「アクションものスパイものとして見れば、かなり面白くよく出来ている。」ハルビン mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションものスパイものとして見れば、かなり面白くよく出来ている。
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なかなかクールな韓国映画でした。
これを歴史もの、実録ものとして捉えると、イマイチかもしれないが、アクションものスパイものとして見れば、かなり面白くよく出来ている。
まず映像が素晴らしい。なかなかの重厚感。ハルビンの駅舎やウラジオストクの建物や、鉄道(これはCG?でもCGには見えない出来)など素晴らしい厚みのある映像、満洲の砂漠のシーンもIMAXを意識した映像でとても美しい。雄大な大陸の雰囲気がよく出ていた。
ただ、あまり歴史に踏み込まない。日韓併合については、過激に反日にはならずに中立とまではいかないが、冷静さを感じる表現になっている。
多分、安重根のエピソードを背景にして、壮大な(?)アクション映画を目指したのだろう。
その点が面白かった。
日本軍の森少佐という強烈なキャラクターを作り出し、対する安重根や、義勇軍のメンバーとの対立というストーリーにしてサスペンスフルなスパイアクションものになった。
テイストは、まるで神山健治の「攻殻機動隊」。特にラストの日本軍の森少佐を殺して去るシーンは、クールでまるで日本のアニメのようなカッコよさ。
安重根もただの英雄ではなく、万国公法を遵守しようとする理想主義者の面や、それによって多くの犠牲を出したことへの罪の意識など一市民として人間性も感じられる作り。ラストの絞首刑のシーンも淡々と描く。
撮影、美術、アクション、どれをとっても一級品だったけれど、歴史へのアプローチがイマイチだった分、話の厚みが出なかったのは残念。
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