「言葉の向こう側にあるもの」旅と日々 AZUさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉の向こう側にあるもの
脚本家の主人公が、言葉で表現することの限界を感じ、自分には才能が無いと自信喪失するまでの、夏の海パート。
亡くなった恩師からもらったカメラをきっかけに旅に出て、言葉の向こうにある美しさや豊かさを知り、その力を信じることができたことで心を再生させていく、冬の旅パート。
自然の音と美しい景色、人との交流、その時の表情が、言葉に頼らなくても雄弁に語りかけてくると気付いた時、主人公は言葉だけの力で何かを作ったり、組み立てたりするのではなく、ありのままを見せることで伝わることがあると知ることができた。
この作品は、同じ気付きを主人公を通して、私たちにも気付かせてくれる作品になっているのが、観る側のコンディションによっては、退屈でつまらないと感じてしまうかもしれない。
ストーリーを楽しむというより、繊細な物語の奥にあるメッセージを受け取り、こちら側から汲み取ろうとする気持ちで観る作品だと思った。
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