんだ!"って思う人もいると思うけれども、ヒョンビンが演じた安重根が死刑台に上がる時の表情が、私には"やり遂げた満足感"を持っているようには、見えなかったから何だよね。
私は、今作品は"他国を支配する愚かな行為は、悲劇しか生まない"と言うメッセージを発信する映画だと思ったのです。観るのは、キツかったけれども、こういう映画をプロパガンダ映画と思うのは、色んな意味で、危険だと思います。韓国人に友人がいるからと言う訳ではなく、”嫌韓”とか止めて、満塁本塁打さんも書かれているように、隣国何だから、韓国とは仲良くしたいよな、と私は強く思います。>
もう少しテンポが良ければ…
日本史の知識として「1909年10月に伊藤博文がハルビンで安重根(アン・ジュングン)に暗殺された」ということは知っていたが、その背景については「単純に祖国が侵略された怒りに任せてことに及んだのだろう」くらいのぼんやりとしたイメージを抱いていただけで、正直言って、特にこれまで意識したことすら無かった。
本作は事件の約2年前の戦闘をキッカケにアン・ジュングンがなぜ伊藤を狙おうと思ったのか、そして、実行に至るまでの過程に焦点を当てて描こうとしている。
もちろん韓国視点の英雄譚として描いているので、日本の観客としては手放しに爽快感が得られる訳ではないことには留意しておく必要がある。
それでも、一人の人間として、暗殺という行為に至るまでにさまざまな背景が重なり合ってどのように思い詰めて行くのかという点においては国籍などを問わずに普遍的な物語として観ることができるかもしれない。ただ、もう少しアン・ジュングン自身の心情の揺らぎなどを深掘りしてもよかったのではないかと思える。
映画としては、若干、冗長になっているのが残念。作品に重厚感を持たせたいという意図は理解できるが、もう少しテンポ良く編集をした方が緊張感が持続したまま一気に最後まで鑑賞できるのではないだろうか?
そして、どうしても違和感を拭えなかったのが、満州国の風景が砂漠として描かれていたこと。それじゃモンゴルになってしまうだろう…(エンドロールを眺めていたら、実際にモンゴルで撮影しているようだし)。
余りに単調な展開で眠くなる。
楽しみにしていたのに残念な内容だった。韓国の英雄なので、その観点からのストーリー展開と演出は許される範囲だと思うが、如何せん魅力がなかった。画に描いたようなヒーローにしたために人間味のないお人形さんのようだった。何よりストーリー展開にテンポがないので、つい睡魔が襲ってきた。伊藤博文暗殺に至るまでの歴史的経緯を時間をかけて見せるならこの程度の人間像でも許されるのかも知れないが、暗殺までの数日間に限定したドラマなら、もっと安重根の人間性や理想に拘る執着心などを表現して、内面に迫る脚本作りをして欲しかった。余りに薄っぺらい内容で、捕虜の扱いを「国際法」に則ることに拘った義理堅さと、「密偵」探し以外はほとんど印象に残らない。折角の素材が台無し、もったいない。
期待外れ。
この映画がどれだけ訴求力があるのかは分からないが、影響されて反日を叫ぶ者、別のベクトルから嫌韓を叫ぶ者、共に生成されていくのだろうな。やれやれ。
画面の暗さ(?)によるのかどうか分からないが、中盤まで登場人物が誰なのかやや心許ないまま時が流れていった。個々のキャラがさほど立っていないような、顔の輪郭というか表情というか、均質化しているような気がして、最後まで思い入れることができなかった。
おそらく創作も少なからず盛り込まれている訳だが、人物に惹かれることもなく。
リリー・フランキー以外、日本人を韓国の俳優が演じているのもどうにかならなかったのか?日本語のアクセントの不自然さが邪魔をして、物語に集中できなかったのは私だけだろうか?
韓国の描く戦時はこんな感じになるのか、という知見は得られた。日本が描く太平洋戦争も、他国の人からは違和感を感じるものなのだろうな。一方的な視点のみに偏ることのないよう心しないとな。
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