劇場公開日 2025年11月28日

「どうしようもない兄でも」兄を持ち運べるサイズに ルピナスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 どうしようもない兄でも

2026年1月24日
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監督とオダギリジョーさんによるティーチイン付き上映にて鑑賞しました。
原作エッセイ未読です。

手が掛かる兄は幼少期から母の愛情を独占して来た。それなのに母が病床につくと世話を放棄して逃げた。心から軽蔑した兄が亡くなった。
死後の後始末をする妹と元妻と娘。兄と暮らしていた息子。妹の理子さんのエッセイが原作。

亡くなってから知る真実をどう受け止めるか。
生前に受け入れられなかった自分は無情な人間なのか。
自分を守るために距離を置いた家族の死。
こういう事は多くの人に起こり得ますよね。
自分と自分の家族を守ることは間違ってないし、恨みや自責の念を抱き続けるより、温かな記憶を拾い集めて生きたって良いと、私は思いました。

オダギリジョーさん演じる兄のどうしようもなさは、病気で亡くなった母の葬儀に凝縮されていて、その時の兄は本当に最悪にムカつく兄でした。
柴咲コウの演じる母親の、母としての振る舞いと、兄を意識的に嫌おうと努める感じ、兄の前で子どもっぽくなるところがリアルで素晴らしかったし、満島ひかりの、どうしようもない元夫だけど嫌いになりきれないという表情がさすがでした。

ルピナス