ORLIK

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ORLIK

解説・あらすじ

長編第1作「LUGINSKY」で注目を集めたhaienaが、切り抜いたスチールなどを複雑に組み合わせて制作した映像に、動画化の技術やデスクトップアートの手法を加えて完成させたコラージュアニメーション映画。ヌーベルバーグやアメリカン・ニューシネマに思いを馳せる主人公オルリックにhaiena監督自らの身上を投影しながら、政府機関や反体制組織の思惑に翻弄される姿を描き出す。

インディペンデント映画監督クラレンス・オルリックはすべてに失敗し、失意と貧困のなかで虚勢を張る日々を過ごしていた。ある日、彼は秘密警察官ミラーにより、不毛な内戦への関与を強要される。そんな折、オルリックの悪友フジキが「ボイルドブレイン」という装置を完成させる。それは自己の意識を映像化する装置で、金も人手も使わずに映画づくりが可能になるという。装置を使用して再起を懸けるオルリックだったが、副作用で時間の感覚を失い、記憶と空想が混ざり合い神経が迷乱した状態に陥ってしまう。精神をむしばまれながら戦地へ送り込まれた彼は、爆撃と妄想が降りそそぐなか、映画への狂的な妄執にとり憑かれていく。

俳優の金子貴伸が主人公オルリック役で声の出演。

2023年製作/78分/日本
配給:ユーステール
劇場公開日:2025年5月23日

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映画レビュー

5.0映画監督の逆襲!

2025年4月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

映像から広がるイマジネーションは、自身の記憶や体験を呼び覚まし、
まだ知らない世界や、見て見ぬフリをしている世界が広がります。

美しいもの汚いもの。喜びや悲しみ、楽しさや辛さ。怒りや妬み僻み、理不尽なことでさえ。その全てが映画になりうる。
映画の優しさと危なさ。

他人の息づかいを感じながらスクリーンに目を凝らすこの時、一人一人が平和の体現者。
映画を観るって、なんてエキサイティング!

美しくノスタルジックなピアノの旋律が素晴らしい。
私は単純な人間なので、もしかするとこの音楽に泣かされたのかもしれませんが。
劇場のシーンは涙が止まりませんでした。

しかし!ノスタルジーやセンチメンタルに浸らせてくれないのがhaiena監督。
スタイリッシュな映像と辛辣なユーモアがやみつきになります。

映画への逆襲であり、自分自身との決別。
次回作が楽しみでならない。

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shiron