コラテラルのレビュー・感想・評価
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主人公と悪役の化学反応。その表現が上手い。
○作品全体
タイトルである「コラテラル」は作中でも主人公・マックスのセリフに登場する。「巻き添え」という意味だが、その意味合いにおいても、マックスが口にする状況においてもネガティブな印象しかない。しかしその「巻き添え」によってマックスの中で眠っていた行動力を目覚めさせる。マックスにとっては強制的に起こされた、とも言えるが、「巻き添え」にした側であるヴィンセントにも様々な影響を及ぼしていく。マックスとヴィンセント、それぞれがマックスの心情の変化に翻弄されていく姿がおもしろかった。
高速道路へヴィンセントのカバンを投げ捨てるまでのマックスは、自分の世界に閉じこもるような人生を送っている。お気に入りの写真を眺め、現実的でない「いつか」に想いを馳せる。ゆったりとしたBGMとロサンゼルスのネオンも相まって、マックスにとっては居心地の良い世界が演出されている。乗客のアニーとも話が弾み、マックスにとって悪くない世界が展開される。
しかし、マックスの目標にシビアに目を向けるのであればそれは空想でしかない。その空想にメスを挿れたのが、ヴィンセントだ。
物語の展開を見れば、話が動き出すのはタクシーに死体が落ちてきたシーンからだろう。マックスの環境に変化が起こったのも、もちろんこのシーンだ。しかし、マックスの精神世界をヴィンセントが侵し始めたのは母への見舞いのシーンだ。
近親者に殺人者であるヴィンセントが近づくだけでも、ヴィンセントへの敵対心が募るのがわかる。それに加えてマックスにとって希望の光である将来の夢をもヴィンセントに侵食されてしまった。これがどれほどマックスにとって辛い出来事だっただろうか。その証左はヴィンセントのカバンを捨てる、という「今の任務」にしか興味のないヴィンセントへダメージを与える行為。マックス自身が大事にしているなにかに触れ、それによってマックスが「ハンドルを握らされるだけ」という状況から変わり始めた証でもあるこのシーンは、マックスの心情の変化を捉えるうえで重要なシーンだ。
「いつか」に思いを馳せるだけのマックスを利用しているのもヴィンセントだが、そのマックスを変えたのもヴィンセント。「いつか」でなく「いま」のために立ち向かうマックスの行動はさらに鋭利になっていくが、ヴィンセントの「いま」だけに注力する行動との化学反応とも言えるだろうか。心情変化とそのスピード感が魅力な作品だ。
ラストは「地下鉄で死んだ男がいる でも誰も気づかない」というヴィンセントのセリフが良い。ヴィンセントは人間を、そして自分を宇宙の塵でしかないと考えている。過去になにを成したか、未来になにをするか、そういった夢は持ち得ない人物だ。そんな自分の考えを貫き通すようなセリフでもあるし、「宇宙の塵」として消えていく無情さや哀愁を感じさせるセリフでもある。序盤で何気なくでてきたセリフをラストに持ってくるところにも「一夜の物語」という刹那的な情景を演出する一要素にもなっていた。
これは個人的な受け取り方だが、ヴィンセントがマックスへ向けた「手向け」の言葉のようにも聞こえた。未来を見据えてなにかを成さなければ誰にも気づかず死に、放置された人間のように…ヴィンセントのようになってしまうと。そのために動かねばならないということをマックスへ残したような気がした。
ラストカットはヴィンセントを乗せてマックスたちから離れていく列車を映す。巻き添えにされて列車から降りたマックスは、アニーを連れて夜空の下を進んでいく。ヴィンセントから逃れたとも言えるし、ヴィンセントによって空想世界から抜け出せたとも言える。役目を終えたかのように離れていく列車から伝わる余韻が心地良い。
○カメラワークとか
・アクションの撮り方が上手い。最初の犠牲者の部屋に入っていくロス市警の刑事。寝室のドアを開ける前のカットは長回しで刑事の周りを回り込むカメラワーク。刑事の緊張した表情を見せたあとにその視線の先を映す、ということを繰り返すのだが、カメラのパンの速度に緩急があり、刑事の緊張感と呼応するような動きが面白い。
韓国人の経営するクラブで打ち合うシーンも撃つ、撃たれる以外に視線の動線が示され、誰が何を見て、何を狙っているのか、というのが提示されていく。スピード感あるアクションの中にキチンと順序がある、と言ったような。
・車内シーンが多いけれど、アニーとのシーンはカメラが車外にあったり、車外から映すカットがあってユーモラスな印象があった。一方でヴィンセントが乗った後は車の前方から中身を映すようなカットがほとんど。前後の位置関係を強くすることにより、マックスがヴィンセントの囚われ(ヴィンセントの視界の中に囚われている状況)になっていることを印象付けていた。
一方で俯瞰で上空からタクシーを映すカットもあった。主に2人が乗るタクシーだけが反対車線を走る車と逆の方向を走っていたり、タクシーのみが映るカットで使われている。これは物語の流れとも呼応していて、一番わかりやすいのはマックスがタクシーを横転させる前のシーン。誰も走ってない道路を走るタクシーはマックスの精神世界の体現化ではないだろうか。マックス1人だけの世界というような、自分自身と会話をするような姿とシンクロしているように感じた。
○その他
・マックスがタクシーを横転させるまでのシーンが本当に素晴らしかった。唯一の救いの手だった刑事を殺され、またしてもヴィンセントの囚われとなったマックスが、「ハンドルを握らされている」状況から「ハンドルを支配している」状況になるまでの心情描写が上手だった。心情の変化をそのまま動きとしてタクシーが暴走するのも、シンプルながら実直に伝わってくる。アクションとドラマが同時に加速するシーン作り。これが凄く上手い。
匂う×クサいが生み出したもの
トム・クルーズ
この人ほど過小評価されている役者は存在しないのだが、30年近く第一線で活躍した彼の代表作を挙げるのは難しい。
5位・インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
4位・デイズ・オブ・サンダー
3位・M:I-2
2位・コラテラル
1位・ナイト&デイ
これがオレの彼の名演ベスト。それぞれめっちゃ語りたいが、それはまた今度。
5位・7月4日に生まれて
4位・コラテラル
3位・アイズワイドシャット
2位・オール・ユー・ニード・イズ・キル
1位・宇宙戦争
これがオレの彼の出た名作ベスト。
そう、ほぼ一致していない。
ある意味アル・パチーノもそうなのだが、彼自身の評価と出演作の評価は必ずしも一致しない。
個人的には「求められたイメージの踏襲と別解釈」こそが彼の唯一無比の存在にしていると思っている。
マイケル・マンは「ラスト・オブ・モヒカン」が猛烈に好きだったのだが、それはオレのケツが青かったせいでもある。「ヒート」は無駄に長いだけ。ほかどうでもいい作品群が並ぶが、共通していえるのは、
「匂うほどのロマンチスト」。
「コラテラル」。
トム・クルーズの役柄とルックスの違和感、それでも醸し出すクルーズらしさの天然さと、マンの匂い立つ夜景描写とストーリーそっちのけのロマン優先の絵作りと設定が混ざり合って「気持ち悪さ」になる。
そこにFOXXXXX。ジェイミー・フォックスがこのめんどくさいやつらに緩急をつける。
トム演じるヴィンセントに散々振り回されるのだが、こいつの言うことが一言一言がキモくて、それにマジでビビるのが、XXX演じるマックス。
最初の仕事の後もさっさとマックスを殺せばいいのに、それはしない。
そう、この映画、このやり取りがほしいからこその映画。
ほかの設定ははっきり言ってどうでもいい。ほかのつじつま合わせ、マックスの境遇、成長などどうでもいい。トムも暗殺者に見えない仕事っぷりがマジですか?というぐらいザルだ。
整合性。マイケル・マンに一番求めてはいけないことでもある。
だが、トムの似合わない白髪頭とそれに真反対なまっすぐな瞳とキ〇〇イな言動がとにかく謎の男、と呼ぶにふさわしい、素晴らしい効果を見せている。
それは、ラストの逃走劇。
ヴィンセントは逃げるマックスの行く先をちゃんと迷わず、まかれることなく追跡する。これまでの得体のしれないヴィンセントという存在の見せ方の積み重ねが、ここで一気に爆発、昇華する。
トムがヴィンセントを演じるという違和感、彼らしさ、天然さを随所に生かしたキモさ、それこそがこの映画の吸引力である。
そしてラストの明け方の電車。
匂うほどのマンのキモいLAの夜景と、ヴィンセントとの一夜の終わりとともに映画は終わる。
素晴らしいラストだ。トム・クルーズ一世一代の渾身の演技の終わりにふさわしい。
一方オープニングのヴィンセントとマックスが会うまでの昼間のLAの顔がとてもいい。マンの夜景信者はその意味をこの映画でもう一度かみしめるといい。
追記
それ以外のダンスフロアでの銃撃戦とかもう、ダッサイの、うるさいの、つまらない。
オレの、マンの一番嫌いな部分だ。
キャストはすごい!脚本はガバガバかも
冒頭、ジェイソン・ステイサムがちょい役で出てきてまずビックリ。
本当に一瞬の登場だったけど、彼特有の声とあのアクセントでシビレた!私は彼のコックニー訛りの汚い(差別発言失礼)英語が大好き…♡
そしてアニー役のジェイダ。彼女も好きな役者さん。
マックスといい感じ♡と思っていたら、あらら標的の1人なのね。世間は狭いわぁ…て、初っ端にヴィンセントとすれ違ってますやん。え、凄腕の殺し屋なのにそんなことある?
何だかこの映画のトム・クルーズは感情ぶっ壊れた殺人マシーン、頭も切れるし腕もピカイチ…風を装ってるけど、一人目の殺人からマックスの車に死体降らせちゃうし、ひと前に顔は出さない…😏みたいに言ってるくせにクラブで大勢の前でバンバン殺すし、割とマヌケ?あんまりすごくないんじゃ…?と思ってしまう。
マックスも殺し屋を母親のところにノコノコ連れて行くとか、あり得なくない?逃げるタイミングもいくらでもあったのに逃げないし、何か前触れもなく急にアドリブが上手くなるシーンとかも視聴者からしたら「え?なに?突然の覚醒?なんかあった?」て戸惑う。
このように、ストーリーは結構ガバガバでツッコミどころ満載だけど、なにせキャストが豪華だし(刑事さん、どこかで見たことあるけど誰だっけ?と思ったらマーク・ラファロ!若い!かっこいい!)俯瞰で見るロサンゼルスの街や挟まれるジャズシーン(何でジャズのエピソード挟むのにNYじゃないんだろう?LAでやることに何か意味があったのか?私にはわからなかったけど…)や工夫されたカメラワーク、音楽もセンス良くて総合的には見て良かった、と思える作品でした。
主人公ふたりの対比が楽しい
夢見る運転手:仕事で走り銃で脅され走り最後は自分の意思でどんどん走る。走りながら殺し屋の大切(らしい)バッグをでえい!と放り捨てたシーンは可愛かった。怖い殺し屋を怖がってるのにその怖い男が激怒するだろう行動をそこで取っちゃうのか君は。
瞳煌めく殺し屋:レオンのノーマン・スタンスフィールドやダイハードのハンス・グルーバーを思い出しながら見たが、また違った壊れ方をしていて良かった。「親は子の欠点を自分の中に見出して咎める」。殺す事だけに秀でた哀しいはずれ者。
肝の冷えるユーモアもあればタイトな銃撃戦もあり、パズルのピースがパチンパチンと嵌って気持ち良く、大都会の酷い詩情をもって終わる。
(この後は現実を直視してリスク計算もちゃんとして有効性の高い努力を積むんだよ、でないとあっという間にアニーに振られるからね…… と観終わった後ずっと心配してる)
マックスがいつ殺されるのかとハラハラドキドキでした
感情移入したのがタクシードライバーのマックスでした。警察やFBIから犯人と間違えられて殺されるのではないかとハラハラドキドキでした。ただ、殺し屋ヴィンセントには感情移入できず。アランドロンの「サムライ」のような殺し屋だったら感動したかも。
空港にいたジェイソン・ステイサムは、いつ再登場するのか期待していたら、結局出てこなかったのは、なんとなく詐欺っぽい。
トムがシュワちゃんみたいで
…前半はトム・クルーズのクールな
立ち振舞いがカッコよかった~
マックスの性格の良さと
相対的な考えの二人がおもしろい
トムのどこかいい人という
先入観もあって悪人とは思えない
市警に追われる様になってから
いつまでもタクシーの運転手をするのか
一歩踏み出せとマックスに持論を話し
女性検事に電話をかけろ…と
そしてマックスは彼女助けるために
一歩踏み出す
ヴィンセントは
最後のターゲットがマックスの大切な人
と知っての事だったのかも知れない
一歩踏み出したマックスに多分…
(殺し屋がマックスと彼女を殺すことは
簡単なことだから)敢えて撃たれた?
電車の中で顔をうな垂れて
そのまま電車が過ぎ去っていく
…余韻の残る作品でした
かっこいいトムだけど顔が若くて
髪が白髪なのはちょっと違和感でした
M:Iとは一味違うトム・クルーズとさすがのジェイミー・フォックス!
6月9日(月)
本当はピューを観に行きたかったのだが、見逃していたトム・クルーズをBSでやるじやないか。20年前のトムを観ておこうとNHK-BSで「コラテラル」を。
私は監督マイケル・マンと言えば「ラスト・オブ・モヒカン」なのだが(「フォールガイ」でも出て来たね)、2004年公開で見逃していた本作も一味違うトム・クルーズが観られた。
LAに着いたビンセント(トム・クルーズ)は、ぶつかった男(このシーンのみのカメオ出演ジェイソン・ステイサム)と持っていたカバンをすり替える。この後十数分はビンセントは登場せず、タクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)の姿が描かれる。ある意味、主人公はマックスである。
稼げる夜のタクシーをやっているマックスは乗せた女性客の身なりから弁護士とふむ(観察力がある事が判る)が「検事よ」。
アニー検事とどの道を行くと早いか賭けて勝ち、困る事があったら連絡して、と名刺を貰う(これがちゃんと伏線になる)。
その後にビンセントを乗せたマックスは、一晩の稼ぎの倍額で一晩彼の運転をする事になる。
最初に行った場所で死体が降って来てタクシーを直撃し、トランクに死体を入れて次の場所へ向かわされる。ビンセントは麻薬組織に雇われた殺し屋で、次々と検察側の証人を殺していく。
耐えられなくなったマックスは、彼のカバンを奪い逃げる。本作でもトムは走る!ジェイミー・フォックスを追って走る。
マックスは陸橋の上からカバンをハイウェイに投げ捨てターゲットのデータを破壊する。
しかし、ビンセントはマックスに依頼人から再度データを貰いに行くよう脅される。母のいる病院に寄ったから母の存在を知られてしまったマックスは、覚悟を決めてデータを貰いに行く。ヤバい緊張感の中、度胸のすわったやり取りでデータをゲットする。4人目のターゲットを殺したビンセントを乗せたマックスは、減速せずにタクシーをクラッシュさせるが、ビンセントは最後のターゲットに向かう。マックスは、最後のターゲットがアニー検事だったと知り、なんとか彼女に電話しようと試みるのだが、…。
夜のLAを切り取ったスタイリッシュな映像と半端ない緊張感に包まれたスリリングで見応えのある作品だった。
改めて言うけど、ジェイミー・フォックスは、上手いね。
ヒットマン、トム・クルーズ‼️
あのトム・クルーズが、銀髪&無精髭で本格的な悪役ヴィンセントをカッコ良く演じるクライム・サスペンス・アクション‼️不幸にもプロの殺し屋を乗せてしまったタクシー運転手マックスの壮絶な悪夢の一夜を、マイケル・マン監督お得意のスタイリッシュかつ緊張感ある演出で描いた傑作ですね‼️まず冒頭、空港でヴィンセントがスーツケースを交換する男がなんとジェイソン・ステイサム‼️このシーンだけの登場がスゴく勿体無い豪華共演‼️マックスのタクシーの上に死体が叩き付けられる一人目の殺しから、クールに冷静に次々と殺しを実行していくヴィンセント‼️「60億の人間の一人がいなくなっただけだ」とのヴィンセントのセリフ‼️まるで「第三の男」のハリー・ライム‼️狂ってますね‼️殺害のターゲットである女性弁護士のアニーを連れたマックスが、地下鉄内でヴィンセントと対決するクライマックスは、凄まじいドキドキ感で観る者を圧倒‼️そして地下鉄の客席に座ったまま息絶えたヴィンセントを乗せて地下鉄が走っていくラストも、クールな余韻が残る‼️まさしく「嵐の後の静けさ」ですね‼️
でも誰も気づかない
こないだレンタルで観ました💿
トム・クルーズの冷酷な殺し屋ヴィンセント役はなかなか似合ってましたね😎
人の心を見透かしたような一面と、トチる面をあわせ持つ男を演じてました🙂
マックスを演じたジェイミー・フォックスも、巻き込まれ運転手を好演🙂
有名人専門のリムジン運転手になるという夢を持ちながら、具体的な行動に移せない男を等身大に表現しています🤔
他にも刑事役にマーク・ラファロ、ヒロインっぽい検事役アニーにジェイダ・ピンケット=スミス、そして数十秒の出演ながらジェイソン・ステイサムも出ていて私は嬉しくなりました😀
トムとジェイミーのファンの方は楽しめるでしょう❗
登場人物の魅力がない
ハリウッドなのに、陰キャのセカイ系ラブコメ臭が漂うのは何故なんでしょう。スパイダーマンとかもそうだけど、、これはなんか違う。
登場人物の魅力がまるで無い。トム・クルーズが初悪役に挑戦!という触れ込みだが……悪役としてのカッコ良さ、とか人間らしさ、とかもっと引き出せたのでは?
タクシーに乗せたら殺人犯で〜って設定は面白い。トム・クルーズの死に方も好み。惜しいなあ
60点
映画評価:60点
この作品は興味深いです。
この作品を観た方へ
殺し屋とタクシー運転手の変な友情劇だと
勘違いされた方いませんか?
それは違うと思います。
この殺し屋は良くも悪くも仕事以外は
意外と正常で、とても紳士。
それに対して、このタクシー運転手は
いつまでも言い訳や嘘を繰り返し、
自分で自分の夢を遠ざけている。
そんな一歩踏み出せなかったタクシー運転手を変えたのは、紛れもなく殺し屋。
そして、その変化によって
死んでしまったのも殺し屋。
そこに変化(お節介)を見出だした事によって、
自分の首を絞めてしまった
男の物語。
そこが興味深く、儚いですね。
【2024.7.21観賞】
トムクルーズの銃の構えとか、所作が綺麗だなと改めて思った。
トムクルーズ好きのわたしとしては、彼にいい人役を求めてしまいがちだけれど、冷徹な役もかっこいい。
ロスの地下鉄…の話しが最後の結末になっていて、地下鉄で1人冷たくなっている彼の姿がすごく物悲しさを感じさせる。
殺し屋として実践能力は高いけど、色々ドジ踏みすぎてて、ありえない感じだけど、そこはトムのカッコ良さを観る感じで気にならなければ楽しめる。
名作
自分に課したルールを守り、そのルールに生かされてきた殺し屋。
その作法は厳密で、2ボディ1ヘッドが基本スタイル。
銃声が立て続けに鳴っても誰も警察を呼ばないような町で、淡々と仕事をこなす
でも、即興で生き物のように変化していくジャズが好きで
ロサンゼルスのように他人に関心がない冷たい町は嫌い
トムクルの悪役は新鮮なだけでなく、この綱引きみたいな自己矛盾がとにかく上手く演出されています。
一番嫌いな場所で、一番性に合わない仕事をする男の話です。
最後は、プロとして2ボディ1ヘッドに徹したことでドア枠を弾が抜けず、マックスが即興で滅多撃ちした弾を受けて死ぬ。
自分をそれまで生かしてきたルールが、自分を殺す。
ひと晩の追いかけっこでは語りきれない、深みのある映画だと思います。
心理分析に驚く
主人公のタクシー運転手は、今にベンツを買ってリムジン会社を始めると語る。しかし、そのことを堂々と言わないし、母親には既に会社をやっていると嘘をついている。終盤になって、その状況を見聞した殺し屋に、頭金作って始めれば出来ただろうに、自分に言い訳をして踏み出さないだけだ、と指摘されて逆上した。図星だったのだろう。それまで、この運転手は、夢に向かって努力していて、やりがいがないと言うものの、道路情報に詳しくプロの運転手だと思って、こんなことに巻き込まれて気の毒だなぁと思っていたのに、サイコパスのような冷徹な殺し屋が、実はそうじゃないとビシッと突きつけて驚いた。と同時に自分に突きつけられたようにも感じて軽く動揺した。殺し屋は、時々「こういうことはこうすべきだ」と道理を語っていたが、一見冷徹な殺し屋には、仕事をきっちりやり遂げようとするように、信念と行動力があり、運転手にはそれらがないという対比が示されていたようだ。運転手もだんだんと影響されて行動力を見せていく展開となり、人間やっぱり信念と行動力が必要なのだなと。だからこそ、殺し屋はトム・クルーズ。意外に深い映画だった。
孤高の殺し屋
冷徹非道の殺し屋ヴィンセント( トム・クルーズ )とタクシー運転手マックス( ジェイミー・フォックス )、二人の間に芽生え始めた情、交わす言葉が時に深く切ない。
終盤のスリリングな展開に見応えが。
ヴィンセントが遺した言葉は、マックスに対する「 赦し 」なのかも知れない。
ーやるしかないのさ…そう思えば幾らか気が楽だろう
BSフジを録画にて鑑賞 (吹替版)
サスペンス…? ※核心に触れるネタバレはなし。
いや、よくわからんのですが…サスペンス?の定義とは…?ハラハラしたらサスペンス??
ストーリーとしては、ただただトム・クルーズが人殺してくだけの話。Wikiを見ると「トム・クルーズが悪役を演じたことで話題になった」とあるんですが、ほんとにそれだけ。
ただ、「それだけ」ですが結構面白い。が、凄く面白いかと言われると…
見終わって、何となく面白かったな~という感想が浮かぶけど、何が面白かったかと言われると答えられない、雰囲気で乗り切った感が強い作品でした。
地上波て見たので吹き替えでしたが、特に違和感はありませんでした。
あらすじ:
真面目で正直者のマックスは、リムジンの送迎ドライバーを夢見つつ踏ん切りがつかず、タクシー運転手を続けている。ある晩、アニーという大事な裁判を控えた検事を客として乗せたマックスは、早く着く道が良いと道路を指定するアニーに「こちらの方が早い」と別の道を提案。アニーは「そちらは渋滞が凄い」と返すが、マックスは「もし渋滞だったらタダにする」と賭けを持ちかける。賭けに負けたアニーはマックスの腕を信頼し、「何か困ったことがあれば連絡を」と名刺を渡して去っていく。そして入れ違いにヴィンセントという男を乗せたマックスは、目的地に着くなり「腕の良い運転手だから一晩貸し切りにしたい」と言われる。貸し切りは規定違反だったが、ヴィンセントの強引な態度に押し切られて頷いてしまう。しかし、ヴィンセントが入っていった建物からタクシーの上に男の死体が落下、下りてきたヴィンセントが自分は殺し屋だと白状する。知らずに殺人の手助けをしたと知ったマックスは、誰にも言わないし車はやるからと「一晩の貸し切り」を断って去ろうとする。しかしマックスの腕の良さを惜しく思ったヴィンセントは運転手を続けるよう脅し、最終的に5人の人物を殺す予定だと言う。徐々にヴィンセントから話を聞き出すマックスだったが、標的の最後の1人がアニーだと知り…
…ハイ。あらすじ書いてて思ったんですが、ヴィンセントは「プロの殺し屋」なのに初っ端から失敗してます。大丈夫かよヴィンセント。もうちょっとバレないようにやんない??何で初っ端から都合良く失敗したの!?
しかもタクシーのフロント割れて血ついたまま運転とか、ありえねーから!職質受けるに決まってんだろ!何で1回しか警察に止められないんだよ!
あと、すっげぇ遠くのビルの窓から、誰がいるか見えます??マックス、結構距離のあるビルの屋上から「あいつがいる!」みたいなこと言ってるんですが、いや見えねーだろそんなん…目に双眼鏡装備してんの???
突っ込みどころは色々ありますが、脚本家が大学生の時に書いたものだそうだからヨシ!そっから監督が大幅に書き換えちゃったらしいけどヨシ!
監督のマイケル・マンは骨太な映画を撮ることに定評があるらしいが、殺し屋役がトム・クルーズの時点でちょっとなぁ…悪役が似合わないというより、この映画に合ってないというか、「骨太」のイメージじゃないというか。骨太っていうより、裏でちゃっかり生き残るタイプじゃない?この人…笑
役作りのためか、見た目が白髪交じりのオッサンなんですけど、この時点で違和感ありました。いつも映画に出てる時みたいな容姿で冷酷な殺し屋…の方がインパクト強かったんじゃないかと思います。
もちろん演技も動きも凄く良かったんですが、その割に初っ端からヘマするし、最終的に一般人のマックスに殺されるし。何なん????
最初、ヴィンセント役はラッセル・クロウにほぼ決まっていたんだとか。正直、自分もラッセルの方がこの役に合っていた気がします。冷酷な殺し屋と言われて想像できるし、作品の雰囲気がもっと引き締まったかなと。
トムだと何となく人の好さがあって、そんなに悪い人なんかな??と最後の方まであまり悪者!って感じが飲み込めませんでした。実は良い人でした的なエンドでも違和感ないくらい、作品の雰囲気がユルい。
何かトムだと愛嬌があるんですよね。殺し屋って言っても実は優しいところもありそうな。ラッセルが後部座席に座って銃向けてきたら普通に怖くてチビりそうですが(笑)、トムだと銃向けられても「またまた~笑」ってなりそうな気がします。カット入った瞬間銃向けてた相手とエヘヘって笑い合ってそうな感じが想像できるというか…
いや、実際動きはかなり機敏で、銃の扱いも洗練されてて凄腕っぽさはちゃんと出てたんですけどね。でも、やっぱりその人の持つ雰囲気ってありますよね…
ちなみにR15+らしいけど、どの辺でR15+と判断されたのかなー。別にグロくもなく、オッサン2人がワタワタしてるだけでエロも一切ありません。
確か『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』というティム・バートン監督・ジョニー・デップ主演の血みどろ満載映画が、同じR15+だった気がするんですけど。『スウィーニー・トッド』は血がドバドバ出るわ、身内ブチ殺すわ、子供が大人殺すわ、切った首の断面まで見せてましたけど。
本作は頭撃ち抜いても出血しないし、体の断面も出ないし、子殺しや大量殺戮もない。どういう理由でR15+???
それとも地上波だからどっかカットされてただけで、ノーカットだとグロかったのか…?
「夜のLAの暗い街並みを捕らえるため、ほぼ全編をデジタルで撮影した」とのことですが、他の作品と映像の違いは(素人には)わかりませんでした。特筆すべき点は(素人には)ない気がします。
ストーリーの構成はとても良くて、飽きさせません。最初に話してたことが後になって出てきて、最初のその台詞が出てきた時点で「ラストこうなるんだろうな…」って先が見えてはいるんだけど、オシャレな感じで自分は好きです。
あっ、あとこれだけは触れておきますが、自分は マーク・ラファロ 目当てで見たのに!活躍が!ほとんど!ありませんでした!!!!(大声)
あの流れで何でマークもっと活躍しないんだよぉぉぉぉ!!!!
日本ではハルク役で知名度上げまくったマークですが、元々アメリカでは受賞も多くて、演技力は認められてたんですよね。本作では見た目がめちゃくちゃ悪役っぽい刑事役(笑)で、良い人なんですが…途中退場。
しかしマークは格好で雰囲気が全く変わるので、いつも一瞬誰だかわかりません。し、良い役なのか悪役なのかも一目でわかりません!笑
色んな映画に出演してて、演技も相当上手いのに、あまり(日本で)話題にならないのはそのせいもあるかも。わざとらしくない演技だけど舞台出身なんですよね、この人。日本で舞台出身というと、おしなべて仰々しい演技のイメージ強いですが…
もっと日本でも取り上げて欲しいなぁ。美男美女じゃないと推されない風潮何とかならんのか…
とにかく自分にはもっとマークの出番が欲しかった作品でした…あれで終わりなんて悲しすぎる…。
トム・クルーズ版『ターミネーター』(笑)
オープニングのジェイソン・ステイサムはどういう経緯でカメオ出演したんでしょうね(笑) 白髪のトム・クルーズもいいなあ、スーツも似合ってました(^-^)
主演二人がハマり役!!
夜間撮影がとても綺麗で、深夜の映画鑑賞に向いていると思います。殺し屋の銃がサイレンサー付きでは無く、いちいち仕事が雑だったり、数々のピンチもご都合主義で乗り越えてしまう所に不満はありますが、主演二人のキャラ設定と、冴えない運転手が一晩の出来事で男をアゲるというストーリーは達成していると思います。この手の映画でありがちな、下品な台詞の応酬が無いのも、静かで好みでした。
ハリウッドスターたちの演じる壮大なコント…。トム・クルーズにはやっぱり悪役は向いてないのかも。
不運にも殺し屋を乗せてしまったLAのタクシードライバー、マックスの受難を描くサスペンス・アクション。
監督は『ヒート』『インサイダー』の、名匠マイケル・マン。
冷徹な殺し屋、ヴィンセントを演じるのは『ミッション:インポッシブル』シリーズや『マイノリティ・レポート』の、レジェンド俳優トム・クルーズ。
事件に巻き込まれるタクシードライバー、マックス・ドローチャーを演じるのは『エニイ・ギブン・サンデー』『ALI アリ』の、後のオスカー俳優ジェイミー・フォックス。
ヴィンセントを追う潜入捜査官、レイ・ファニング刑事を演じるのは『死ぬまでにしたい10のこと』『13 ラブ 30』の、名優マーク・ラファロ。
ヴィンセントの依頼主である麻薬組織のボス、フェリックス・レイエス・トレレナを演じるのは『ハモンハモン』『海を飛ぶ夢』の、後のオスカー俳優ハビエル・バルデム。
冒頭の空港シーンに登場する男を演じるのは『スナッチ』『トランスポーター』のジェイソン・ステイサム。
第30回 ロサンゼルス映画批評家協会賞において、撮影賞を受賞!
トム・クルーズが悪役を演じた事でも話題を呼んだ、「コラテラル」=「巻き添え」をテーマにしたサスペンス映画…いやコメディ…というかコント?
冒頭、ジェイミー・フォックス演じるマックスとヒロインのやり取りは、彼のタクシー運転手としての能力の高さをスマートに描いており非常に良かった。
都会を鋭く切り取る映像もスマート。これから凄い映画が始まるかも!という期待にワクワクッ✨
そして、マックスの車に乗り込むトム・クルーズ演じるヴィンセント。普通ではないオーラを纏っており、これからヤバい事が起こる感じがプンプンッ!
期待は更に高まります!
…が、このヴィンセントの無能っぷりが凄い。一晩で5人殺さないといけないのに、1人目からトラブる。
マックスを脅迫して彼のタクシーを足として使うが、フロントミラーぶっ壊れたタクシーがウロウロしてたら怪しいし目立つわっ!!今すぐ乗り替えろ!!
あと無関係な人を殺しすぎ。これじゃプロの殺し屋じゃなくてテロリストでは?
マックスのお母さんのお見舞いに付き合った挙句大事なデータパクられるし、マジなんなのこの人?
なんか哲学的なことを言っているので大物に見えますが、冷静に考えると凄いダメな殺し屋ですよこのヴィンセントという男は。
彼の行動がいちいちアホくさいのでサスペンスが上手く作用しておらず、正直中盤くらいで完全にこのドラマから興味を失ってしまった。派手な事は起こっているのに退屈なんですよね…。
ただ、クラブでの乱闘からのクライマックスの展開は、トム・クルーズのアクションを堪能できたので満足っちゃ満足。
序盤でのマックスとヴィンセントの何気ない会話がラストシーンの伏線になっているのも素直に感心。…まぁ地下鉄内であれだけの銃撃戦を繰り広げたら、流石に「無関心」ではいられないと思いますが。
映画としてはお粗末ですが、ターミネーターと化したトム・クルーズを観ているのは楽しかったのでなんとか及第点といった内容でしょうか?
でもまあ、やっぱりトムに悪役は似合わないよね。たとえ役の幅が狭いと揶揄されようとも、彼にはヒーローを演じ続けて欲しい。
…最後に一言。マーク・ラファロの扱い雑すぎひん?本作最大の巻き添えは彼だったのかも。
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