兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
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焼きそばのソースは2種類混ぜて。
理解しきれなくても『持ち運ぶ』こと
奇跡とか劇的な何かとかが起こるでもなく、“家族”“別れ”“再会”という凡そ普遍的なテーマなだけに、しかも「四日間」という短い時間の話ですから、淡々としたものになりそうです。
しかし、根幹がしっかりと現実的であり、それでいてユーモラスで、最高に魅力的な作品に仕上げられています。『兄を“持ち運ぶ”』という強烈な比喩とともに、重くなりがちな部分を軽やかに演出しながらも、しっかりと物語と整合し深みを持たせていると感じました。
物理的な“片づけ”という行為を通して、「兄」の家族四人それぞれの心情、その関係の再構築が描かれるのですが、その心緒の描かれ方が本当に素晴らしく見事でした。
それぞれの息遣いが聞こえてくるように生々しくて、全く無理がなく、機微がうかがえ、葛藤や矛盾もちゃんと伝わってきました。
それには、登場人物の感情を説明し過ぎず、関係性を断定し過ぎていないことが重要だと感じました。映像的にも沈黙だったり間だったり、そういう余白というものが丁寧に演出されています。
簡単には整理しきれない感情だったり、綺麗な事だけではない人生だったり、“わからない”を肯定してちゃんと“向き合おう”とする誠実さだと思います。
そういう余白は、観客の感情が入り込むスペースでもあり、私たちが自身の「家族」や「思い出」や「死(後)」を思い浮かべることが自然と出来るように思います。
家族のことを完全に理解することなんて無理で、でも、理解しきれなくても『持ち運ぶ』ことが大切なのでしょう。
おもひでぽろぽろ
試写会で鑑賞。
急逝した“ダメ兄”を偲びながら、後始末に奮闘する5日間。作家・村井理子さんのノンフィクションエッセイ『兄の終い』がベースです。
ちょっとだけ涙した場面もありましたが、終盤の「あなたにも見えるよ」のような演出に違和感があり、一気に冷めてしまいました。
映画鑑賞後に、原作エッセイ『兄の終い』を読みました。映像の記憶がまだ鮮明だったため、情景が浮かびやすく、2時間もかからず読み終えました。
エッセイの方はノンフィクションなので違和感が全くなく、でも自然に涙が溢れました。
好みの問題とは思いますが、映画で加えられた演出はかなり不自然に感じました。原作にある脳内イメージを映像化するだけに留めて、あとは観客の想像に委ねた方がよかったように思います。
家族の愛に感動します。
また11月にも鑑賞したいと思います
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