「苦い想い出から紡がれる優しい後味」兄を持ち運べるサイズに 熊雄さんの映画レビュー(感想・評価)
苦い想い出から紡がれる優しい後味
どうしようもない「兄」に生前関わった家族それぞれの見せる複雑な心情が、回想だけではなく、後始末に追われる数日間における家族間の何気ないやり取りの中に自然に描かれていました。
実話に基づいたヒューマンドラマながら、重々しくなく比較的ライトな感じでストーリーが展開し、「兄」の実像が結び出される過程で、クスッと笑えるシーン、目頭が熱くなるシーンが折り混ざり、最後には優しい気持ちに包まれて私は鑑賞を終えました。この中野量太監督作品も、「家族」という深いテーマに対し、温かい気づきを与えてくれました。
「兄」オダギリジョーさんのコミカルでリアルな演技をはじめ、各役者さんの名演も光っており、この映画に強い説得力と魅力を与えていました。
私は「人」を描いた映画が大好きですが、そうでない人も少なくとも観て損はないと、控えめに言っても思います。
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