「「本物を語るには本物をもってするしかない」」旅と日々 秋房さんの映画レビュー(感想・評価)
「本物を語るには本物をもってするしかない」
原作者・つげ義春ファンであり、神津島にも7年前に行った私は存分に楽しめた。『海辺の叙景』の舞台といえば千葉とばかり思い込んでいたが、神津島との相性抜群じゃないですか!そういえばつげ義春師の父も神津島と同じ伊豆諸島の伊豆大島に縁があるはずだ。あの2つのセリフが、ああいう風に使われるのかと。かつて、『美味しんぼ』において、海原雄山が山岡士郎に「本物を語るには本物をもってするしかない」と言ったが、まさにそんな感じ。河合優実・高田万作の演技も見事でした。パンフレットに神津島のマップも載っていて感動。映画に出てきたロケ地にはすでにいくつか見覚えがあったが、やはりそろそろ再訪せねばならない。
2020年代日本と韓国(語)との関係という点でも興味深い映画。原作の描かれた1960年代の日本ならば、両者はここまで親和的にはならないはず。『ほんやら洞のべんさん』を原作としたという映画後半も、とくに終わり方がすばらしかった。2025年の最後に良い映画を見ました。
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