でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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自分を信じてくれる人のために
このような場合、自分はどうするか思いを巡らせてみた。
クラスの子どもたちのためにも担任を続けることを選ぶか、それよりも自尊心を優先するか。
教師でもない私は後者を選ぶ。しかしながら、教師であり、生徒に愛着があればどうだろうか。。。
最終的に自分を信じてくれる人を裏切ることになるかも知れない、最初からそんなことまで考えることは到底できない。
自分に矢印を向けて考える強い人ほど、映画のような選択をしてしまうのではないだろうか。
演技力のある俳優を贅沢にキャスティングしたコスパの高い映画だった。
役者って凄いなと感じた映画
穢れた血
教訓:やっていないことは断固として認めてはならないのだ。
実際に起きた冤罪事件を元にした作品は、鑑賞するのに少々気後れしてしまうんですよね。冤罪に巻き込まれた気の毒な主人公を、上映終了まで見届けなければならないので、はたして救いがある結末なんだろうか? と鑑賞中ずっと気になってしまう。そうかと言ってオチを知った後だと面白さ半減なので、こればっかりは仕方なし。
我が子に体罰を振るったと、その両親から言いがかりをつけられた小学校教師が、マスゴミにも取り上げられたことから、その言いがかりはあたかも「真実」のごとく広がっていく。本来は教師の守護者であるべき校長・教頭からも無責任な指示をされ、致し方なく、主人公もその場しのぎの振る舞いを行うが、そのことで事態は後戻りできない状況に悪化していき…。
やはり冤罪に巻き込まれていく様は観ていて気の毒でしかなかった。彼の味方をしてくれる老獪な弁護士が現れてから、多少なりとも形勢逆転の目が出てきて、ようやく一息つけた感じでした。
さて作品的な演出として、言いがかりをつける両親の狂人ぶりが誇張されているものの、実際の当人はもっと普通に見える人だった気がするんですよね。でないと、大勢の弁護団が形成しての裁判まで発展しない気がする。だから怖い。
しかしもっとも恐るべきはマスゴミからネットに拡散しての「世間の声」。我が身を振り返りながら、安直に世間の声に同調しないよう心掛けるべきと感じました。
昨今、教師にまつわる事件が頻出していて、教師には分が悪すぎなので、善良教師と不良教師を線引きできる方策を立ててほしいところ。しかし学校の問題の関心って、自分の子供が卒業してしまうと途端に低くなりがちなので、その辺も難しいんだよなー。
謝罪の重さを痛感
実際の裁判を傍聴したことがありますが、当時の報道の様子や裁判が忠実...
鵜呑みにしない大事さ
綾野剛劇場
実話をベースにした「でっちあげ事件」の映画化。
“殺人教師”薮下誠一と、“教師に虐めを受けた子の母親”氷室律子、同じ出来事それぞれの視点から描くことで、観るものへ違和感を与え、後半の裁判では傍聴者として見つめさせる。
前半の描き方が、映画「怪物」にそっくりで、どうしてもノイズになり、ちょっと飽きてしまいましたが、後半の裁判での弁論や事実が浮き彫りになっていく様は面白く観ることができました。あの弁護士さんに出会えたことは、薮下さんにとって不幸中の幸いだったのでしょうね…。
終始全くカッコよく見えない綾野剛が良かったです。偏向報道や思考停止で受け止めてしまう世間の人々という、当時よりも更に悪化している昨今に訴えかける作品だと思います。
三池監督ぽさは抑えだな〜と思いつつ、必要以上に鼻血が出てたのには拘りを感じました。笑
キャストの演技合戦がすごい
実話に基づくストーリーなので、週刊誌や思い込みによって、加害者にも被害者にもなり得るので改めて考えさせられた。
綾野剛さん、柴咲コウさんの演技力が特にすごかったが、他のキャストも素晴らしい方ばかりで最後まで飽きる事なく見応えがあった。
是非色々な方に観て欲しい。映画だと思った。
初期対応が大事
感情を揺さぶられる作品
映画レビュー『殺人教師と呼ばれた男』
「教育」と「経営」は一見遠いようで、本質は近い。映画『殺人教師と呼ばれた男』は、学園内の腐敗と向き合った一人の教師の姿を描きながら、組織における“本当のリーダーシップ”とは何かを問いかけてくる異色の社会派ドラマだ。
物語の主人公・桐島は、暴力、いじめ、不正が蔓延る高校に赴任し、「教育は命がけで変えるものだ」と過激な指導を始める。やがて彼はメディアに「殺人教師」と報じられ、世間からは敵視される存在に。しかし、その裏には、生徒一人ひとりの未来を本気で考え抜いた“覚悟”と“責任”があった。
私は経営者として、彼の行動に強い共感を覚えた。結果を出すために嫌われ役を引き受けるリーダーは、時に誤解され、孤独にもなる。だが、長期的な視野で見れば、その厳しさが人を育て、組織を変える。短期的な人気取りに走らない桐島の姿勢は、noteに毎日理念を書き綴る自分自身の姿と重なった。
彼が生徒たちに配った“note”には、「お前の本音を書け。誰にも見せなくていい」とだけ記されていた。そこから生徒の心が少しずつほどけていく描写は、組織においても「安心して本音を出せる場所」の重要性を感じさせられた。結局、信頼は仕組みではなく、“人”と“想い”でしか築けないのだ。
結末では、彼の行動が数年後の卒業生の進路や価値観に大きな影響を与えていたことが明かされる。たとえその時理解されずとも、正しい信念は時を超えて届く——そのメッセージは、短期成果ばかりを追いがちな現代のリーダーにこそ突き刺さる。
この作品は、ただの学園ドラマではない。理念と信念を問われるすべての経営者にとっての、魂の鏡だ。
令和版「それでもボクはやってない」
よかったです。
綾野剛さんの、憔悴しきった様子や感情的になったときの演技、柴咲コウさんのサイコパスなモンスターペアレントの表情。
監督さんの強い意向からの演技ということもあったとは思いますが、熱演だったと思います。
また、事実に基づいた映画ということで、実際にあったことだと思うと、ゾッとしました。
もちろん、モンスターな親にもゾッとしましたが、社会が一体となってひとりの人間に「悪人」とレッテルを貼って潰していくことが、本当に怖かったです。
今の世の中でいうと、現状や将来に不安を抱えている人たちがSNSで「悪人」を叩くことによって「アイツよりは常識がある」「アイツよりはマシ」と思って、ひとときの「安心」を手に入れる。
「悪人」を叩いたところで、叩いた本人の現状は何も変わらないのに。
そんなことを思いました。
ただ、映画の脚色についてはちょっと気になりました。
昭和のマスコミのような取材、先生を守らない管理職…
先生を守らない管理職なんて、管理職失格です。
保護者の話を一方的に鵜呑みにして、それを事実と決めつけ、無理矢理認めさせ、謝罪させるなんてハラスメント以外の何物でもありません。
映画化するにあたって脚色するのはわかりますが、関西人風に言うと「話を盛った」という印象を受けました。
特に学校現場を映画でリアルに描くのは、なかなか難しいのでしょうね。
脚色については気になりましたが、全体的にはすごくいい映画でした。
まだ観ていない方はぜひ観てみてください。
オススメです!
嘘つきはモンスターの始まり。
ある小学校で起こった教師による体罰事件。我が子の為に戦う母親に対し教師は全てでっちあげだと反論。どちらが嘘をついているのか。全ては法定で明かされる。
誘導されるがままにテレビやマスコミを信じてしまう世間。そして一人の教師が自分の存在全てを否定されその流れの中に引きずり込まれてゆく様がテンポ良く描かれている。他の人物からの視点があっても良かったかなと思うけど、実話ベースということであくまで教師と母親の視点が軸になっている。その分ドラマ性は少し物足りなく感じたけど、それでも十分見応えのある内容だった。
薮下先生の10年後の姿がとても印象的で、50代という設定にしてはなんとも弱々しく老け込んでいる。たとえ主張が認められたとしても1度貼られたレッテルは一生付いて回る。その重荷は一体誰が背負ってくれるのだろうか。
前半のホラーに震える
同じく教育という場で働く者の端くれとして、前半のホラー味あふれる展開は、ホントにあと少しで退席するかってくらい、気分が悪かった(良い意味で)。
なんとか踏ん張って後半に入ると、ミステリー風の法廷劇に入って、ここからはワクワクしながら見終えることができた。
作中、この事件に至るいろいろな要素が散りばめられて登場するが、それが最終的に全てのウラを明かす方向に繋がっていくワケではなく、違和感のまま終わるのもまたいい味になっているし、これが現実にあった事件をモチーフにしている以上、その方が自然だろうとも思う。
ただ、冒頭柴咲コウ演じる氷室律子の証言のクダリを終えると、そこからは悪役がいかにも悪役然として登場し、最後までやっぱり悪役というのは、観ていてもうひと展開あるかな、と期待してしまった。
所々で是枝監督の「怪物」的な箇所もあったが、ホラーとしては圧倒的にこっちのほうがゾワゾワするし、メリハリが効いていて分かりやすいのも魅力。
後は役者たちが良い。
綾野剛、柴咲コウをはじめ、周りにも実力者が揃ってるし、小林薫の安心感ったら…。
ああいう保護者との対応で苦労した経験のある方には、ホントに胸に来る映画なので、作品自体の印象としては★4.0だが、私の評価は★4.5とさせて頂いた。
もう少し
当たりの方
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