「家族の数だけ、心に響くものが違う映画」兄を持ち運べるサイズに たなこさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の数だけ、心に響くものが違う映画
1度目は11月12日の招待で。
私の姉がこの映画に出てくる兄ちゃんのような人で理子さんの気持ちすごくわかる!!と感情移入して鑑賞。
こういう家族を持った当事者でないとわからない、そんなきれい事ではないよな~と思いながら。
2度目は先行上映で。
1度目はあまりに自分に重ねて観てしまったのでひとつの家族の物語として。
疎遠になっている兄の突然の死。
その終いに集まった家族の話。
理子、加奈子、娘、息子、それぞれに見せる兄の顔。
どの角度で光をあてるか変わる影のよう。
同一人物なのに印象がガラリと変わる。
その人に感じるものは自分だけのもの。
わかり合えないこともある。
この映画は多くを語らず、ひとりひとりが胸に抱いて大事にしてるところが素敵。
理子、加奈子、良一が兄に会うシーンを観て、父が亡くなる前、残した言葉を思い出した。
「この身体はただの入れ物で死はもっと自由だ。目を閉じればいつでも会える。だから悲しむな」と。私が悲しみから立ち上がって歩み出すための父の優しさ。
人は亡くなった人を思い出すことで死を乗り越えると感じた。
このシーンがとても好き。
家族っているのが当たり前で疎かにしがち。伝えたいことも察してよって言葉にしないことも多い。
生きているうちにもっと話をしようよ、わかり合えることたくさんあるんじゃない?と問いかけられたような映画でした。
早速、この映画の兄ちゃんのような姉に私から電話をしてみた。 「姉ちゃん、元気?最近どうなん?」
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