ユ・ヨルの音楽アルバム
配信開始日:2019年11月5日

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2020年6月5日ラジオ番組を軸に、移り変わる時代の中で、偶然出会った主人公達の人生を描く映画。
ラブロマンスというよりは、詩的で抒情的な世界観があふれる映画なので、ラブストーリーが苦手な人にも大丈夫かと。
1994年から物語は始まる。韓国では全斗煥から部下の盧泰愚につながる独裁政権が終わった不安定な時代。日本の1994年と違い、まるで昭和30年代のようなレトロな世界。
あの時代の韓国はラジオ番組をきくのが人々の楽しみ。
韓国は携帯がなく対面か電話しか言葉を伝えられない。
すれ違いが何年も続いていく。
韓国には兵役もある。
すれ違いのなか、また二人をひきあわせてくれたのもラジオ。
悪いレッテルを一回貼られてしまったら社会から拒否されうまくいかない人。流れ者を受け入れる親とその娘。
これでもか、これでもか、というような「すれ違い」。
韓流ぽい「すれ違い」というよりは、相手がどういう人なのか、心の中まで知った上で心底から受け入れてるのか、それができないからおきる「心のすれ違い」なのかもしれない。
韓国が1997年のIMF危機を経て、2000年代にやっと入って携帯電話やパソコンを使う人もでてきて。この辺は同時代の日本よりもずっと遅れていたので、違和感があるかも。
なかなか連絡がつかない、今みたいにスマホで連絡するわけにいかない。あの時代のもどかしさが。
韓国は2000年代から驚異的に発展していく。しかし、発展のかげで街の再開発が進み、皆のなじみの店や家がどんどんつぶされて昔ながらの街並みやコミュニティが消えて行く。
そんな韓国の時代とともに、10年以上にわたる男女二人と、血はつながらない他人だったが家族同然の”おねえさん”の人生を描いたんだと思う。
チョン・ヘインとキム・ゴウンは若手俳優のなかでも演技が非常にうまいと思う。二人ともすごく自然で、笑顔の裏に陰を抱えて生きていく役がとてもあっていた。
タイトルにあるようにラジオが二人の縁をつむいでいく。
韓国の昔の曲とかがわかれば、きっとこの映画はもっと楽しめたんだろうなと思った。