折にふれてのレビュー・感想・評価
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澱にふれて
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良くも悪くも“学生映画”だなぁ、という印象。
公共の論理ではなく、監督の感性に寄る“理詰め”で作られている感触で、外側からの理解が難しい。
最も顕著なのが、むっちゃんの配役。
粗筋で引き篭もりは兄だと思ってたので、海辺のシーンで出てきた女性がはじめ誰なのか分からなかった。
「あれ、姉だったっけ」となってきた頃に「お兄ちゃん」という台詞が出てくる。
こんなん混乱しかないわ。
一応トークショーで理由は語られたけど、観る側として「なるほど」とはなりません。
ラムネ瓶越しに見た景色とか、空楽くんを出した意味とかもよく分からなかった。
話としては、引っ越しというタイムリミットまでの主人公のモヤモヤをずっと描く。
家の中の、ビミョーに居心地の悪い雰囲気はよかった。
ただ、ふみが父親に思いをぶつけるシーンにはちょっと引っ掛かってしまう。
だってあなたも、自転車屋から渡された荷物を無視しようとしましたよね。
後輩にも存在を隠したし、無理矢理会うことも出来たのにしてこなかった。
それを父にだけ言うのは違うのでは。
妄想は妄想だし、現実の内容だけだと10年ぶんの澱を解消するには弱すぎる。
せっかくそこまで(現実では)出さなかったのに、遠景とはいえ最後にむっちゃんを映したのも残念。
画作りは悪くないけど、前半は眠くもなった。
感性に寄りすぎた気もするが、そうしないと話としてはありきたりで、難しいところか。
関係ないけどトークショーで出てきた森井勇佑監督、「観客に向けてつくってる」って言ってたけど…
『こちらあみ子』はまだしも『ルート29』は無理よ。笑
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