「鯉泥棒」旅と日々 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
鯉泥棒
本サイトの粗筋が前後で繋がらないな、と思ってたら、劇中劇なのね。
この劇中劇が、河合優実をもってしても退屈だった。
背景も語られない2人の男女がなんとなく出会って、なんとなく一緒に過ごすだけ。
しかも意味もなく台風の中で泳ぐという、事故にでも遭ったら迷惑極まりない行動に出る。
主人公が「自分には才能がない」と思わなきゃなので、面白くするわけにもいかないのだが…
そんな作品を長々と、しかも部分的に見せられるのは苦痛でした。
後半は堤真一のべん造がなかなか面白い。
世捨て人風なのに、「ドラマになれば都会から客が〜」とか「幸せ=金持ちになる」とか俗っぽくて。笑
喋り方も妙にリアルで、これを堤真一がやっているというメタ的な楽しさがある。
話としては、ダラダラして、鯉泥棒して、べん造がパトカーで病院に搬送されただけ。
主役が韓国人というのは、故郷との物理的な距離とか、言語や文化の違いという意味で理解できる。
でも、国内の田舎と都会でも“近くなのに”という逆説的な描き方は出来たと思う。
わざわざ字幕を付けてまでの意味はあったかな。
また、最初の宿泊場所?食堂?はもっと現代的にした方がギャップが出たんじゃなかろうか。
「旅とは言葉と距離を置くこと」という一つの答えを中盤に出しちゃったのも勿体ない。
カットの美しさ(特に風景)とか、べん造の宿に着いて音が消える演出とか、いいところもあった。
けど正直、画を撮りたかっただけの部分が多過ぎる気がする。
共感ありがとうございました。
つげワールドをシムウンギョンで演るというのは監督の思いつき。『左様でございますか』の台詞は異国人にそぐわない。日本人ならではのニュアンスだろう。
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