コラテラルのレビュー・感想・評価
全123件中、121~123件目を表示
主役はロサンゼルスの夜
マイケル・マンが「ヒート」以来、初めてロサンゼルスを舞台にしたアクションスリラー。ストーリーは、一晩に5人のターゲットを殺そうとする凄腕の暗殺者と、たまたまその運転手を任されてしまった男の一夜を描くというもので、設定からして突っ込みどころは満載だ。だが、マンが撮りたかったのは、ずばりロサンゼルスの夜ではないだろうか? ダウンタウンの摩天楼が望める丘、街道沿いのジャズクラブ、ダウンタウンの裏路地、郊外のハイウェイ、コリアン地区、深夜のサブウェイ……挙げればきりがないが、どこも今までハリウッド映画が描いてきたようで描いてこなかったロサンゼルス一面を鮮やかに切り取っている。
「インタビュー・ウィズ・バンパイア」以来の悪役となったトム・クルーズも香港のクーロンあたりの仕立屋に作らせたという設定のグレーのスーツに白髪の短髪という出で立ちで登場。しっかりとマン映画に染まっている。
ちなみに、「ヒート」のオープニングシーンと、本作のラストに登場するサブウェイの駅は、同じ駅。マンによるとたまたま同じになったという。
普通
悪の中にある善の可能性
世界最高のスター、トム・クルーズが銀髪に不精ひげという風貌で、従来のイメージを覆す悪役を演じたクライム・スリラー。
ロザンゼルスを舞台に狙った獲物は逃さない殺しのプロと
偶然乗車したタクシーの運転手との繰り広げる一夜の物語。
5人をすべて殺すという目的を果たすために、巻き添えになった
ドライバーだが、話していくうちに二人の関係にひずみが見えてくる。
昔、アメリカで起こった連続殺人犯が立てこもった家で
そこにいた主婦と接するうちに心を開き、改心するというドキュメンタリーを思い出した。殺しのプロ=この世界での絶対的孤独
を感じている様もうまく表現していると思う。
殺人事態、絶対にあってはいけないことで、
普段ニュースで殺人犯に同情することなどないが
この作品を見てその犯罪に至る経緯を垣間みれた気がした。
人間の多面性。怖いです。
全123件中、121~123件目を表示

