コラテラルのレビュー・感想・評価
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主人公と悪役の化学反応。その表現が上手い。
○作品全体
タイトルである「コラテラル」は作中でも主人公・マックスのセリフに登場する。「巻き添え」という意味だが、その意味合いにおいても、マックスが口にする状況においてもネガティブな印象しかない。しかしその「巻き添え」によってマックスの中で眠っていた行動力を目覚めさせる。マックスにとっては強制的に起こされた、とも言えるが、「巻き添え」にした側であるヴィンセントにも様々な影響を及ぼしていく。マックスとヴィンセント、それぞれがマックスの心情の変化に翻弄されていく姿がおもしろかった。
高速道路へヴィンセントのカバンを投げ捨てるまでのマックスは、自分の世界に閉じこもるような人生を送っている。お気に入りの写真を眺め、現実的でない「いつか」に想いを馳せる。ゆったりとしたBGMとロサンゼルスのネオンも相まって、マックスにとっては居心地の良い世界が演出されている。乗客のアニーとも話が弾み、マックスにとって悪くない世界が展開される。
しかし、マックスの目標にシビアに目を向けるのであればそれは空想でしかない。その空想にメスを挿れたのが、ヴィンセントだ。
物語の展開を見れば、話が動き出すのはタクシーに死体が落ちてきたシーンからだろう。マックスの環境に変化が起こったのも、もちろんこのシーンだ。しかし、マックスの精神世界をヴィンセントが侵し始めたのは母への見舞いのシーンだ。
近親者に殺人者であるヴィンセントが近づくだけでも、ヴィンセントへの敵対心が募るのがわかる。それに加えてマックスにとって希望の光である将来の夢をもヴィンセントに侵食されてしまった。これがどれほどマックスにとって辛い出来事だっただろうか。その証左はヴィンセントのカバンを捨てる、という「今の任務」にしか興味のないヴィンセントへダメージを与える行為。マックス自身が大事にしているなにかに触れ、それによってマックスが「ハンドルを握らされるだけ」という状況から変わり始めた証でもあるこのシーンは、マックスの心情の変化を捉えるうえで重要なシーンだ。
「いつか」に思いを馳せるだけのマックスを利用しているのもヴィンセントだが、そのマックスを変えたのもヴィンセント。「いつか」でなく「いま」のために立ち向かうマックスの行動はさらに鋭利になっていくが、ヴィンセントの「いま」だけに注力する行動との化学反応とも言えるだろうか。心情変化とそのスピード感が魅力な作品だ。
ラストは「地下鉄で死んだ男がいる でも誰も気づかない」というヴィンセントのセリフが良い。ヴィンセントは人間を、そして自分を宇宙の塵でしかないと考えている。過去になにを成したか、未来になにをするか、そういった夢は持ち得ない人物だ。そんな自分の考えを貫き通すようなセリフでもあるし、「宇宙の塵」として消えていく無情さや哀愁を感じさせるセリフでもある。序盤で何気なくでてきたセリフをラストに持ってくるところにも「一夜の物語」という刹那的な情景を演出する一要素にもなっていた。
これは個人的な受け取り方だが、ヴィンセントがマックスへ向けた「手向け」の言葉のようにも聞こえた。未来を見据えてなにかを成さなければ誰にも気づかず死に、放置された人間のように…ヴィンセントのようになってしまうと。そのために動かねばならないということをマックスへ残したような気がした。
ラストカットはヴィンセントを乗せてマックスたちから離れていく列車を映す。巻き添えにされて列車から降りたマックスは、アニーを連れて夜空の下を進んでいく。ヴィンセントから逃れたとも言えるし、ヴィンセントによって空想世界から抜け出せたとも言える。役目を終えたかのように離れていく列車から伝わる余韻が心地良い。
○カメラワークとか
・アクションの撮り方が上手い。最初の犠牲者の部屋に入っていくロス市警の刑事。寝室のドアを開ける前のカットは長回しで刑事の周りを回り込むカメラワーク。刑事の緊張した表情を見せたあとにその視線の先を映す、ということを繰り返すのだが、カメラのパンの速度に緩急があり、刑事の緊張感と呼応するような動きが面白い。
韓国人の経営するクラブで打ち合うシーンも撃つ、撃たれる以外に視線の動線が示され、誰が何を見て、何を狙っているのか、というのが提示されていく。スピード感あるアクションの中にキチンと順序がある、と言ったような。
・車内シーンが多いけれど、アニーとのシーンはカメラが車外にあったり、車外から映すカットがあってユーモラスな印象があった。一方でヴィンセントが乗った後は車の前方から中身を映すようなカットがほとんど。前後の位置関係を強くすることにより、マックスがヴィンセントの囚われ(ヴィンセントの視界の中に囚われている状況)になっていることを印象付けていた。
一方で俯瞰で上空からタクシーを映すカットもあった。主に2人が乗るタクシーだけが反対車線を走る車と逆の方向を走っていたり、タクシーのみが映るカットで使われている。これは物語の流れとも呼応していて、一番わかりやすいのはマックスがタクシーを横転させる前のシーン。誰も走ってない道路を走るタクシーはマックスの精神世界の体現化ではないだろうか。マックス1人だけの世界というような、自分自身と会話をするような姿とシンクロしているように感じた。
○その他
・マックスがタクシーを横転させるまでのシーンが本当に素晴らしかった。唯一の救いの手だった刑事を殺され、またしてもヴィンセントの囚われとなったマックスが、「ハンドルを握らされている」状況から「ハンドルを支配している」状況になるまでの心情描写が上手だった。心情の変化をそのまま動きとしてタクシーが暴走するのも、シンプルながら実直に伝わってくる。アクションとドラマが同時に加速するシーン作り。これが凄く上手い。
匂う×クサいが生み出したもの
トム・クルーズ
この人ほど過小評価されている役者は存在しないのだが、30年近く第一線で活躍した彼の代表作を挙げるのは難しい。
5位・インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
4位・デイズ・オブ・サンダー
3位・M:I-2
2位・コラテラル
1位・ナイト&デイ
これがオレの彼の名演ベスト。それぞれめっちゃ語りたいが、それはまた今度。
5位・7月4日に生まれて
4位・コラテラル
3位・アイズワイドシャット
2位・オール・ユー・ニード・イズ・キル
1位・宇宙戦争
これがオレの彼の出た名作ベスト。
そう、ほぼ一致していない。
ある意味アル・パチーノもそうなのだが、彼自身の評価と出演作の評価は必ずしも一致しない。
個人的には「求められたイメージの踏襲と別解釈」こそが彼の唯一無比の存在にしていると思っている。
マイケル・マンは「ラスト・オブ・モヒカン」が猛烈に好きだったのだが、それはオレのケツが青かったせいでもある。「ヒート」は無駄に長いだけ。ほかどうでもいい作品群が並ぶが、共通していえるのは、
「匂うほどのロマンチスト」。
「コラテラル」。
トム・クルーズの役柄とルックスの違和感、それでも醸し出すクルーズらしさの天然さと、マンの匂い立つ夜景描写とストーリーそっちのけのロマン優先の絵作りと設定が混ざり合って「気持ち悪さ」になる。
そこにFOXXXXX。ジェイミー・フォックスがこのめんどくさいやつらに緩急をつける。
トム演じるヴィンセントに散々振り回されるのだが、こいつの言うことが一言一言がキモくて、それにマジでビビるのが、XXX演じるマックス。
最初の仕事の後もさっさとマックスを殺せばいいのに、それはしない。
そう、この映画、このやり取りがほしいからこその映画。
ほかの設定ははっきり言ってどうでもいい。ほかのつじつま合わせ、マックスの境遇、成長などどうでもいい。トムも暗殺者に見えない仕事っぷりがマジですか?というぐらいザルだ。
整合性。マイケル・マンに一番求めてはいけないことでもある。
だが、トムの似合わない白髪頭とそれに真反対なまっすぐな瞳とキ〇〇イな言動がとにかく謎の男、と呼ぶにふさわしい、素晴らしい効果を見せている。
それは、ラストの逃走劇。
ヴィンセントは逃げるマックスの行く先をちゃんと迷わず、まかれることなく追跡する。これまでの得体のしれないヴィンセントという存在の見せ方の積み重ねが、ここで一気に爆発、昇華する。
トムがヴィンセントを演じるという違和感、彼らしさ、天然さを随所に生かしたキモさ、それこそがこの映画の吸引力である。
そしてラストの明け方の電車。
匂うほどのマンのキモいLAの夜景と、ヴィンセントとの一夜の終わりとともに映画は終わる。
素晴らしいラストだ。トム・クルーズ一世一代の渾身の演技の終わりにふさわしい。
一方オープニングのヴィンセントとマックスが会うまでの昼間のLAの顔がとてもいい。マンの夜景信者はその意味をこの映画でもう一度かみしめるといい。
追記
それ以外のダンスフロアでの銃撃戦とかもう、ダッサイの、うるさいの、つまらない。
オレの、マンの一番嫌いな部分だ。
骨太オシャレ映画。文学性の高いアクション作品。
オシャレ映画って雰囲気だけのものが多いけど、これはシナリオが本当にすばらしいので表層の美だけでなく土台の屈強さまで感じる作品だった。
冒頭から「お、これは良い映画になる」と予感。主人公マックスがタクシーに乗り込んだ途端に自動車整備の音が止み、マックスは静寂の中で車内を清掃。画もカッコイイし、これだけで優良ドライバーであることが推察できる。個人的には、後半の方で2匹のオオカミ?が道を横切っていくシーンが好き。
マックスと乗客の会話の展開もウィットに富んでいて期待通りだったと確信!「地下鉄で死んだ男」の複線回収は本当に見事だった!!!脚本家の方、かなり知性の高い方なんだろうなあ…。
ただ知的な上に日本と異なる文化面もあるので、やや難しい部分もあった。欧米では妊娠期間を9カ月で計算するのだと初めて知った。字幕は原音通り9カ月を採用。
そして音楽も効果的。真逆の性格のマックスとヴィンセントを、クラシック派とジャズ派で描き分けていた。社内音楽のクラシック→ジャズバー→韓国系クラブと、場面展開もナチュラル。Kのクラブ音楽に乗せたガンアクションシーンは、残虐なのについノッてしまう!(それにしても、ここで韓国が入るのは2000年初頭ゆえだろうか?ワイスピやバックストリートボーイズのような、人種ごちゃまぜ編成ブームが彷彿される。)
殺し屋のヴィンセントがトム・クルーズだと後半になってから気づいた…。トム様ってこんな演技もできるのか。殺しのアクションシーンは相変わらず豪快だが。
この作品はタクシーというアイテムが活かされ、最高のスピード感。隙間時間で細切れで観るの良くなかったな~。
でも誰も気づかない
こないだレンタルで観ました💿
トム・クルーズの冷酷な殺し屋ヴィンセント役はなかなか似合ってましたね😎
人の心を見透かしたような一面と、トチる面をあわせ持つ男を演じてました🙂
マックスを演じたジェイミー・フォックスも、巻き込まれ運転手を好演🙂
有名人専門のリムジン運転手になるという夢を持ちながら、具体的な行動に移せない男を等身大に表現しています🤔
他にも刑事役にマーク・ラファロ、ヒロインっぽい検事役アニーにジェイダ・ピンケット=スミス、そして数十秒の出演ながらジェイソン・ステイサムも出ていて私は嬉しくなりました😀
トムとジェイミーのファンの方は楽しめるでしょう❗
登場人物の魅力がない
ハリウッドなのに、陰キャのセカイ系ラブコメ臭が漂うのは何故なんでしょう。スパイダーマンとかもそうだけど、、これはなんか違う。
登場人物の魅力がまるで無い。トム・クルーズが初悪役に挑戦!という触れ込みだが……悪役としてのカッコ良さ、とか人間らしさ、とかもっと引き出せたのでは?
タクシーに乗せたら殺人犯で〜って設定は面白い。トム・クルーズの死に方も好み。惜しいなあ
60点
映画評価:60点
この作品は興味深いです。
この作品を観た方へ
殺し屋とタクシー運転手の変な友情劇だと
勘違いされた方いませんか?
それは違うと思います。
この殺し屋は良くも悪くも仕事以外は
意外と正常で、とても紳士。
それに対して、このタクシー運転手は
いつまでも言い訳や嘘を繰り返し、
自分で自分の夢を遠ざけている。
そんな一歩踏み出せなかったタクシー運転手を変えたのは、紛れもなく殺し屋。
そして、その変化によって
死んでしまったのも殺し屋。
そこに変化(お節介)を見出だした事によって、
自分の首を絞めてしまった
男の物語。
そこが興味深く、儚いですね。
【2024.7.21観賞】
トムクルーズの銃の構えとか、所作が綺麗だなと改めて思った。
トムクルーズ好きのわたしとしては、彼にいい人役を求めてしまいがちだけれど、冷徹な役もかっこいい。
ロスの地下鉄…の話しが最後の結末になっていて、地下鉄で1人冷たくなっている彼の姿がすごく物悲しさを感じさせる。
殺し屋として実践能力は高いけど、色々ドジ踏みすぎてて、ありえない感じだけど、そこはトムのカッコ良さを観る感じで気にならなければ楽しめる。
ロスの地下鉄…の話しが最後の結末になっていて、地下鉄で1人冷たくなっている彼の姿がすごく物悲しさを感じさせる。
殺し屋として実践能力は高いけど、色々ドジ踏みすぎてて、ありえない感じだけど、そこはトムのカッコ良さを観る感じで気にならなければ楽しめる。
名作
自分に課したルールを守り、そのルールに生かされてきた殺し屋。
その作法は厳密で、2ボディ1ヘッドが基本スタイル。
銃声が立て続けに鳴っても誰も警察を呼ばないような町で、淡々と仕事をこなす
でも、即興で生き物のように変化していくジャズが好きで
ロサンゼルスのように他人に関心がない冷たい町は嫌い
トムクルの悪役は新鮮なだけでなく、この綱引きみたいな自己矛盾がとにかく上手く演出されています。
一番嫌いな場所で、一番性に合わない仕事をする男の話です。
最後は、プロとして2ボディ1ヘッドに徹したことでドア枠を弾が抜けず、マックスが即興で滅多撃ちした弾を受けて死ぬ。
自分をそれまで生かしてきたルールが、自分を殺す。
ひと晩の追いかけっこでは語りきれない、深みのある映画だと思います。
心理分析に驚く
主人公のタクシー運転手は、今にベンツを買ってリムジン会社を始めると語る。しかし、そのことを堂々と言わないし、母親には既に会社をやっていると嘘をついている。終盤になって、その状況を見聞した殺し屋に、頭金作って始めれば出来ただろうに、自分に言い訳をして踏み出さないだけだ、と指摘されて逆上した。図星だったのだろう。それまで、この運転手は、夢に向かって努力していて、やりがいがないと言うものの、道路情報に詳しくプロの運転手だと思って、こんなことに巻き込まれて気の毒だなぁと思っていたのに、サイコパスのような冷徹な殺し屋が、実はそうじゃないとビシッと突きつけて驚いた。と同時に自分に突きつけられたようにも感じて軽く動揺した。殺し屋は、時々「こういうことはこうすべきだ」と道理を語っていたが、一見冷徹な殺し屋には、仕事をきっちりやり遂げようとするように、信念と行動力があり、運転手にはそれらがないという対比が示されていたようだ。運転手もだんだんと影響されて行動力を見せていく展開となり、人間やっぱり信念と行動力が必要なのだなと。だからこそ、殺し屋はトム・クルーズ。意外に深い映画だった。
孤高の殺し屋
冷徹非道の殺し屋ヴィンセント( トム・クルーズ )とタクシー運転手マックス( ジェイミー・フォックス )、二人の間に芽生え始めた情、交わす言葉が時に深く切ない。
終盤のスリリングな展開に見応えが。
ヴィンセントが遺した言葉は、マックスに対する「 赦し 」なのかも知れない。
ーやるしかないのさ…そう思えば幾らか気が楽だろう
BSフジを録画にて鑑賞 (吹替版)
サスペンス…? ※核心に触れるネタバレはなし。
いや、よくわからんのですが…サスペンス?の定義とは…?ハラハラしたらサスペンス??
ストーリーとしては、ただただトム・クルーズが人殺してくだけの話。Wikiを見ると「トム・クルーズが悪役を演じたことで話題になった」とあるんですが、ほんとにそれだけ。
ただ、「それだけ」ですが結構面白い。が、凄く面白いかと言われると…
見終わって、何となく面白かったな~という感想が浮かぶけど、何が面白かったかと言われると答えられない、雰囲気で乗り切った感が強い作品でした。
地上波て見たので吹き替えでしたが、特に違和感はありませんでした。
あらすじ:
真面目で正直者のマックスは、リムジンの送迎ドライバーを夢見つつ踏ん切りがつかず、タクシー運転手を続けている。ある晩、アニーという大事な裁判を控えた検事を客として乗せたマックスは、早く着く道が良いと道路を指定するアニーに「こちらの方が早い」と別の道を提案。アニーは「そちらは渋滞が凄い」と返すが、マックスは「もし渋滞だったらタダにする」と賭けを持ちかける。賭けに負けたアニーはマックスの腕を信頼し、「何か困ったことがあれば連絡を」と名刺を渡して去っていく。そして入れ違いにヴィンセントという男を乗せたマックスは、目的地に着くなり「腕の良い運転手だから一晩貸し切りにしたい」と言われる。貸し切りは規定違反だったが、ヴィンセントの強引な態度に押し切られて頷いてしまう。しかし、ヴィンセントが入っていった建物からタクシーの上に男の死体が落下、下りてきたヴィンセントが自分は殺し屋だと白状する。知らずに殺人の手助けをしたと知ったマックスは、誰にも言わないし車はやるからと「一晩の貸し切り」を断って去ろうとする。しかしマックスの腕の良さを惜しく思ったヴィンセントは運転手を続けるよう脅し、最終的に5人の人物を殺す予定だと言う。徐々にヴィンセントから話を聞き出すマックスだったが、標的の最後の1人がアニーだと知り…
…ハイ。あらすじ書いてて思ったんですが、ヴィンセントは「プロの殺し屋」なのに初っ端から失敗してます。大丈夫かよヴィンセント。もうちょっとバレないようにやんない??何で初っ端から都合良く失敗したの!?
しかもタクシーのフロント割れて血ついたまま運転とか、ありえねーから!職質受けるに決まってんだろ!何で1回しか警察に止められないんだよ!
あと、すっげぇ遠くのビルの窓から、誰がいるか見えます??マックス、結構距離のあるビルの屋上から「あいつがいる!」みたいなこと言ってるんですが、いや見えねーだろそんなん…目に双眼鏡装備してんの???
突っ込みどころは色々ありますが、脚本家が大学生の時に書いたものだそうだからヨシ!そっから監督が大幅に書き換えちゃったらしいけどヨシ!
監督のマイケル・マンは骨太な映画を撮ることに定評があるらしいが、殺し屋役がトム・クルーズの時点でちょっとなぁ…悪役が似合わないというより、この映画に合ってないというか、「骨太」のイメージじゃないというか。骨太っていうより、裏でちゃっかり生き残るタイプじゃない?この人…笑
役作りのためか、見た目が白髪交じりのオッサンなんですけど、この時点で違和感ありました。いつも映画に出てる時みたいな容姿で冷酷な殺し屋…の方がインパクト強かったんじゃないかと思います。
もちろん演技も動きも凄く良かったんですが、その割に初っ端からヘマするし、最終的に一般人のマックスに殺されるし。何なん????
最初、ヴィンセント役はラッセル・クロウにほぼ決まっていたんだとか。正直、自分もラッセルの方がこの役に合っていた気がします。冷酷な殺し屋と言われて想像できるし、作品の雰囲気がもっと引き締まったかなと。
トムだと何となく人の好さがあって、そんなに悪い人なんかな??と最後の方まであまり悪者!って感じが飲み込めませんでした。実は良い人でした的なエンドでも違和感ないくらい、作品の雰囲気がユルい。
何かトムだと愛嬌があるんですよね。殺し屋って言っても実は優しいところもありそうな。ラッセルが後部座席に座って銃向けてきたら普通に怖くてチビりそうですが(笑)、トムだと銃向けられても「またまた~笑」ってなりそうな気がします。カット入った瞬間銃向けてた相手とエヘヘって笑い合ってそうな感じが想像できるというか…
いや、実際動きはかなり機敏で、銃の扱いも洗練されてて凄腕っぽさはちゃんと出てたんですけどね。でも、やっぱりその人の持つ雰囲気ってありますよね…
ちなみにR15+らしいけど、どの辺でR15+と判断されたのかなー。別にグロくもなく、オッサン2人がワタワタしてるだけでエロも一切ありません。
確か『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』というティム・バートン監督・ジョニー・デップ主演の血みどろ満載映画が、同じR15+だった気がするんですけど。『スウィーニー・トッド』は血がドバドバ出るわ、身内ブチ殺すわ、子供が大人殺すわ、切った首の断面まで見せてましたけど。
本作は頭撃ち抜いても出血しないし、体の断面も出ないし、子殺しや大量殺戮もない。どういう理由でR15+???
それとも地上波だからどっかカットされてただけで、ノーカットだとグロかったのか…?
「夜のLAの暗い街並みを捕らえるため、ほぼ全編をデジタルで撮影した」とのことですが、他の作品と映像の違いは(素人には)わかりませんでした。特筆すべき点は(素人には)ない気がします。
ストーリーの構成はとても良くて、飽きさせません。最初に話してたことが後になって出てきて、最初のその台詞が出てきた時点で「ラストこうなるんだろうな…」って先が見えてはいるんだけど、オシャレな感じで自分は好きです。
あっ、あとこれだけは触れておきますが、自分は マーク・ラファロ 目当てで見たのに!活躍が!ほとんど!ありませんでした!!!!(大声)
あの流れで何でマークもっと活躍しないんだよぉぉぉぉ!!!!
日本ではハルク役で知名度上げまくったマークですが、元々アメリカでは受賞も多くて、演技力は認められてたんですよね。本作では見た目がめちゃくちゃ悪役っぽい刑事役(笑)で、良い人なんですが…途中退場。
しかしマークは格好で雰囲気が全く変わるので、いつも一瞬誰だかわかりません。し、良い役なのか悪役なのかも一目でわかりません!笑
色んな映画に出演してて、演技も相当上手いのに、あまり(日本で)話題にならないのはそのせいもあるかも。わざとらしくない演技だけど舞台出身なんですよね、この人。日本で舞台出身というと、おしなべて仰々しい演技のイメージ強いですが…
もっと日本でも取り上げて欲しいなぁ。美男美女じゃないと推されない風潮何とかならんのか…
とにかく自分にはもっとマークの出番が欲しかった作品でした…あれで終わりなんて悲しすぎる…。
トム・クルーズ版『ターミネーター』(笑)
オープニングのジェイソン・ステイサムはどういう経緯でカメオ出演したんでしょうね(笑) 白髪のトム・クルーズもいいなあ、スーツも似合ってました(^-^)
主演二人がハマり役!!
夜間撮影がとても綺麗で、深夜の映画鑑賞に向いていると思います。殺し屋の銃がサイレンサー付きでは無く、いちいち仕事が雑だったり、数々のピンチもご都合主義で乗り越えてしまう所に不満はありますが、主演二人のキャラ設定と、冴えない運転手が一晩の出来事で男をアゲるというストーリーは達成していると思います。この手の映画でありがちな、下品な台詞の応酬が無いのも、静かで好みでした。
ハリウッドスターたちの演じる壮大なコント…
冷徹な殺し屋の仕事に巻き込まれてしまったタクシードライバーの恐怖を描いたサスペンス・アクション映画。
殺し屋ヴィンセントを演じたのは『ミッション:インポッシブル』シリーズや『マイノリティ・レポート』の、レジェンド俳優トム・クルーズ。
タクシードライバーのマックスを演じたのは『アリ』『レイ』の、オスカー俳優ジェイミー・フォックス。
ヴィンセントを追う潜入捜査官レイ・ファニング刑事を演じたのは『死ぬまでにしたい10のこと』『13 ラブ 30』のマーク・ラファロ。
ヴィンセントの依頼主である麻薬組織のボス、フェリックスを演じたのは『ハモンハモン』『海を飛ぶ夢』の、のちにオスカー俳優となる名優ハビエル・バルデム。
冒頭の空港シーンに登場する、ヴィンセントとコンタクトを取る男として『スナッチ』『トランスポーター』のジェイソン・ステイサムがカメオ出演している。
製作総指揮に名を連ねるのは『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』の、映画監督フランク・ダラボン。
第30回 ロサンゼルス映画批評家協会賞において、撮影賞を受賞!
トム・クルーズ&ジェイミー・フォックス主演のサスペンス映画。…これサスペンス映画なのか?
ちなみに「コラテラル」とは「巻き添え」という意味らしい。
冒頭のジェイミー・フォックス演じるマックスとヒロインのやり取りは、マックスのタクシー運転手としての能力の高さをスマートに描いており非常に良かった。
映像や会話もスマートでカッコ良く、これから凄い映画が始まるかも!という期待にワクワク。
そして登場するトム・クルーズ。普通ではないオーラを纏っておりこれからヤバい事が起こる感じがプンプンします。
しかし、このトム・クルーズ演じる殺し屋ヴィンセント。彼の無能っぷりが凄い。一晩で5人殺さないといけないのに、1人目からトラブる。
マックスを脅迫して足として使うが、フロントミラーぶっ壊れたタクシーに乗って移動してたら怪しいわ!乗り替えろ!
あと無関係な人を殺しすぎ。これじゃプロの殺し屋じゃなくてテロリストでは?
マックスのお母さんのお見舞いに付き合った挙句大事なデータパクられるし、なんなのこの人?
なんか哲学的なことを言っているので、大物に見えますが凄いダメな殺し屋ですよ。ヴィンセントという男は。
こんなに派手に動き回ったら、確実に殺し屋は廃業でしょう。
ヴィンセントの行動がいちいちアホくさいので、中盤のサスペンス要素も退屈。正直中盤見るの辛かった…
クラブでの乱闘からのクライマックスの展開は、トム・クルーズのアクションを堪能できたので良かったです。
序盤でのマックスとヴィンセントの何気ない会話がラストシーンの伏線になっているのは素直に感心しました。…まぁ地下鉄内であれだけの銃撃戦を繰り広げたら、「無関心」とは無縁だと思いますが。
映画としてはお粗末ですが、ターミネーターと化したトム・クルーズを観ているのは楽しかったのでなんとか及第点といった内容でしょうか?
…マーク・ラファロの扱い雑すぎひん?
バカっぽい
意外に評価する人がいるのが信じられない。
ご都合主義のヒドい脚本にしか思えないのだが。
●大前提として何故、この運転手が引き回されるのか理由がわからない。そこらのチンピラを気にもしないで撃ち殺す冷徹な男だ。しかもターゲットを殺して警察に発見されようがおかまいない。都合の悪いタクシー運転手なんて人目のつかない路地裏で片付けて、別のタクシーを拾った方がいい。そもそも土地勘がわからないならナビゲイターと組むなりプロの仕事をするだろ。ガラスの割れた車でロスを乗り回すことの方がリスクだ。案の定、警官に呼び止められるがご都合主義でスルー。
●一見、クールで冷徹な殺しのプロのようだが、どう考えても雑でバカな殺し方しかしていない。人が居ようが、困難な状況だろうが銃をぶっ放すことしかしていない。計算もなにもない。最初の殺しからしてターゲットをビルから落とし、目撃されている。トム・クルーズがいかにクールに振る舞おうと、出だしからマヌケで三流な殺し屋である事が露呈しているのだ。
●運転手の母親に会いにいくのも無理くりすぎる。
●警官と病院でニアミスも、都合よすぎるしたいしてサスペンスに貢献していない。
●運転手に資料を奪われて捨てられるなんてマヌケすぎる。しかもなんでここぞとばかりに運転手は駆け出すんだ?母親が危険かもしれないのに?恥をさらされてキレたとかバカバカしい理由だ。
●麻薬の親玉を前に急にヒーローみたいにスラスラとハッタリをかましはじめる。それまでオドオドと噛みまくりだったのに。無茶苦茶だ。しかも、しっかり監視カメラで警察にもバレて。
●タクシーを転ばせた後、検事のピンチを知るが、何故自ら助けに行こうとするのか?いくら殺人犯に間違われたからといって普通は警察に助けを求めるだろう?しかも警官から銃を奪い取る変身ぶり。劇中でこの運転手をヒーローに成長させる要素なんて何一つなかったのに。
●乗り合わせただけの検事がいいヤツだからって、ヒロインよろしく命がけで助けようとするのが信じられない。
●カメオのジェイソン・ステイサムの出し方雑。
人物がそういう状況に陥る必然性がまるでなく、作り手のご都合だけで無理くり動いている。一見スタイリッシュに撮っているが、80年代に量産され消えていったB級バディものと同じ。もしかして企画当初はコメディだったんじゃないか?それをトム・クルーズ用に書き直したとか?コメディの方がうまくいくような題材に思える。いや、本当に。
夢を夢にしそうになった時、見直したい映画
アクションと二人の会話劇の組み合わせ。
トム様の演技力とアクションのファンとしては1粒で2度美味しい。
トム様以外にもたくさん魅力的で芸達者な役者さんのそろい踏み
+ 映像美・音楽と 無茶苦茶美味しい映画です。脚本が秀逸ですしね。
髭面・白髪・ちょっとお肥りになったトム様もすてき。
以下ネタばれ。
マックスの方が感情移入しやすいから目線がマックスにいきやすい(マックスが主役に思えちゃう)けど、監督が本当に描きたかったのはヴィンセントなのではないでしょうか。
「地下鉄で死んだ男が6時間たっても気づかれなかった。たくさんの人が彼の隣りに座ったのにも関わらず(思い出し引用)」映画の前半とラストに出てくる言葉。
最初の殺人で、撃ったら反動で窓から死体が飛び出してって、この殺し屋ダメじゃん、こんなことやってたらすぐ捕まっちゃうじゃんと、MIとかのトム様の手際のよいスタントを思い出しながら突っ込み入れていたけど。慌ててヴィンセントが飛び出して、周りの反応伺うと、人が落ちてきて車潰れるほどの衝撃・音なのに、誰も様子を見に来ない。オフィス街や倉庫街で人がいないわけじゃない。ヴィンセントが部屋訪ねる段階で、別室の人間がTV観ている様子が描かれていたけど、誰も「何があった?」と顔出しすらしない。銃音は消音かもしれないけど、車潰れた音は消音出来ないはず。マックスも騒ぎまくっていたのに。「地下鉄で死んだ男が〜」どころじゃなく「隣室で人が撃たれて落っこちたって〜気づかれない」。このロス=大都会の現状をさりげなく描いているのだろう。
だのに、ロスの夜景はあんなにも煌びやか。ひたすら美しい。
それでもなんか変だなと思う人々もいた。
途中で車が変形していることで呼び止める警官(他のTVなどにも出演している本物の警官だそうです by 監督の音声解説)。
他の町で3人殺して自殺したタクシー運転手の事件から、何かおかしいと捜査を始める警官(ラファロ氏:セクシーで格好いい)。でもマックスが助かったと思った途端、あえなくヴィンセントに殺される。
それで自暴自棄になりかけているマックスの前にコヨーテが現れる。
マックスにとっては、自分の中に眠っている野生・パワーの象徴。
ヴィンセントにとっては自分自身ではないでしょうか。ヴィンセントもコヨーテも「生きるために殺す」孤高の生き物だもの。
そして自らの手で行動を起こすマックス。興味深いのは、マックスが自分を奮い立たせる時に言うのがヴィンセントの言葉だということ。殺しを依頼した親玉と渡り合うときにも、事故った後捕まった警官をふりほどいてアニーを助けに行くときにも、ヴィンセントの言葉を言いながら、今までならやらないようなことをやらかしていく。
「人間なら誰でも持っているはずの何かがあんたには欠けている」とマックスに言われるヴィンセントは、淡々と人を殺していく。殺す相手の情報を事前に見ないのも、カタログで物を物色しているのと同じように見えて不気味だった。あれこれリサーチする程の思い入れもない。ただ体に二発頭に一発弾をプレゼントすればいいだけ。でもジャズマンを殺した時は命を弄ぶ、狩りをするような、本当に「欠けている」といういやらしさも見せて…。クイズに正解したら本当に助けていたのだろうか?
ただ食べるためだけに殺し屋しているのなら、マックスに逆キレされた時点でさっさと逃走して身の保全を図らなかったのだろうか。その後の依頼がなくなっても、指名手配になったとしても、生き抜く道はあったろうに。あれだけ、目立たぬように生きる術を身につけているのなら。アニーを殺しに行ってマックスに反撃された時点では、まだヴィンセントは優位に立っていたつもりなんだろう。正直マックス自身が自分がこんなにできるなんで思わなかっただろうし。狩りの相手が思いのほか手ごたえがあって嬉しい程度だったのではないだろうか。「俺はこれ(殺し)で生きている living んだ」。含蓄の深い言葉だね。
人を人と思わないヴィンセントに代表されるようなロスの人間模様が地として、そこに袖振り合うも他生の縁的人間模様が絡んでくる。アニーとマックス。
アニーとマックスもただの客と運転手。乗って、乗せて、ただそれだけで終わる状況なのに、マックスのちょっとしたプロとしてのこだわり、目的地までの所要時間を的確に図り、時間のロスを生じさせないがきっかけで(ヴィンセントにもこれで見込まれてしまうのだが)、会話をする二人。夢だった検事の仕事を吐きながらも全うしようとするアニーに、心のオアシスが必要だよと自分の大切な写真を差し出すマックス。そんなマックスの思いやりを受けて名刺を差し出すアニー。それだけといえばそれだけだけど、ここには心のやり取りが成立している。そんなアニーとマックスが生き残る。(人は関わりながら生きているんだよ、なんて意味ありげに感じてしまうのは説教臭くなって野暮か。)
そしてラストは夜明け。夜明けの街にヴィンセントは地下鉄で運ばれて行き、少しずつ明るさが増してくる街をアニーとマックスは自分達の足で歩いていく。台詞なし、BGMのみ。それがまたかっこいいし、心に染みわたる。
ヴィンセントが「今の状態から抜け出す勇気」を実際に示した時って、父親を殺した時なのかな? そんな人間の空虚さがとても出ていたと思う。怖くもあり、観ていると胸が締め付けられるほど切なく、悲しい。映画を観終わった直後はマックスに感情移入してマックスの存在が大きいのだけど、時間が経つにつれ存在感が大きくなってくるのはヴィンセント。
最初から最後まで、否、時間が経っても、美味しい映画です。
しかし、
<追記Ⅰ>
今もなお、映画に必要な技術(ヘリ操縦に、ヘイロ―ジャンプ、潜水術etc)を身に着けることに余念がないトム様ですが、
この映画では、銃の扱いを軍に倣い、人ごみに紛れて印象が残らないヴィンセントの役を演じるにあたり、宅配便の配達人を実際にやって、品物を受け取った人にトム様と気が付かれなかったという”訓練”?もなさっている。
若いころは、役柄に合わせて筋肉つけたり、落としたり(『インタビュー・ウィズ・バンパイヤ』で、それまでのイメージから、原作者からクレームついたのを、体改造+演技で、原作者が新聞広告で「イメージぴったり」と謝罪と称賛した話は有名)。
トム様の演技に「デニーロ・アプローチ」をしないという人いるけれど、常に、役柄に合わせて変化する役者だよ。ちゃんと見てよ。
<追記Ⅱ>
ヴィンセントは、何でマックスを拘束してタクシー使うんだ?というレビューをどこかでみたけれど。
土地勘ない都市で、制約のある時間内に何か所も移動するときは、その土地を知り尽くしているタクシーを使うのが便利。この映画が製作されたころ、スマホのナビなんてないし、しかも、電車やバスがくる間隔わからないし、終電もいつまで動いているのかもわからない。日本のように時刻表と同じ時間に来る国は珍しい。かつ、タクシーを捕まえられる場所もわからない。目標がいる場所が、駅の近くや繁華街じゃなくて、街はずれやスラムということもあり得る。呼んでも来ない場合があるし、呼んだら足跡残すし。
それにタクシーに荷物置いて身軽に仕事に行ける。物取りを本業としているタクシー運転手以外は、”普通”の場合は、客の荷物を触らない。
今は、スマホナビを駆使して、知らない土地でも移動できるから、ピンとこないんだろうなあ。時代を感じた。
悪役のトムクルーズ。
トムクルーズの悪役と白髪が新鮮。
暗く静かで重苦しいような雰囲気が好みな作品でした。
彼に巻き込まれてしまうマックスを演じるジェイミーフォックスの演技も光っていた。
最初は普通のタクシー運転手なのに、フェニックスと対峙した後からは印象ががらりと変わった。別人にすら見える。
トムクルーズ演じるヴィンセント。
何事にも無関心でありながら、マックスの母に花を買って行ったり、女に電話しろと言ったり、君は本気になってないと説教のようなことをしたり、ただの悪人でないような面も見せる。不思議な魅力を感じた。
しかし心がない。トランペット奏者との場面が顕著。冷徹で殺人に対しても関心がない、仕事だからやる、からっぽでどこかかわいそうな人物に思えた。
ヴィンセントは60億人の内の1人知らないやつがいなくなっても…と言う。
でも奥さんや子供が…とマックスは言う。
ものの見方が主観客観で全く対極的なのがおもしろい。
作品全体のセリフに重みというか含みがある感じで好きでした。
終盤でマックスが検事の女性と逃げるシーンでは、ヴィンセントがあまりにも正確に追って行くのでちょっと違和感があった。
マークラファロは私の中でなんとなくほんわりしたイメージだったが、今作ではイカつい見た目で出演していた。警察だとは思えないイカつさ。潜入捜査とかしてたんだろうか。でもいい役でした。
ヴィンセントの最期は彼の言葉通りで哀愁漂う。余韻の残るいい終幕だった。bgmも雰囲気に合ってて良かった。
コラテラル:そのまま6時間死人だと気付かれなかった
【コラテラル:おすすめトレビア】
・「Collateral」というのは"〔不運な〕巻き添え【名】、付随的な【形】"というような意味で、この映画では従犯を意味している。主犯を助ける意図はまったくなかったのに、ある状況から共犯になってしまう。
【コラテラル:おすすめポイント】
1.ヴィンセント役トム・クルーズの殺人シーンがめちゃくちゃCOOL!!!
2.マックス役ジェイミー・フォックスがだんだんかっこ好くなっていく!!
3.マックス役ジェイミー・フォックスとアニー役ジェイダ・ピンケット=スミスとの絡みやセリフがいいなあ!
【コラテラル:名言名セリフ】
1.ヴィンセント役トム・クルーズの名言名セリフ
→「8分でも6分でもなく7分?」
→「ロスの地下鉄で男が死に そのまま6時間死人だと気付かれなかった」
→「気にするな ”しゃべらず 直接 行動に出る” それが男だ」
2.マックス役ジェイミー・フォックスの名言名セリフ
→「今夜は一度賭けてしまった」
→「話したくない ちょっとしたビジネスでね」
3.アニー役ジェイダ・ピンケット=スミスの名言名セリフ
→「吐く人もいるけど 私は胃が丈夫なので涙を流すだけ」
何故マックスは一緒に行動させられたのか
総合65点 ( ストーリー:40点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
邪魔者は躊躇無く排除する冷酷な殺し屋ビンセントが、見知らぬタクシー運転手マックスを引き連れて一緒に連続殺人に挑むという馬鹿げた物語。殺し屋は邪魔になっていそうな運転手を殺しもしないどころか彼に自由に行動させ、さらに傷だらけで目立つ車を変えもせずに任務遂行に挑み続ける。
何故ビンセントはマックスと彼の車にこだわり続けるのだろうか、そしてマックスをずっと生かし続けて母親の見舞いにまでいくのだろうか。それがこの作品の基盤となる最重要な部分である。しかしとにかくそれがずっと謎だった。
最初にマックスの車に乗ったときに彼が有能であって気に入ったのはわかる。だがビンセントの正体がばれて彼の最初の計画はすぐに破綻し、普通ならばこんなに面倒なことになるならばさっさと目撃者であるマックスを始末して車も変える。どんな特別な理由があるのか、どんな理由があって彼を気に入ったのか、もしそれがないならばどんなにくだらない物語なのかが観ている間ずっと気になり続けていた。
そしてその回答がないままに映画が終わってそのくだらない物語だけが残り、ただただがっかりした。結局ビンセントは理由もなくマックスと彼の車を使い続け、それが原因で任務に重大な支障をきたした。なんて馬鹿な殺し屋であり馬鹿な脚本であるのか。偶然入れ違いで殺し屋と標的を乗客として乗せたという偶然にもひいた。
L.A.の夜の街の撮影は上手くて演出も洗練されていている。冷たい雰囲気の中にも都会の闇を映したお洒落さすら感じさせる。主演2人の演技も良かった。ひたすら脚本が駄目。
トム・クルーズの悪役を見られる珍しい機会。冒頭でジェイソン・ステイ...
トム・クルーズの悪役を見られる珍しい機会。冒頭でジェイソン・ステイサムが出てて「おっ?」となったが彼はそのシーンだけのほぼカメオ。全く覚えてないけど以前に見たことあるようで筋は見てて思い出した。トム扮する銀髪の殺し屋がジェレミー・フォックス扮するタクシードライバーを巻き込むというもの。トム・クルーズは普段がネタにされるほどのキザな笑顔だったりするので、むしろその後ろにあるような狂気がすごく合っていた。一晩で5人片づけるなんてプロっぽい割に裏通りとはいえ街中で発砲音響かせたり、ジェイミーにしてやられたりみるとややプロ感には欠ける。けれどもジェイミーの変化が感じられてよかった。画がたまに特典映像っぽくみえるのはなんでだろう。
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