でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価

全271件中、1~20件目を表示

4.0どんなホラーよりも恐ろしい

2025年7月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ドキドキ

実際にあった事件なので、結末は知っている状態で見た。
だからこそ、何が目的なのか、なんでこんなことをするのかがわからず、理解できない人を相手にする恐怖感がすごい。
この事件の被害者の方々を思うと、想像を絶するつらさだったんだろうなと、本当に胸が締め付けられるし、自分だったらと思うと怖すぎる。

柴咲コウさん演じる氷室律子側の視点では、氷室律子はごく普通の母親で、綾野剛さん演じる薮下誠一が極悪非道の教師。
しかし薮下誠一視点だと、真逆になる。
この構成は『怪物』と少し似ているなと思った。
しかし『怪物』とは違うのは、早い段階で真実が明らかになる点。そこからはもうずっとスクリーンに釘付けだった。

柴咲コウさんと綾野剛さんの演技合戦が凄まじく、お互いの視点での演じ分けも、見た目が同じなのに全く違う人に見える。
ふたりの迫真の演技も相まって、一層この事件の理不尽さへの憤りや、恐怖感が増した。

そして、この事件はメディアの責任も大きいことを描いている。
『フロントライン』でもメディアのセンセーショナルさだけを追い求め、真実と異なる報道の非道さを描いていたが、こちらの作品はさらに上をいくと思う。
メディアの持っているペンはナイフで、放つ言葉は銃弾だという意識を持って仕事をしてほしい。

また、カスタマーハラスメントやらモンスターペアレンツやらの言葉も市民権を得た昨今、明日は我が身かもしれないので、BtoCビジネスをしている人たちは、クレーム対応の初手がいかに大切かを痛感する作品にもなっていると思う。
そういう点でも気付きが多い作品だった。

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AZU

4.52003年に起こった実話。想像を絶する、決して他人事ではない「ダイナミックな法廷劇」。

2025年6月27日
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本作は、設定としては非常に難易度の高い法廷劇と言えるでしょう。
というのも、小学生が教師から体罰や自殺強要を受けたとして、週刊誌で大きく報道されて、実名報道で「殺人教師」というレッテルを貼られてしまうからです。
そして連日ワイドショーなどで大きく報道されて、裁判に賛同した全国の弁護士が500人を超える規模で集結し、大規模な「弁護団」を結成します。
その一方で、「殺人教師」とレッテルを貼られた教師の方は、自身の弁護士すら見つけられない状況で、裁判に臨むことになるのです。
「外堀を完全に埋められた状況」で、男性教師はどのように裁判を戦えばいいのでしょうか?
このような設定になっているので、本作の結末は明らかなように思えるのですが、実はタイトルにもあるように、本事案は「ウソで塗り固められた“でっちあげ”」だったのです。
つまり、原告の「完全に思えるほど外堀を埋められた状況」VS被告の「証明はしにくいけれど実際にやっていない」という、極めて被告が不利な構造が本作で描かれているのです。
始まってすぐに柴咲コウが演じる被害者の母親が宣誓し、供述を始めます。そのため、そこからしばらくは、「被害者の母親の供述をもとに描かれるシーンである」という点に注意が必要です。
また、裁判で訴えられているのは、男性教師だけでなく、管轄している「市」も一緒に訴えられているのです。
そのため、終盤の「判決」の際には男性教師だけでなく、管轄する「向井市」(ムカイシ)も登場するので混乱しないようにしておきましょう。
本作を見ると、誰もが被告になり得るような社会の構造が見えてきて、決して他人事ではない作品だといえます。

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細野真宏

4.0社会がでっちあげた。

2025年7月31日
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そもそも母親が躾ができずクソガキに育った子供を利用して自分の憂さを晴らすために嘘をついてひとりの教師を社会が陥れた事件。
まず学校の管理職が教育委員会やPTA、親に正面からぶつからず事なかれ主義が招いた、それを病んだ母親が週刊誌にリークして世間を巻き込むことになるのだがおかしいと思い声を上げたのはたった一人の母親。
金八先生の教え子や熱中時代の子どもたちなら先生は悪くないと庇う行動に出たし、それに親も同調しただろう。
陥れた要因のひとつにマスコミの報道があるが、ゴシップの記事を鵜呑みにして一方の嘘さえ真実であるかのように広まり、一個人が晒される社会は何としても変えなければならないよね。
ましてこの事件から20年以上が経ち、市民の全員がスマホでカメラを持ち歩いてる現代社会では、言い訳すら悪事に仕立て上げられてしまう。
一筋の光はと言えば妻と子供が最後まで信じてくれたことと正義の弁護士との出会い。
柴咲コウ演じる母親は怖かった。

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梅じんの相棒

4.0怖かった

2025年7月31日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

息苦しいくらい観ている自分も追い詰められた。
何となく、雰囲気でそう答えた方が早く終わる…みたいな空気の時、自分の思い考えとは違っても答えてしまうことがある。また、SNSの流れの中で間違いが真実みたいになる事がある。自分の身近にもあるんだろな…。本当に怖かった。

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ちくわまん

4.5佳作

2025年7月30日
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鑑賞方法:映画館

知的

チラシや予告で、殺人教師と呼ばれた男は実は…という構図ははっきりしてるのでネタバレにしませんが、それでも嫌だという方はご覧になってから読んでください。

最初に教師によるいじめを告発した母親の視点で始まり、後で同じシーンを教師による視点で繰り返し、全く違う話になっているという展開に、両者の違いの異常性を体感させる手法が凄いし、怖さを実感させる。
一方の言葉だけを鵜呑みにして、客観的事実を確認しないままその場をやり過ごす事がいかに悪手であるか、カスハラやモンペに対する認識が高くなっている現在もこのような事は起こっているのではないかと思わせる。
正直、最終的な爽快感は得られない。何故、このような訴えがされたのか、一部については、母親の叱責を逃れる為に子供が嘘をついたと理解出来るシーンがあるが、それだけでは説明出来ない。普通の弁護士物なら相手の事情まで明らかにする所だが、そういった親切さはない。それがよりリアルだったと思う。

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ギリカン

3.5死に方、教えてやろうか?

2025年7月30日
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なんでこんなことになっちゃうんかなあ。真実を伝えてくれない時のメディアの恐ろしさよ。細かいこと書くとネタバレになるので短めに。ただただ、柴崎コウの怪演がスゴい。「蛇の道」で見せたような氷の目でこっちを見つめてくる威圧感。あの家族は、その後どうなったのだろうか。

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栗太郎

4.5真実とは

2025年7月30日
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泣ける

悲しい

怖い

とんでもない保護者(モンスターペアレント)の訴えで人生潰されそうになる教師のお話。実話に基づいており、漫画化された作品を途中まで読んでましたが余りのえぐさに途中で放棄してしまった事を思い出した作品でもあります。穏便に謝罪した事が裏目に出てしまい、嗅ぎつけたマスコミに胡散草い正義をかざされて、私生活まで盗撮されるあり得ない展開に。主役の綾野剛さんはじめキャストの皆さんの演技対決迫力ありました。最後まで目が離せない作品です。ラストエンディングに流れる「なくしもの」にぐっと胸が抉られます。

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ひいちゃん

4.0情報が人を殺す。社会が作り上げる“でっちあげ”の恐怖。

2025年7月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

この作品は、単なる“事件の映画化”ではない。
情報の拡散が人を追い詰め、命さえ奪いかねない社会の構造や、職業的な正義と個人の尊厳がぶつかり合う瞬間を描いた、静かでありながら重みのある人間ドラマだった。

構成は章立てで、視点が切り替わるたびに視点が揺れることで「どちらが真実か分からない」という心理の追体験になる。
その不確かさこそが、この作品の持つ怖さであり、メディアや世間の“見方”がいかに人を決めつけ、消費していくのかを問いかけてくる。

綾野剛は、感情を抑えつつも徐々に心を削られていく教師の姿を丁寧に演じていて、目線ひとつで観る側の胸を締めつける。
柴咲コウもまた、激情と冷静さを行き来する繊細な芝居で、観客の判断を揺さぶってくる。
二人の対峙は、派手な演出はなくとも十分にスリリングだった。

そして、光石研の存在感が忘れられない。
出番は限られているが、彼の沈黙と表情には、言葉以上の重みがあり、何度も心をえぐられた。

この映画が描こうとしているのは、真実よりも「人は何を信じるのか」という問いなのかもしれない。

• 世界へ入り込む度:★★★★☆
• 感情ゆさぶられ度:★★★★★
• エネルギー消費度:★★★★★
• 配信でも観ます度:★★★★☆
• 人にすすめたい度:★★★★☆

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シネマ紳士

4.0モンスター教師かと思いきや

2025年7月29日
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鑑賞方法:映画館

あまり週刊誌もワイドショーも興味ないのでこの話自体ほとんど知らず、新鮮に観ることができた。
序盤からタイトルインのところまでがむしろ三池監督ぽく、そういう話かと思えば、、というのも良かった。
綾野剛さんも柴咲コウさんも両方のヤバい演技が良かった。
光石さんは小物うまい。小物ばかり見る。
モンペが話題の今は、当時とは逆にもなっているのかもだし、そのきっかけの一つがこのお話だったのかもと思えた。

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kawa

5.0これが現実に起きていることと思うと恐ろしい

2025年7月27日
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怖い

先に主張したもの勝ちになってしまっている世の中やちゃんと否定しないといけない時になぁなぁにしたツケが大きくなって返ってきてしまうんだなと考えさせられました。

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鈴木教平(すずききょうへい)

3.0ロッキー2な構成は成功。

2025年7月26日
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支持。
今こそ撮るべきテーマだ。
孤独な失意の男が
妻に背を押され
老コーチに導かれる
ロッキー2な構成は成功。
柴崎もだが
その旦那が相当に嫌だ。
綾野剛の激演、良し。
三池の老成は少し寂しい。
私達が子らを叱らぬ風潮は
案外最近からかも。

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きねまっきい

4.0原作には記載のなかった近況も

2025年7月26日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

原作はかなり前に発行されており、なぜ今映画化なのかという疑問があったのですが、いろいろ裁判が終わったからであることがよくわかりました。大きなスクリーンの必要性はわかりませんが、登場人物一人一人の立場になって、善悪やどのように行動すべきだったかなど考えさせられる素晴らしい作品だと思いました。

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ぬう太郎

5.0このニュースを見聞きした人は結果まで見るべき

2025年7月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

癒される

ずっと観ようか観まいか迷ったが、いつもニュースのホントのところは何も知らないで終わってしまっているので、知らなければいけないのじゃないかと思って観ました。
最初から綾野剛の演技が怖すぎて、信じてしまいそうだったけど、蓋を開けてみたらそうだったんだと、いつ自分や家族に降りかかってきてもおかしくない怖さを感じた。
誰かの嘘のために誰かの人生が壊れてしまう恐ろしさ、マスコミに踊らされたり、人の思い込みの怖さを改めて肝に銘じた。
今年一番観て良かったと思った。

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モーさん

4.0めっちゃ怖かったんですけど😱

2025年7月23日
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鑑賞方法:映画館

怖い

驚く

これってどこまで実話なの、めっちゃ怖かったんですけど😱
柴咲コウの表裏の演技、凄すぎる‼️
でもって、息子の演技もびっくり、結構大物になるかも😃

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タモン

4.5真実は小説より奇なり

2025年7月23日
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話題になった冤罪事件なのでどの様な仕上げかと思ったらそのまんまどストレートで『結局損したのは冤罪被疑者』だけという現実を突きつける作品

おもしろい

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tsigaa

3.5でっちあげ

2025年7月21日
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鑑賞方法:映画館

とても激しく過激なスタート
えげつな!
徐々になるほど真相はそういう事か…
それにしても学校の、校長、教頭の
対応は酷過ぎる!
ホントに現実にありそうな感じ…
現実の学校はもっと楽しいところやと
信じたい…

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nori

4.5SNSがある今、違う様相になっていたかもWith social media today, things might have looked very different.

2025年7月21日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

この映画の中で
1番のクズは校長だ。

ただ日常においては珍しい存在ではない。
面倒事を先延ばしにすることは
それを「する」か「しない」かの差でしかない。

個人的には、
主人公に謝らせて、
時間稼ぎと責任転嫁と
既成事実作りしていたのが
あまりにも見え見えだったので
ムカつきっぱなしだった。

主人公に
それを強いていた時の言葉が、
言葉ヅラだけは
もっともらしい響きで
それだけになおさら苛立ちが募った。

でもあんな事は残念ながら
日常において珍しいことではない。

それだけにこの映画の不気味さが
恐ろしいまでに迫ってきた。

これが実話を元にしているのも
いやはや・・・。

元になったルポルタージュを
読んでみようと思う。
P.S.
元のルポルタージュ読みかけているが、
校長や教頭は、もっとクズで、
件の両親も・・・・・。
呼んでいて胸糞悪くなる。
映画はかなりマイルドになっている。

In this film, the worst person by far is the principal.

But sadly, such people are not that rare in real life.
Putting off dealing with trouble is merely a matter of choosing to act or not act.

Personally, I was constantly irritated because it was painfully obvious that he was making the protagonist apologize just to buy time, shift blame, and create a fait accompli.

The words he used when forcing that apology sounded so superficially reasonable—
and that made it all the more infuriating.

But unfortunately, things like that aren’t uncommon in everyday life.

That’s exactly why the eerie tone of this film struck me as so disturbingly real.

And to think this was based on a true story…
Honestly, it’s chilling.

I think I’ll read the reportage it was based on.
P.S.
I've started reading the original reportage, and the principal and vice principal are even more despicable.
As for the parents involved... well...
The more I read, the more disgusted I feel.
The film is actually quite toned down in comparison.

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新米エヴァンゲリスト

2.5イマイチ

2025年7月21日
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盛り上がらなかった。
淡々と進行して終わる。

柴咲コウさんは何処からどうみても柴咲コウ。
美人役者としては損な美人。
実話ということだけど美人すぎて実話っぽく見えないというか。

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kazu565

4.0胸のすくようなドラマじゃないけど

2025年7月21日
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鑑賞方法:映画館

法廷ものが大好きである。
地道に集めた証拠の積み重ねで相手方の論理の隙をついたり、あるいはたまたま発見された証拠が状況を大逆転したりするのが心地よいからだ。フィクションであれノンフィクションであれ、そこにはドラマがある。
しかしこの作品は胸のすくような結末にはなっていない。事実に基づいているからでもあるが、制作の意図が観客をスカッとさせることに重点を置いていないからだろうと思うのである。
三池監督が本当に描きたかったのは、報道のあり方や学校制度のあり方への疑問ではなかったかと思う。さらに言えば、虚言が簡単に事実としてまかりとおってしまう世の中を指弾すること。嘘を発することは容易いのに、嘘を嘘と証明するのは時間がかかる。要するに「言ったもん勝ち」の世の中。その陥穽に嵌まらないために、私たちはどう身を守ればよいのか、考えさせられる作品だった。

あと、この作品を観ようと思ったのは、
「湯上谷弁護士を演じた小林薫が父さんにしか見えなかった」と、息子からLINEが来たからである。確かに最初の登場シーンは私の外見や動作に似ているかも知れない笑。

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ROKUx

5.0すごい

2025年7月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

ドキドキ

綾野剛の演技がリアルで怖かった、、実際の事件との事で興味を持ち色々調べ、驚愕した。冤罪の無い世の中を願う。ぜひ見てほしい。

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ささき
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