劇場公開日 2025年11月28日

兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価

全134件中、61~80件目を表示

3.5映画序盤の兄が嫌い

2025年12月1日
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基本的には良いお話だったと思います。
ただ、映画序盤の兄(オダギリジョー)がクズ過ぎて、
後半と人物像が繋がらない気がしてしまいました。

まあ、テーマは「家族愛の再発見」だと思うので、
前半のイメージは「兄のことが嫌いな妹の目線なのだ」
ということなんだろうとも思うのだけど…

それにしても、あれではサイコパスすぎて。
「人間的に極端に不器用」なだけのキャラクターのはずなのに、
「全てをわかっていて周りを嘲笑して翻弄している」かのように見えました。

率直な話、「兄」の所業が胸糞悪すぎて、途中退出しようかと、本気で迷いましたよ。

でも、ベースがノンフィクション・エッセイということもあり、とてもリアルな葛藤と愛情が描かれていて、最終的には心が温かくなりました。

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Bratsche

4.5 柴崎、満島、オダギリと、演技が良かったし、子役の子たちも良かった...

2025年12月1日
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鑑賞方法:映画館

 柴崎、満島、オダギリと、演技が良かったし、子役の子たちも良かった。演出も良かったのだろう。港の麒麟が良かった。
 いい加減さと優しさ、母のがんから逃げ出す感じとがいまいち一貫してなくて、オダギリのおうもの役どころよりは、もう少し違うテイストが欲しかった感はある。
 満島がタバコをやめるというシーンは好きだ。
 柴崎が最後に泣き出して夫に食らいつくシーンも。柴崎は、大河が好きだったんだけど、強さと弱さの両方、特に後者の泣くシーンが好き。

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Emiri

4.0兄はダメ人間

2025年12月1日
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亡くなった兄が遠方に住んでたので、その後始末をするという映画。
演技が上手く、無駄なシーンも無く没入感もありました。
家族は支えであり、呪縛ではない。いい言葉です。
亡くなった家族に会えたような素敵な映画でした。
映画館を出た後はスッキリ気持ちよく、世界が輝いて見えました。

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かなや

4.0「嫌い」と思っても家族は家族

2025年12月1日
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泣ける

癒される

カワイイ

若々しいヒロインが好みの俺ではあるが、柴咲コウと満島ひかりのダブルヒロインが魅力的だったし、予告編で観る限りオダギリジョーのハマリ役に思えたので、「これは良さそうだ」と公開を楽しみにしていた。

いざ公開週になると、意外に扱いが小さく、上映館が少ないことを知る。経験上、キャスティングの割に上映館が少ない作品は「映画館が手を出さなかったのは正しい判断だった」と思うことが多いので、若干の不安を抱きつつ映画館へ。

【物語】
村井理子(柴咲コウ)はエッセイスト、夫と二人の息子と滋賀県で平穏な暮らしを送っていた。ある晩、遅い時間に電話が掛かる。東北塩釜の警察からで、疎遠になっていた兄(オダギリジョー)の死を知らされ、幼い息子以外に理子しか身内がいないので遺体を引きとるよう求められる。

数日後に迷惑顔で塩釜へ向かう理子。兄には良い思いを持っていなかったのだ。塩釜駅で兄の元妻加奈子(満島ひかり)と兄の実娘満里奈(青山姫乃)と7年ぶりに再会。火葬を済ませた後、兄が暮らしていたアパートを訪れ、ゴミ屋敷と化した部屋に唖然としながら片付けを始める。 理子は幼い頃からマイペースで、大人になってからもウソをついては金銭の援助を何度も求めて来ただらしない兄への愚痴を言い続ける。しかし、同調すると思った加奈子は「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」と話す。

【感想】
作品のオープニングは監督の力量が知れる重要な部分だと思っているが、本作のオープニングはわけの分からないものだった。そんな始まりから中盤までは鑑賞前の嫌な予感が当たってしまったかと思いながら観ていた。
「なんか面白くない」
何が期待と違ったかと言えば、もっと笑える作品を期待していたのだが、コメディーパートは空振りだった。というか、宣伝で強調するほど、監督はコメディーを意識していなかったのかも知れない。

ちょっとガッカリ感を持って後半へと観続けたのだが、予想に反して終盤になって大いに泣けた。

人によって人の見方は違う。理子は縁を切りたくても、完全には断ち切ることができない兄弟の絆が足枷になって、兄の悪い印象ばかりが心に残ってしまったのかも知れない。
一方、元妻加奈子は一緒に暮らし続けるのは無理と思った段階できっぱり縁を切ってしまったからこそ、良かった部分の記憶も残ったのかも知れない。

なんで泣けたんだろうと、思い出そうとしても思い出せないほど、大した感動エピソードが有ったわけではない。家族という身近な存在の尊さを改めて嚙み締められたのだと思う。「偉大な家族」「尊敬する家族」でなかったとしても、永く生活を共にした人はやはり何かしら自分に影響を与えているし、良い思い出も有ったはずということかな。自分の家族を思い浮かべたときに涙が止まらくなったのだった。

エンディングはある言葉で締めくくられ、同時にそれでやっとわけの分からなかったオープニングの謎が解ける。

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泣き虫オヤジ

4.5トロイメライの響き

2025年12月1日
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鑑賞方法:映画館

現在、引き継いだ祖母の家の整理を進めている自分にとって、ストレートに刺さってくる作品だった。

個人的には年間ベストテン入り確定。

ただし、一緒に観に行った妻は、泣いてる私の隣でポリポリとポップコーンを食べていたようなので、刺さり方は人それぞれかも。

<ここから内容に触れます>

・決して取り戻せない「過去」に対する罪悪感や後悔は、無闇矢鱈に人前には晒さないものだし、自分自身ですら、無意識に原因を「他者」や「運命」に押し付けて、それを否定してかかっている。

・そんな、主人公の中に生き続けている「兄」が、記憶の中のエピソードだけでなく、兄の後始末をしている際にも時々眼前に現れ、挙げ句の果てには会話までできてしまうという作品。

・柴咲コウ、満島ひかり、そしてオダギリジョーの演技が、そうした矛盾や葛藤を違和感なく、かつユーモラスに飲み込ませる。エッセイを映像化する際の、1つの正解の形が今作なのではないかと感じる見事な表現だった。

・とにかく安易な着地を徹底して排除し、地に足をつけた物語にしようという強い意思が、全編にみなぎっている。それは、もともとの原作自体の持ち味なのかもしれないが、今作でその役割を中心的に背負っている満島ひかりが本当に素晴らしい。

・「嘘つき」が、キーワードになっているが、「嘘」ってなんだろうねと問いかけられている気持ちになる。

・「浅田家!」を撮った監督のテーマなのか、今回も震災が大切に描かれている。

・子役の演技にギュッと胸を掴まれる。全員がそれぞれによい。

・あの自転車は原作通りなのか。ストーリーにも映像的にもあまりにピッタリし過ぎて、観ているだけで涙が出た。

・大切なところで流れるトロイメライもいい。

・焼きそば、自分は粉のソースも好きだけど、気持ちはわかるし、小道具としてうまいなぁと思った。

・満島ひかりの山盛りご飯とか、コーラとか、食で語らせるところも好み。

・「支えであり、呪縛ではない。」に救われる。

・公民館、開けっ放しで、遺影も骨つぼも位牌も置きっぱなしじゃまずいでしょと思ったが、あれは記憶の中での出来事という表現と考えたら納得。

・分骨、お弁当の空容器に入れて渡すのかと思ってドキドキしたが、それ以上で驚いたw

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sow_miya

3.5意外に泣けて、案外笑えない

2025年12月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

癒される

原作者で本作の主人公でもある村井理子さんのエッセイ。その雰囲気をそのまま映像化したような作りがにとても好感持てました。

一方で、故人の回想で綴っていくスタイルは映画らしくもあり、実話だけで終わらせないところも良かったと思います。何よりタイトルが素敵。肉親が死んだ話なのに、その暗い部分を忘れさせてくれるような気の利いたタイトルです。

演出については、ちょっと大袈裟でややベタっとしたものを感じるのですが、思ったより涙を誘うところが多く、思ったより笑えるところは少なかった印象です。

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yutes79

4.5中野量太監督の家族ムービーに外れ無し。

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

やっぱり中野量太監督の家族ムービーに外れ無し。この作品もとても良かったです。
星も5個でも良かったんだけど、でも中野量太監督の傑作「湯を沸かすほどの熱い愛」の期待値があるために星5個はつけれませんでした。
亡くなった兄と柴咲コウさん演じる妹とのストーリーの軸も良かったですが、とくに泣けたのは離婚した妻と兄が引き取った息子との物語。満島ひかりさんの演技は素晴らしいな。子役もみんな良かった。
オススメです!

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光陽

3.5心がそっと包まれるような話です

2025年11月30日
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予告で気になって見てきましたが予告で想像した通りの内容です。無駄な味付けもなくただ素朴に、人間の実情をリアルになぞっていく物語です。何度か涙がこぼれました。最後は前向きになれる終わり方です。

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ことり

4.5オススメです

2025年11月30日
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久しぶりにいい映画を見たな。
やっぱり、家族っていいなと思わせてくれる。
だってあんなアニキ、家族じゃなきゃ許せないでしょ。

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emukocyan

5.0兄を持ち運べるサイズに

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

日曜12時の回、13人。
番宣とかも、平行上映作品みたいにしてないから、仕方ない。
今月3日のライヴで言ってた「仙台に居たんですよ。」の作品。
柴崎コウさんは、ライヴも映画もマストなので、片道1時間を駆けつけました。
作品はと言うと。
大嫌いな兄の死を通して、家族とは何かに辿り着く物語。
こんな描き方があったとは、監督お見事です。
そして、「心から思っていても、約束を守れなかったら嘘つきなのか。」、なかなかの提起でした。
個人的な今年ナンバーワンは、演技の熱量で『宝島』だったんですが、この年末に入れ替わりました。
お勧めです。
柴崎さん目当てでしたが、満島さん、素晴らしい。

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映画館難民

4.0

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

出てくるみんながお互いへの愛を持っているので、どの場面を見ても心温まります。特に満里奈ちゃんがスレて無くてみんなの中心になってるのは良かったですね。

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ごっとん

4.5でも、許せない

2025年11月30日
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泣ける

笑える

斬新

最近身親類の死後整理をしました。死んだ人間にも迷惑をかけられたけど、生きてる人間にも散々振り回されました。人ひとりの人生を片付けるのがこれほど大変なのだと身にしみて思い知りました。

こんなに泥臭くて重いテーマを、実に軽やかに的確に描き出している秀作です。オダジョーは勿論、満島ひかりの繊細で自然な演技はさすがでした。ちょっと野暮ったい柴咲コウとの掛け合いも絶妙で。お姉ちゃん、良一くんの思いも丁寧にコンパクトにまとめられていたと思います。
「兄」の名前が出てこないので、オダジョーは妹から見た人物。加奈子さんやお姉ちゃん、良一くんから見た「夫」や「父」の姿を垣間見せる演出も心憎いです。

とはいえ、家族って本当我慢ならない時があります。
「あんたは冷たい子だけど、あの子は優しい」って、私は姉ですがウチの母も同じことを言います。どんなに不出来でも、不出来だからこそ息子の方が可愛いのでしょう。
母に代わって故人の死後事務を取り仕切り、頼りになるとは言われても、優しいとは決して言われません。

好き勝手に振る舞った故人も、何もしない弟も、やっぱりどうしても許せない。個人的理由で、星半分減らしますw

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ぱんだcat

4.5実話だと思うとなかなかの話

2025年11月30日
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2025年劇場鑑賞336本目。
エンドロール後映像無し。

ダメな兄が亡くなって、妹と元嫁がその後始末にやってくる話。兄が亡くなったと聞いてもそっけないお母さんにドン引きな息子たちからもう面白いです。この柴崎コウ演じる主人公も結構すごい気がします。
妹の記憶にある兄は、よくある陽気なバカ兄貴という感じじゃなくて、ちょっと陰湿な部分もある兄で、これは嫌いになるよな、という感じでした。しばらくして出てくる兄はそこまででもなくて、そういう風に心の整理をつけたのかなと思うと少し都合のいい気もしましたが、物語としては救いになっていたと思います。どこまでが実話というか、エッセイの内容なのかは非常に気になりました。

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ガゾーサ

3.5愛すべきダメ兄貴

2025年11月30日
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疎遠になっていた、兄が急死した事から、妹達が後始末に奮闘する話。
オダギリジョー、愛すべきダメおじさんを演じたら日本一かもしれない笑。ナチュラルなホラ吹きおじさんですな。愛すべきキャラで良いところもあったかもしれないが、アカンです。でも憎めない、オダギリジョー。
役者さんは、満島ひかりさんはやはり上手くて、泣かされそうになりました。
ストーリーは後半部分は若干、冗長かなあと思いました。

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mz

5.0ムカつくけど憎めなくて、でもやっぱりギリムカつくお兄ちゃん(笑)

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

正直そこまで期待してなかったんですよね。なんかほのぼのしててちょっと笑えるのが観たかったってだけで…。そしたらなんかもう、終盤ずっと泣いてたんですよ。

特に「ここが感動のシーンです!はいっ、泣いてください!」って感じでもなく、さりげなーく泣かされちゃった感じ。さっきまで「だらしねぇお兄ちゃんやなぁ、どうしようもねぇなぁ」なんて思ってたのに…。なんならちょっと腹立つくらい。いや、その「振り」が効いていたということでしょうね。脚本の素晴らしさにジワジワと気付かされます。

オダギリジョーが最高なんですよね。このムカつくんだけど憎めなくて、でもやっぱりギリムカつくっていう(笑)絶妙な愛されキャラを見事に演じております。

妹、元嫁の両視点からの兄を描いた点もお見事!ここから生まれる2つの価値観の違いが作品に深みを与えています。家族の幸せとは?観客が何かしら「家族」について顧みるような作品になっていました。

古くはアルベール・カミュなんかが「死を定義することは難しい。死を知らされていない者の中では、確かにその人物は生き続けているのだから」みたいなことを言ってますが、心の中で生き続けるって本当にあるんだよねって思える、素晴らしい作品でした😊

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吹雪まんじゅう

3.5なかなかの良作

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

オダギリジョーが父役で憎めないキャラクターだろうとは思っていたが、そう来たかって感じで納得。
演出がかなり面白く、大味出はなく和食の様などんどん染みてくる感じが良い。
兄妹の感じも見やすくて、視えるを逆手に取った演出が凄く良い。
死んだ肉親の整理に訪れる話は結構あると思うが一線を画した今作は是非映画館で観てほしいし、こんな映画が観られると今後の映画界が期待できる。

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るい

3.5ダメ男を演じるとオダギリ・ジョーは上手い。

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

最近、映画で憎みきれないダメ男を続けて演じているように思う。飄々として明るい兄役には、適任の役者だ。こんな兄を持った妹に同情してしまう。はたから見れば関わりたくない人間だけど、家族(妹)であれば、そんな訳には行かない。本人にとっては、死ぬまで付き合わざるを得ない。家族の事を考えるには良い映画だ。

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いなかびと

3.5「支えであり、呪縛ではない」家族の関係性について考えさせられる

2025年11月30日
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ちゃらんぽらんでだらしがないのに、どこか憎めない兄のキャラクターが強烈で、オダギリジョーの個性が、ピタリとそれにはまっている。
エッセイストである主人公が、その時々に思ったり、感じたりしたことが、画面のあちこちに、ワープロで入力された文章となって表示されるという手法も、分かりやすくて面白い。
兄のことをダメ人間だと思っていた妹が、兄の元妻や娘と一緒に、突然死した兄のアパートを片付ける中で、彼のことを見直していくという物語だが、同一人物でも、妹と妻では捉え方が違うということには、「確かにそうだろうな」と納得することができた。
実際、妹は、嘘ばかりついて金の無心をしてくる兄のことを疎ましく思い、はっきりと嫌っていたのだが、元妻は、必ずしも彼のことを嫌いになって別れたのではなく、借金癖のある彼から家庭を守るために、やむなく離婚したのだということが分かってくる。妻と暮らしている娘も、父親のことを嫌っていないし、父(主人公の兄)と暮していた息子の方も、貧乏暮らしはしていたものの、虐待を受けていた訳ではなく、父親のことを「好きか?」という質問には、はっきりそうだと頷くのである。
妹と元妻では、兄の「嘘」についての見解も異なっていて、「彼には人を騙すつもりはなく、結果的に嘘になってしまっただけだ」という元妻の指摘からは、兄の人間性が垣間見えるし、妹が嘘だと思っていた息子のピアノのレッスンや給湯器の爆発が、本当のことだったと分かる展開には、兄の正体が明らかになる面白さが感じられた。
そうした兄に対する認識の違いからは、生まれながらに血のつながっている親子や兄弟という関係性と、血のつながりはないものの愛情で結ばれている夫婦という関係性の違いのようなものも感じられるのだが、どちらの関係性にしても「家族」であるということには違いがない。
それは、切っても切れない「腐れ縁」のようなものなのかもしれないが、オープニングとエンディングで示される「支えであり、呪縛てはない」という関係性こそが望ましいということには疑いの余地はないだろう。
その点、死してなお、幻覚(脳内現象)となって家族の前に姿を現す、兄のとぼけた様子を見るにつけ、確かに、この男は、妹や、元妻や、息子にとって、「支えにはなるかもしれないが、呪縛にはならないだろう」と思われる。
その一方で、終盤の、新幹線の車内での分骨というギャグのようなシーンでは、兄が「突っ込み」を入れに出て来てもよさそうなのに、ここでも、あるいは、それ以降も、彼が姿を現さないところを見ると、妹たちは、空っぽになったアパートで、兄としっかり「お別れ」することができたのだろう。
おそらく、それこそが、呪縛からの開放ということなのだろうし、そのことが窺われるエンディングからは、後味の良さを感じ取ることができた。

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tomato

2.5いなくなりますよーに

2025年11月30日
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楽しい

幸せ

疎遠だった兄が亡くなり、兄の元妻とその娘と3人で、兄の自宅を片付け気持ちを整理する妹の話。

滋賀で暮らしている作家の妹に宮城県多賀城市で暮らしていた兄が亡くなったので遺体を引き取りに来るようにと連絡が入り巻き起こって行く。

エッセイストということで、モノローグ的に状況や心情を説明する様なシーンを散りばめつつ、時に元兄の妻やその娘と対話し、時に自信の脳内の兄と向き合い、兄に抱いていた感情を整理していく展開に、兄と暮らしていた息子との交流を絡めてみせて行くストーリーで、はっきりさばさばし過ぎな自分には、ちょっと理解できない結びつきや後悔なんかもあったけれど、全体的にはわかりやすくて面白かった。

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Bacchus

5.0ダメ男オダギリジョーの当て書きかッ!

2025年11月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

と思わせるほど、ハマり役。
「湯を沸かすほどの熱い愛」、「浅田家」に続き、家族を温かくユーモラスに描く中野監督。柴咲コウ、満島ひかりも心情の変化を好演。
家族とは「支えであり、呪縛ではない」

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rikakkuma
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