でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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「真実」はどこにあるのか。観る者の心を試す129分。
事実をもとに、今なお社会に横たわる教育現場の問題を映画として“公に”した意義は大きい。
本作は「でっちあげ」というタイトルのとおり、表と裏、正義と暴力、加害と被害がぐるりと入れ替わる。その構造が見事に映像で描かれている。
冒頭30分で登場するのは、誰が見ても“暴力教師”としか思えない男。
綾野剛さん演じる薮下先生は、無表情で口元が歪み、目には生気がなく、まるで世の中の悪意をすべて吸い込んだような顔をしている。
観客はすぐに感情を「生徒とその家族」側に重ね、「この教師は許されるべきでない」と確信する。
この導入部のテンポと演出は素晴らしく、否応なしに物語に引き込まれる。
しかし、本作のタイトルは『でっちあげ』。ここで終わるはずがない。
物語は、視点をくるりと反転させる。
今度は薮下先生の視点。
教室では生徒に耳を傾け、頭ごなしに怒ることはない。家庭では、芯のある妻とまっすぐ育った息子と穏やかな日々を過ごす、誠実な教師の姿が描かれる。
そんな“日常”を破壊したのは、なんと「子どもの小さな嘘」。
それを信じた母親がモンスターペアレント化し、マスコミを巻き込んで善良な教師を追い詰めていく。
その後、湯上谷弁護士(小林薫)が登場し、長い年月をかけて無実を証明する――。
しかし、奪われた10年は戻らない。傷ついた心も、家庭も、完全には元には戻らない。
ここで観客は問われる。
「本当に悪かったのは誰だったのか?」
「もし自分だったら、あのとき、どうしていただろう?」
綾野剛さんの演技は圧巻だった。モンスター教師と善良な教師という両極の人物像を、違和感なく演じ分けていた。
柴咲コウさんもまた素晴らしい。とくに裁判シーンで見せた“感情が死んだ表情と声”は冷たく心に残る。脇を固めるキャストも適役揃いで、リアリティを底上げしていた。
ただひとつ、後半の展開にはやや弱さも感じた。
なぜ律子が“でっちあげ”に走ったのか。そこにもっと深みがあれば、物語はさらに厚みを増していたかもしれない。
私は、彼女自身の過去やトラウマが動機かもしれないと想像しながら観ていたが、結末は意外にあっさりしていた。
けれども、これが“実際に起こった事件”に基づく物語であることを思えば、過度な脚色を避けた姿勢も納得できる。
事件から20年。
この事実を風化させず、映像作品として世に問いかけた本作の意義は大きい。
教育現場に関わるすべての人に、そして「自分には関係ない」と思っている人にこそ観てほしい。
これは“誰にでも起こりうる物語”なのだから。
沈黙と忘却に支配される社会――本作が突きつけるもの
最初に突きつけられるのは「これが実話か」という衝撃である。劇中に次々登場する学校、教育委員会、報道、弁護士といった“関係者たち”の無責任な言動は、観客に嫌悪感を抱かせると同時に、なぜこれほど荒唐無稽な冤罪が成立してしまったのかという説得力にもつながっている。つまり、この作品は人間の愚かさを累積させた果てに冤罪が出来上がるプロセスをリアルに描き切っている。
映画としての出来栄えもさることながら、問題はここで描かれた事件の構造が、現代日本において決して過去の特殊事例ではないということ。教育委員会が「体罰認定の誤り」を取り下げるまでに10年も要した理由は単純で、行政判断を覆すことは「自らの誤り」を認めることに等しく、責任追及や損害賠償リスクに直結するから。制度的惰性と組織防衛が、名誉回復のスピードを鈍らせた。
さらに深刻なのは、当時の報道機関――とりわけ朝日新聞や週刊文春を含む大手マスコミが、この件について正式な謝罪や訂正を行っていない点。誤報は人を社会的に殺し得るのに、謝罪しなくても存続できる。ここに、日本のジャーナリズムが抱える致命的な病理がある。報道の自由を掲げながら、いざ自らの誤りが問われる場面では「当時の取材は正当だった」と言い訳し、沈黙と風化に頼る。この無責任体質こそが、国民のメディア不信を深めている。
本作を観て思い出すのは、かつてジャンヌ・ダルクが「魔女」として処刑され、死後に教会が誤りを認めて聖人とした歴史。当時の「正義」は時代の空気と権威によって決まるが、真実は往々にして後になってからしか認められない。映画はまさにその縮図を描いた。
綾野剛が演じる教師は、ただ冤罪の被害者というよりも「社会に抹殺される個人」の象徴だ。柴咲コウ演じる告発者や亀梨和也演じる記者を含め、誰もが自分なりの正義を語るが、その正義が集団で暴走したときに何が起きるかを、本作は観客に叩きつける。
総じて言えば、本作は「娯楽映画」として軽く消費できる類ではない。観る側に強烈な不快感と疑問を残し、社会構造そのものを問い直す。人間はなぜ誤り、なぜ責任を取らないのか。報道はなぜ謝罪できないのか。教育行政はなぜ10年もかかるのか。観客に刺さるのは、結局この国の制度と社会が「沈黙と忘却」に支配されている現実そのものである。映画の余韻は、スクリーンの外の私たちの社会に直結している。
専門家の役割と責任
予告編を見て、どうしても見たい、と思った映画でした。
原告側の弁護士、医師、学校の校長、教頭が専門家として果たすべき責任を放棄しているのに対し、美村里江が演じる精神科医(?)の勇気ある行動が本来あるべき姿となり、逆転の突破口となった。
また、被告を支える弁護士の存在も、救いである。ドラマや映画でたいていこういう弁護士さんは地味な事務所で書類の山に埋もれて描かれるが、実際そうなんだろうか。現実でもこういう弁護士が報われる社会になってほしい。
綾野剛の演技力は本当にすごい。はるばる青梅まで見に行ってよかった。
青梅の映画館、シネマネコは自宅から3時間。初めて行った。スクリーンはひとつながら、見応えのある映画ばかりが上映されていた。
かわいらしい外観で、中もとても居心地が良かったのでまた機会があれば行ってみたい。
想像してたものとは違った
事前情報として、実話であること、裁判の話であることは知っていた。
このあらすじ的にもタイトル的にもどんでん返し系の話なのかなと思って見に行ったが実際この話は被告目線からみた冤罪との戦いというテーマ。
モンスターペアレント、冤罪はこれまで何度も描かれてきたテーマだが、この映画独自視点でのメッセージを受け取ることができず、実話という要素で説得力を持たせてる映画に感じた。
事件のドキュメンタリーに近い?
真実とはなんなのか、、心が揺さぶられました!!
2003年に起きた実話に基づいた作品。
導入から引き込まれる綾野剛さんの演技力、、演技とはいえ体罰としてこどもが傷つくシーンは胸が痛みました、、。
率直な感想は、これが本当に起きたことなのかと、、。
法廷で裁判になり、一方的に攻撃される構図にも心が痛みました。
私も最初は流れてくる映像を真実と捉え、途中まで観ていました。
しかし、途中からの逆転劇というか、事実の捏造、真実とは?という疑念が強く残りました。
劇中の綾野さんの「なぜ一方的にしか話をきかないのか」というようなセリフがとても印象的でした。メディアを使い、どちらか一方の話だけを鵜呑みにし、さもこれが事実かのように報道され、第三者から攻撃されるのは20年経ったいまでも変わらないのかもしれないと思いました。
真実は何か、どれが嘘なのか現代ではよりわかりにくくなってきています。
自分がみたものすべてが真実とは限らないということを理解したうえで情報を取っていくのか大事だなと感じました。
諦めずに立ち向かい、応援してくれる人とともに立ち上がった先生の心の強さにとても感動しました。その背景の辛さはご本人にしかわからないことではありますが、、。
私も仕事に対して真摯に向き合っていこうと思った映画でした。
観る者まで力技でねじ伏せる
◉早い者勝ち、その他大勢勝ち
事実に基づくと言いながら、私にはとてつもなく理不尽で突飛な出来事。そして黒色が力任せに白色を侵食していくようなストーリー展開を、しばらく唖然としながら観ていた。たとえ主題を訴えるための濃縮の結果であっても、思わず笑ってしまうほどの強引さ。それとも私の常識と理解力の、どちらも足りなかったか? 諍いは先に主張した者勝ち、だが後からでも声の大きかった者勝ち。
けれど、PSTDと国籍で嘘をつき、虐めの客観的証拠がなくとも、裁判は勝てるのですね。それが得心出来ず。もう一つは、夫婦は何が目的で、「殺人教師」のでっちあげを画策したのか、説明が欲しかった。金が狙いじゃないでしょう。
まぁ世間も社会も世界も、これほど怖いものもないと言う理解を得ることが出来ました。悪巧みをした者勝ち、深く考えずにそれに乗っかった者勝ち。無論、それだけじゃないと祈りつつですけれど。
◉役者は怪物
綾野剛が、純粋に生きる一人の社会人を好演していたと思うし、綾野剛の妻子と勇気ある弁護士以外、演じる気になれば殺したいぐらいの悪者を演じることが出来るのが役者なんだと、改めて感動もしました。しばらくは、柴咲コウの顔を見たくなくなった。
子は自分の後を継いでくれたが、妻には先立たれた綾野剛と、そのもとに懲戒処分が解かれたことを告げに訪れた小林薫。でもひたすらに生きる人の悲哀と微かな爽やかさ…などでは済まない、痛々しい読後感が残りました。
狂気と怒り
最初から綾野剛の狂気が半端ない
「死に方を教えてやろうか」とかピノキオをしている場面は怖すぎる。
あと最初の綾野剛の顔がもう死んでた
でもそこがでっちあげだとは全く思わなかった。完全に騙された。
その後は柴咲コウの狂気が全開だった
傘を持ちながら見つめてくるシーンはホラー映画と変わらない
あと校長室に呼び出されたときの掛け合いがうまく噛み合ってしまっている感じが現実感が激強
校長と教頭にはイライラ
法廷をメインに映画を作るのは難しいと思うがとても綺麗にまとめていた
サイコパスに見えた。。
3章からなる構成。
お母さん、先生、先生の意見陳述の3つ。
何が真実か分からないような展開なのかと思っていたら違かった。
流れ的に真実は片方にしか思えないような作りでした。
実話らしいけど、元の話はまったく知らなかった。
先生側の視点が見ていて辛かった。
ココが一番ドキドキするところでしたかね。
それに、柴咲コウが私には単なるサイコパスに見えた。
もっと、見る側に判断を委ねる的な作りでも良かったように思うが、実話ベースだから仕方がない。。
裏取りもせずにセンセーショナルに報道するマスコミ、嘘を見抜けず550人もの弁護士が信じて弁護団を作ったり、恐怖でしかない。。
モンスターペアレントという言葉だけでは、言い表せない。
柴咲コウの表情には、狂気しか感じなかった。
実話だとすれば、実話の親子、校長、教頭は今どうしているのかが気になってしまった。
やっぱり綾野剛は名優なんだろうね。。
人の良すぎる先生役を上手く演じていたと思う。
口コミでは高評価の映画。
三池崇史監督。
う~ん、ずいぶん、脚本と綾野剛に助けられた感じなのかな。。
流石綾野剛
流石綾野剛です。
初めふたつの視点で描かれますが、綾野剛の演技力が光ります。
この話は実際2003年に発生した福岡での事件を題材にしたと記憶していますが、実際は穏やかで熱心な教育者でした。
なので、物語全体としては綾野剛は被害者であり、優しすぎる人物像を演じています。
綾野剛はこう見ると、怖い役がやはり1番だと感じました。
さて、結局は題名通りでっちあげだったというのが事の顛末です。
結局のところ2003年でもそして現代社会でも社会は見たいものだけを見て、信じたいものだけを盲目的に信じて批判を行います。
それが嘘だったらという根本的なことは昔も今も変わらず気にしません。
愚かですね。
昨今ではますます盲目的に情報を信じて、誹謗中傷が横行し、政治にまで浸透し始めました。
私たちは今一度、情報の脆弱性を再確認し、自身で調べ立ち止まるという視点が重要だと思います。
今年観た中でトップ3に入る作品。
これが実話なんて信じたくない。
不気味や恐怖を感じさせる演出が役者方の芝居とマッチしていて見ていて全員がはまり役で心地良かった。
三池崇史監督の悪の教典を観たとき絵の斬新さというか、演出に驚愕したことをものすごく覚えているのだけれど、(といっても映画館ではなく2022年に配信でみたのだけれど、)なんていうんだろ。物語の結末をすぐ予想してしまう癖があるのに予想することすら考えないくらい没頭してみてしまう。魅力だなぁ。
今回のお話で、でっちあげというタイトルから察してはいたけど、このお話は殺人教師が主軸に書かれていることもあって、結局実際はわからないっていう。みんな、殺人教師が完全に白だと思っているし、私も観ていくうちにそうなんだろうと思ったけど、これがもし【すべて殺人教師が嘘をついており律子さんが本当の事を言っている】だった場合が一番怖い。実際、最終的な判決では無実になったけど、それも全部嘘の喜びだったら、と思うと鳥肌が立って最後立てなくなった。
事件は必ず真相があるけど、実際のところは私達には分からない。だってその場にいたわけじゃないから。でも、嘘だったとしても、市民弁護士の方みたいに、自分が非現実的だと思って責められてる人間に寄り添うっていう行動ができる人間になりたいなと思った。
そして、今の日本はこの作品でしかない。嘘を真実と捉えて拡散され、精神を病んで自殺まで追い込む。SNSがない時代のほうが良かった、なんて考えていたけどSNSがあってもなくても嘘が拡散されて誰かを傷つけることを楽しみながら時代は進んできたんだろうなと感じてしまった。人間、嫌だなと思ってしまったよ。
あと、かなり前に家の近くで事件が起きてマスコミが殺到したときのことを思い出してしまった。コンビニにたくさんの車停めて、私はコンビニ入れないし、警官はマスコミじゃなくコンビニをただ利用したい私を止めて「ここ停めないでください」と言われたこと。この言葉を聞いたときに「警察でもマスコミを止めることはできないし、なんなら止めようともしないんだ」と感じてしまった。それってつまり、市民の安全よりも事件を大きく出してお金を稼ぐ週刊誌たちの味方をするわけで、警察って役に立たないんだよね。そこから事件を都合のいいように解釈するのはやめた。無実だと言っていても、有罪判決が下っても、その人たちを責めることはできないし、それは警察が有罪として話を進めているからであって無罪として取り調べしていたら違う答えが出てきていたと思うから。
長くなったけど、このお話は正体ぶりに感動した。
本当に、素敵な作品。涙も鳥肌もずっと止まらなかった。
無料券で観られず悔やんでいたけど2000円の価値余裕でありました!!
見方
教師による生徒への体罰が問題視された事件を元にそれぞれの視点で捉え、是非を法廷闘争とすることで出来るだけ公平な視点で物事を捉えようとする姿勢には共感できる。
そしてマスコミの根底にある検証せず事象のみを広めることが正しいかの様に扱い民衆の熱が冷めれば取り上げなくなる、そんなマスコミを皮肉っている点は面白く感じた。
どんな人と出会うかを選択することは出来ないが周りにいて欲しい人たちを選択することは出来る。
その大事な選択を間違わず歩みたいものだ。
見応えのある作品
綾野剛と三池監督のタッグなので気になっていたが連休最終日に観ることができた。
簡単に言うと、虚言癖のあるモンペアに
冤罪をかけられた一教員の10年に渡る物語だが、予想通り綾野剛の演技に釘付けだった。
孤軍奮闘に見えた教員に助け舟を出す小林薫も良い。
キャストが豪華だが、柴崎コウの不気味さも良かった。
実話に基づいた作品だけに見応えのある一本だった。
母親役柴咲コウの怖さ、教師役綾野剛の演技の幅、小林薫弁護士の良い味、三池祟史監督の抑え気味の演出が魅力
三池祟史監督による2025年製作(129分/PG12)日本映画。
配給:東映、劇場公開日:2025年6月27日。
メディア報道の問題、現場の一教師の弱い立場、そしてモンスター・ペアレントの怖さと、タイムリーな題材が描かれて大変に面白かった。一つには福田ますみさんによる原作(2007年新潮ドキュメント賞受賞)の良さが、多分あるのだろう。そして、三池崇史監督による冷静な押さえ気味の演出にも好感を覚えた。
暴力的な教師と優しい先生の両者を演じ分けた綾野剛の演技自体も良かったが、ガーシー氏によりスキャンダルめいたことを言われてTVから追い出された綾野剛を、裁判勝訴ながら、この殺人教師をでっちあげられた役にキャスティングしたことに、制作者達の逞しさは感じさせられた。
でっちあげ週刊誌記事により綾野・先生を追い込むモンスター母親役が柴咲コウで、彼女の目力の強さから来る怖さが生きて、見事なはまり役の印象。ただ、自分には外国人の血が混ざっているという大嘘までついて、先生を追い込む、その理由が映画を見終わっても、あまり明確にならず、その点ではモノ足らなかった。片親で子供の面倒を殆ど見ない母親の元で育ったことや息子の教育が上手くいっていないことが遠因の様に描かれていたが、納得感は得られなかった。
週刊誌により実名を挙げて殺人教師と誹謗され、家の周りをマスコミに取り囲まれ、多大な恐怖を一般人の家族に与える展開には、まさに今も起きているオールドメディアの悪弊を炙り出し、えらく感心もさせられた。
尚事実としては、朝日新聞(西武本社)の記事が発端で、それを追いかけたのが週間文春で、元神戸新聞記者の西岡研介による実名を出した記事ということらしい。当時の編集長名は分からなかったが、シロという裁判結果が出ても、未だ謝ってもいないという週刊文春の姿勢には激しい怒りを覚えている。
映画に戻るが、その場をとにかく収めようとする教頭や校長の態度にはリアリティが満点。そして映画は言わば法廷劇となっていて、正義感を秘めた庶民的弁護士役の小林薫が良い味を出していた。スッキリとはいかない判決結果の受け止めを経ての、教育委員会によるいじめ的行為があったとしたことを撤回するというオチも、なかなか感動的であった。何より、三池祟史監督の優れた力量を知ることが出来たことは自分的には収穫。
監督三池崇史、原作福田ますみ、脚本森ハヤシ、企画和佐野健一、プロデュース和佐野健一、プロデューサー橋本恵一、 坂美佐子、 前田茂司、撮影山本英夫、照明小野晃、録音中村淳、美術坂本朗、キャラクタースーパーバイザー前田勇弥、音響効果中村佳央、編集相良直一郎、音楽遠藤浩二、音楽プロデューサー津島玄一、主題歌キタニタツヤ、助監督倉橋龍介、司法監修丸住憲司、司法・裁判監修坂仁根、制作プロデューサー奥野邦洋 土川はな 今井朝幸、キャスティングブロデューサー高橋雄三、俳優担当平出千尋、制作担当塩谷文都。
出演
薮下誠一綾野剛、氷室律子柴咲コウ、鳴海三千彦亀梨和也、大倉孝二、前村義文小澤征悦、
堂前髙嶋政宏、迫田孝也、山添夏美安藤玉恵、箱崎祥子美村里江、藤野公代峯村リエ、戸川東野絢香、橋本飯田基祐、氷室拓翔三浦綺羅、薮下希美木村文乃、段田重春光石研、大和紀夫北村一輝、湯上谷年雄小林薫。
今村昌平の遺したもの
ふたつの人間像をみごとに演じ切る綾野剛を堪能できる映画。「日本で一番悪い奴ら」で、覚醒剤を注入し、寄り目になってラリってくる演技に匹敵する名演。かつて、テレビドラマ「ハゲタカ」の鷲津役でアレッ(下手)と思ったことがあったが、あれは演出指導が悪かったのだと改めて確信しました。
ただ、劇中の裁判の過程では、モンスター夫婦(家族)の真実は明かされず、そのモヤモヤ感も伝えたいという映画の趣旨はよくわかりましたが、個人的に消化不良感は否めなかった。家庭内にDVはあったのか、子供を庇うために仕組んだのか、それとも金目当てなのか?500人の弁護団ってどの位金がかかるのか?
なにより、夫(迫田孝也)は、どこまで妻(柴咲コウ)のことを知っていて帯同しているのかがモヤモヤの極みだった。
それと、あのメガネの子をイジメていたくそ餓鬼に天罰が下ることを望んでしまった。
主人公の家族である妻と息子は、出来過ぎな程理想的だった。
監督は、三池崇史。
三池氏に加え「国宝」の李相日監督、脚本家の湊岳彦(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」等)、野木亜紀子(「アンナチュラル」「ラストマイル」等)など、現在(いま)の日本映画界・ドラマ界を席捲する方々が、揃って横浜放送映画専門学校・日本映画学校(現在の日本映画大学)の卒業生であることに驚きを隠せない。
この学校の創設者である今村昌平は、映画監督・ドキュメンタリー作家として日本を代表する巨匠であり、数々の傑作を世に送り出しているが(自分の好きな作品 : 豚と軍監、果てしなき欲望、赤い殺意、神々の深き欲望、復讐するは我にあり、黒い雨など)、一方で後進の育成にも尽力している。
三池監督は、「ホイチョイ的映画生活」(馬場康夫監督)のインタビューで、学校にはほとんど行かず、校内の映画館での名画上映会と講演(何と邦画は佐藤忠男、洋画は淀川長治氏が講演者)には行っていたとのことで、それでも卒業され、後に縁あって「女衒」と「黒い雨」で今村組に付いたことがあるという。
一方、李監督は、在学時から仲間を集め卒業製作作品の「青〜chong〜」で、ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを含む史上初の4部門独占を果たし注目を集めている。
今村昌平の遺したものは、途轍もなく大きい
リスク管理への自惚れが増幅した不幸
映画は豆腐のように柔らかい人柄の教師が銃弾のような生徒の母親に激突されるという形に図式化されていますが、校長が両親に安易に迎合して認めなければ新聞もコンファーム不足で書かず、それを踏み台にした週刊誌の実名顔P報道もなかった可能性を考えると、リスク管理に過剰に自身を持った人の傲慢さが深刻な犠牲者を出す教訓話と受け止められました
どんな職場にもおられるでしょう
報道が祭り上げるもの
何が真実で何が嘘なのか
見始めたら一人の教師の人生を
理不尽にぶち壊していく内容だった。
被害を訴える側を絶対視して、正義を
振りかざし相手を叩きのめす、この悪質な
手法は現代に残ってるのでは………。
毒親系ホラーでかなり闇深い。
柴咲コウさんがまるで人形でドールハウス
の人形よりドールっぽくて不気味。
綾野剛さんの演技の緩急は見事。
多面体演技は凄いと思う。
小林薫さんの物静かな演技が、途中から
救われて見やすくなった。
関わった校長や教頭は自分達の事しか
考えてないし、社会的に追い込まれ
報道が殺人教師に祭り上げていくのが
滅茶苦茶苦しいし、怖い。
そして、何より実話なのが残酷で恐ろしい。
せっかくの素材の良さが過剰な演出で台無し
事実を元にした映画なのに、わざとらしい演出でリアリティを奪ってしまうような場面が多々あり観ていてしんどかった。
映画の内容のすべてを「役者のセリフ」で説明するスタイルは本当に観ててつまらない。これくらい分かりやすく作らないと今のお客は観てくれないのかな。。
ただ主人公役の綾野剛さんの演技は凄く良くて、リアリティがあって良かった。「北の国から」の純くんみたいな感じで「心の戸惑い」やその人の持つ「本来の優しさ」などが伝わってきて、映画を観ていて(頑張れ)と応援したくなる感じだった。
しかし、それ以外のキャラの描き方はみんな弱く感情移入出来る人が全くいなかった。
登場する弁護人同士のやり合いも(相手を徹底的に論破し追い詰める!)といった覇気や緊張感も無く面白みに欠けた。
週刊誌の記者も(見た目)で観客を期待させときながら、記者という立場での正義を見せる場面などは無く、ただのモブで終わってしまったのも残念だった。
と、まぁ書き出せば不満の多い作品だったが、最後は彼の無実が認められて本当に良かった。
現実に起こりうる
怖い話。実話をもとにつくった映画。
恐ろしい😭
マスコミの破壊力は凄い
今はSNS等でも真実ではないことが拡散される
嘘も突き通せば真実になるのか😭
他人は信じれないのか。保身に走るわな笑笑
綾野剛さんの演技はもちろん、嘘を突き通す家族を演じた俳優陣、子役の子も良かった😀
亀梨くんや校長らはクズすぎたけど、おるんやろなあどこにも笑笑
けど怖かったな。感情がどこかにぶっ飛んでる感じで何を言っても通用しないんやろな。
木村文乃さんの夫を信じる姿勢、小林薫さんの弁護がみていて救われた😎
身の潔白は証明されたけど、失うものは大きい。
息子が教師にという部分は前向きに捉えるべきか笑笑
楽しく鑑賞ってわけではないけど、みごたえはあった。
無実の罪で裁かれる恐怖
相手の嘘だけがまかり通り、こちらの言い分は誰も聞かない。
やがて無実の罪で裁判が始まる。
相手の弁護団は約500人。
鑑賞中、弁護団500人は盛りすぎかと思いましたが、
観終わってから事実をベースにした物語と知りびっくり。
誰しも、これまでの人生で大なり小なり無実の罪で理不尽な思いを経験し、それを乗り越えて成長してきたと思いますが、この映画の主人公は冤罪で克服できない破壊的なダメージを負います。
こんな事が実際にあったと思うと胸が苦しくなります。
綾野剛、柴咲コウ、共に凄い演技でした。
冒頭の虚偽のシーンと、その後の事実のシーンのギャップが凄すぎます。
正義とは何か?
正義とは何か?
を考えさせられました。
氷室律子 自身の妄想世界
薮下誠一 真実を明らかにすること
薮下の妻 夫を信じること
校長・教頭 自己保身
教育委員会 組織の保身
マスコミ 販売部数•視聴率
医師 患者の利益
弁護士 依頼人の利益
柴咲コウさんの大きく見開いた開いた狂気の瞳と木村文乃さんの大きく見開いた優しい瞳が対象的で良かった。
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