でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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これが実話とは…
【再現VTR】これなら世界仰天ニュースで良い
題材となった事件の概要を把握してから鑑賞。
三池監督は当たり外れが大きいが、実話を元にしたのであれば、悪癖の出る余地が少ないはずだと期待していた。
結果は、ただ事件をなぞるだけで制作側が独自に描きたかった事を見出せず、それに伴って鑑賞側の解釈も広がらない、再現VTRのような2時間だった。
ただし、同伴者や周囲の反応を観るに、映画だけでは事の顛末が分かりづらい人もいたよう。
期待通り、三池崇史監督の悪ふざけが顔を出さなかったのは幸い。
本作を観た誰もが連想するであろう是枝裕和監督・坂本裕二脚本の『怪物』は、この事件に着想を得たのではないかと思うぐらい、「子供が保身のために吐いた嘘によって、無実の教師がいじめ加害者にされる」といったプロットが似ている。
ただし、今回は物語(事件)の核心部分が子供にではなく、柴咲コウ演じる母親にあるという点が大きく異なるのだが、そこが深く掘り下げられない。
実際にあった事件を題材にする場合、どこに面白さが生じるかと言えば、そのディテールの掘り下げであろう。
分かりやすく例を上げれば、『冷たい熱帯魚』の犯行方法や主犯格のキャラクター、『地面師たち』の騙しの手口などだ。
今回で言うなら、柴咲コウ演じる母親の動機や家庭の様子(主に子供への接し方)、弁護団の法廷戦術、そして何よりも原作であるルポルタージュを執筆した福田ますみ氏の取材方法がそれにあたるであろう。
※本作では福田ますみ氏にあたる記者は登場せず、真実を究明する役割は小林薫演じる弁護士に集約させている。
そもそも、その核心(動機)自体が身勝手極まりなく、とても共感を得られるものではないために、綾野剛演じる教師にしてみれば、異常な人物に絡まれた不運かつ理不尽な出来事であったという他ない。
元となった時間は2003年に発覚しているが、冤罪モノで言えば、2007年には『それでもボクはやってない』が公開されているし、マスコミによる"いきすぎた報道"は幾多の映画で演出されてきた。
今なら間違いなくSNSが絡んで来るであろうが、映画はあくまで当時の出来事として描いている。
つまり、現在に通じる普遍的かつフレッシュなテーマや視点は存在しない。
そのため、やはり柴咲コウ演じる母親の異常性を掘り下げでもしなければ、2025年にこの題材を映画にする事で何を伝えたかったのかが分からない。
(母親の幼少時代とオーバーラップさせて、それが一体何になる)
言わずもがな、教師の方の無実が証明されたのは何よりだが、事件のあらましを伝えたいだけなら、本作よりも10年早く『世界仰天ニュース』で観られれば良かった。
最後に…
GAMECUBEやPlay Station2をこれ見よがしに登場させるなら、柴咲コウ演じる母親の自宅のキッチンと亀梨和也演じる記者のサングラスは時代考証的におかしい。
円熟期に入った綾野剛の演技に+星1つ
暴力教師なのか? モンスターペアレントなのか? どちらが真実なのか、全く分からない作品。 本年度ベスト!!
綾野剛さんの演技に釘付け!
登場人物の目線により綾野剛さん演じる教師、薮下の真逆な感じの演技に引き込まれた!
生徒に体罰をする薮下。
家庭で妻に優しくされる薮下。
裁判で戦う薮下。
色んな薮下が満載(笑)
あんなに弱々しい綾野剛さんを今まで観た事が無い(笑)
生徒に体罰をしたか?
していないのか?
で裁判で争う姿を表現した作品。
体罰を受けたと言う生徒の母親。
体罰をしていないと主張する先生。
それぞれの目線で物語が展開する感じ。
鑑賞中、どちらが真実なのか解って来るけど500人以上の弁護団がモンスター過ぎる(笑)
弁護士の500人対1人の戦いが面白く引き込まれる。
(実際には500人の弁護団は登場しないけど…)
小林薫さん演じる薮下の弁護士の湯上谷が冷静沈着に原告の弁護団に立ち向かう姿がカッコ良い!
亀梨和也さん演じる雑誌記者がクソ。
何でマスコミって映画では毎回クソ扱いなんだろう(笑)
学校の校長や教頭もクソだった。
あんなクソ学校に子供を通わせたく無い。
だけど薮下の監視役の女性教師のセリフが良く薮下の人間性を表現した言葉が印象に残る。
柴崎コウさんが怪演過ぎる!
終始無表情な姿が恐ろしかった。
個人的に良かったのが薮下の妻を演じた木村文乃さん。
美しい姿と夫の薮下を守ろうとする演技がマッチして素晴らしかった。
そして薮下の息子さん。
あんな事件があったのに父と同じ道を選んだ決断が素晴らしかった。
薮下の奥さんが残念無念。
旦那に献身的だったのに、まさかの展開に泣ける。
タイトルの出るタイミングがベタだけど、鳥肌が立ってしまいました( ´∀`)
これは今生きている世界の映画
これは事実に基づく映画
怖い映画
私たちが今生きている世界が怖い世界という意味で
事実はひとつ
では真実はどこにある?
これほどに違って見えるのか…
小さな妥協で世界が一転する
自分にとっての真実のことばが誰にも届かない
自分の一つひとつの行動が他人には全く違って映る
人は自分にとって心地よい真実を受け取る
できるだけ揉め事を起こさないように…
時に他人を蔑むことで優越感に浸リたくて…
あるいは偏った正義感に陥って…
きっと私もそのひとりなのだろう
無自覚は罪だ
驚き、怒り、諦め、そしてまた誰かの支えでやっと希望を見出す
全ての感情がまるで自分のものであるかのように襲いかかる
その表情とともに瞼に浮かぶ
今も薮下先生の日常は続いている
雲は晴れないのだろう
それでも一人息子が教師の道を選ぶ
唯一の希望だ
綾野剛の役に向っていた時間を思うと心が苦しくなる
一ファンとして涙が止まらない
番宣や雑誌のインタビュー、イベントで晴れやかに微笑む彼の姿にホッとする
素晴らしい役者です
何だったんだろう
綾野剛演じる 薮下先生がサイコキラーな話を期待してたんですが、違いました。
監督が三池崇史だったのに普通ちゃ普通、抑えたテンションの作品。
柴咲コウのモンスターペアレントがとても怖かった。
見える子ちゃんの 善くんのお母さんのよう(笑)
なんでもそうだが裁判沙汰になりそうなことは自分に非がないと思ってたら迂闊に謝罪してはいけないて言うことなんですけど、その場を上手くやり過ごすならと気安く認めてしまうと相手によってはね。て事か。
学校って大変なとこやね、とても職業には選べません。
裁判では相手側の請求が棄却され、薮下先生に賠償請求はされませんでしたが体罰はやったことにされ、その冤罪がはれるまで10年の月日を要したとはね。
その時、木村文乃扮する奥さんはどうもお亡くなりになられてたみたいでやるせ無いです。
演者は豪華絢爛、誰もが知る人ばかりが出演してますけど、なんだか無駄遣いな気もしないではないです。(笑)
こんな世界
悪徳教師が追い詰められていく典型的な勧善懲悪モノだつたら、スカッとしたんだろうなと思う。
でも、そうはならない。
完全なフィクションではなく、ほぼ実話に沿った話だから。
上役に強いられ謝ってしまう冤罪の教師も、母親の縛りのなかで教師のせいにして難を逃れようとする子供も、事なかれ的に教員に謝罪させて保護者の機嫌を取ろうとする校長や教頭も、記事が盛り上がる方向に話が進むことを望み煽るマスコミも、報復が怖くて証言できない者たちも、理解できなくはない。
ネグレクト環境で育った母親が妄想と現実を取り違えるのもあり得ることだと思う。
安易な推測に走る者もーー実際、私も映画の序盤では教師に憤ったことは否めない。
視覚的に子供が被害に遭うシーンを観せられた影響は大きいが、仮に雑誌やニュース報道だけだったとしても、公平な立ち位置を取れたとは思えない。
ただ、現実はこんなもので、こんな世界に生きているんだなと認識させられる。
玉ちゃんお願い!薫さん頼む!!
ってずっと思いながら観てた。
2003年福岡市の小学校教師が、担任児童に
「自殺強要」や「凄惨な暴力」でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、マスコミに実名を晒され「殺人教師」と報じられた事件。
ノンフィクション作家の福田ますみ氏が、
現地で取材を重ね、この一連の事実は児童両親による「でっちあげ」だった事を明かした著書『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を元にした、実話が原作という、衝撃的な真実を知ったのは、実は鑑賞後でした。
事件自体も知りませんでした。
(アタシ何してたん??)
正に「真実は小説より奇なり」
とりあえず、、、
何が何だかわからんのです。
え?え?どう言う事ですか?!
どーしてこんな事に?!
薮下先生同様に、状況が掴めないままどんどんと、恐ろしい渦に呑み込まれていきました。
薮下誠一という、いち教師が、アタオカ律子夫婦の"何らかの"ターゲットにされてしまった事が地獄の始まりではあるが、学校も教育委員会もまるで機能していない事に唖然とした。
いくら保護者の声の方が強いと言ったって、あんなにショッキングな申し出に対し、学校側が何の調査もしない事なんてあるのかと信じられなかった。
否定する薮下先生の主張を鵜呑みにせず、
疑問を持つ事は大事だと思うけど、それならば、生徒や副担任(?)の証言なんて早急に取れたはずだし、何でそこを怠ったのか理解出来なかった。
謝罪するって事の意味。。
わかってますか(°▽°)
20年以上も前の事ですが、、、
学校も教育委員会もそんなに無能なんですか??今も?!?!
オソロシスギテ_:(´ཀ`)
そして。。
事実に基づく事件だし、薮下先生は正に
「でっちあげ」られた被害者でもあるので申し上げにくいのですが。。
自分から時間の変更をしたにも関わらず、
しらばっくれてる律子の言うがままに、あんな遅い時間に家庭訪問に行くなんて軽率過ぎて。。
だから何でも言う事を聞く教師ってロックオンされちゃったんじゃないのかね(°▽°)
やっていない事は断固として否定しなければいけないし、毅然とした態度で立ち向かって欲しかった。
流されてしまう薮下先生の姿を見るのは辛かった。
"患者の利益になる事が大事"だなんて、それっぽい事を言っていたが、適当にPTSDの診断を下した医者にも怒り心頭だし、マスコミもやっぱりマスゴミで。。
TVから垂れ流される情報を鵜呑みにして騒ぎ立てる世間にもうんざりだった。
それにしてもここまで孤立してしまう薮下先生が不憫すぎた。
家族以外で声をあげてくれる人はいなかったのでしょうか。。
(子供想いの良い先生に見えましたけど。。)
薮下先生の代理人が中々見つからなかったのも事実なのか。。
こ〜ゆう時にこそ!な仕事ではないのか?!
そんな弁護士は弁護士を辞めてしまえ!と思ったし(フロントラインだ)
500人越えの弁護士チームって何なの?!
結局何も機能してないじゃん。
あの!!殺人教師の被害者の弁護を担当したんだよ!って言いたいだけのヒトビト??
(せっかくの北村さんもアレじゃただの
500分の1)
律子の過去には同情するが、彼女も旦那もモンペなんてもんじゃないサイコ野郎で、、、
そんな親に育てられた拓翔もある意味被害者。
親ガチャって言葉が重くのし掛かります。
律子は一体何がしたかったの??
裕福そうだったけど?
お金目的なの??
分からんデス(°▽°)
で、今ものうのうと何処かで暮らしているんでしょう??
何なの_:(´ཀ`) わからんデス。。
この事件を知らなかったので、律子、薮下、
2人共が、信じられない語り部なのかと身構えたが「事実を基にした作品」と言う事が引っかかり、ここは真実か?脚色か?どっちなんだい!!って、筋肉に聞きたい位、そんな事ばかり気になった。
(私からしたら全部が全部アリエンティ)
実際に、衝撃的な内容と綾野柴咲の怪演で目が離せなかったのは事実だし、薮下先生の恐怖を追体験出来ましたけど。。
主軸が強烈なんで、起きた事をシンプルに伝える作品でしたが、知りたかったのは全てにおいて「何で?!」だったの。
結局分からずじまいって事なんですかね。。
これだと「こんな事件がありました」って事以外、外枠は新鮮味のない描かれ方だったので、何処かで見たよ〜な。。って思ってしまいました(°▽°)
いつもの三池監督の派手な空振りを期待していた所もありましたが、三池監督なのに抑えた演出で意外でしたし、いつもの感じより好きかもでした。
法廷内で「子供にこんな事させて!」と怒りが溢れ出てしまう姿や、拓翔がPTSDで苦しんでいなくて良かったと安堵する姿は、薮下先生という人物の本質が表現されていて、何とも言えない気持ちになった。
あそこでも、ここでも!
軌道修正出来る場面が何度もあったはずなのに、ど〜してこんな事になってしまったのか。。
悔しかったです。
そしてこうやって、冤罪って、生み出されてしまうのだと知ると、誰にでも起こり得る可能性もあるのだなと、人ごとじゃないなと、考えさせられました。
ただ。。
昨日観た「脱走」の方が喰らったカモ。
迫田さんが黒すぎて黒すぎたのと、
「フロントライン」に続き、アイラブみつけんさんが又またこんな役で辛たん_:(´ཀ`)
よく笑顔で退職出来んな!(°▽°)
薫さんは大好きなので見れて嬉しい♡
とりあえず、柴咲コウの
"答えたくありません"と
"バストン"が、もっかい聞きたいw
あ〜又ふざけちゃったよ皆さんの眉間に皺が寄るのが見えてきますごめんなさいでもちゃんと感じましたよ。
明日はF1!!
本当にあったと思うと…いつ自分が!
味方だと信じていた人たち〜怒りや哀しみを超えると笑いになる?
2025年公開、配給・東映。
【監督】:三池崇史
【脚本】:森ハヤシ
【原作】:福田ますみ〜『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』
主な配役
【殺人教師疑惑? 薮下誠一】:綾野剛
【教師にいじめられた? 氷室拓翔】:三浦綺羅
【拓翔の母 氷室律子】:柴咲コウ
【薮下の弁護人 湯上谷年男】:小林薫
そのほか、木村文乃、高嶋政伸、小澤征悦、安藤玉恵、
美村里江、光石研、北村一輝など
1.第6回「新潮ドキュメント賞」受賞作
つまり原作は、ノンフィクションということになる。
地名だけ、映画独自の架空自治体「向井市」とした。
ノンフィクションだから、結末を変えたりはできにくいだろう。
◆リアリティ
◆伏線張りまくりの展開でどれだけ引っ張れるか
◆俳優たちの演技
が肝になるかな、と考えたりする。
自分の言い分を通すために、
マスメディアを利用し始める拓翔の両親。
いとも簡単に利用されちゃうメディア。
視聴率とれたら何でもok!
他局(他誌)が扱うならウチも!
このマスコミも怖いが、
◆味方だと信じていた校長
◆市教委
これらに裏切られ続けの前半部は、
胸が苦しくなり、怒りが湧き上がり、哀しくなり、
そして、
しまいには、笑えてきた。。。
事実は小説よりも奇なり
この校長も教育長も、実在したのだろう。
柴咲コウに魔力でもあるのか?!
校長に催眠術でもかけたのか?!
いや、これはノンフィクションだ。
と自分に言い聞かせる(笑)。
自分だって、被害者いや加害者になる可能性もあるのだから。
2.綾野剛、柴咲コウ、三浦綺羅
この3人は、「真」と「偽」二通りの役柄を演じる。
3人ともに素晴らしい。
小林薫の弁護士役もとても良かった。
スクリーンを通じて、観ていたこちらに安心感がうまれたほどだ。
3.まとめ
原作者や脚本家に対して、礼を失するかもしれないが、
◆「事実に基づく映画」
にしたことが、なんとなく惜しまれる。
製作陣、俳優陣、
このメンバーが揃えば、
もうひとひねり、ふたひねり、
背筋に鳥肌が立つような作品を作れたのでは?
と思ってしまった。
※追記
10年後、
あえて、遺影も仏壇も映らない画角で、
チーン、と鈴をたたいて出勤する薮下教師の姿に
ウルウルしてしまいました。
☆2.5
オールドメディアの大罪と木村文乃の愛
他人事では済まされない、身近な恐怖
普段は日常に埋もれて静かに眠っている狂気があることをきっかけに目覚め、瞬く間に取り返しのつかないレベルに達してしまう
集団心理と同調圧力の国・日本に起こりがちな事件であり、誰しも巻き込まれる可能性を持っている
実は自分も前職で似たようなことがあった
事の重大さは比較するのが恥ずかしいほど小さいものの、自分に非は全くないのに周囲から責められ続け、人間不信に陥りそうになった(他にも色々あって一年半ほどで辞めてやったぜ!w)
そんなわけで共感しながら観ていたけど、この映画が凄いな~と思ったのは結審の瞬間まで心のどこかで疑ってしまうところ
(※このレビューは「ネタバレ」にしているので読んで頂いている方は観賞後だとは思いますが、もしこれから観る方がいらっしゃればギリギリまで双方を疑うことをオススメします)
ストーリーは法廷内か回想シーンが多く、過剰な演出などもなく淡々と話が進み、じっくり考えながら観ることができてとてもよかった
欲を言うと氷室家内の描写はもう少しほしかったかな
ただ、律子が学生時代を思い出しながら答弁するシーンに彼女の事情が凝縮されているのかな、とは感じた
キャストは、これ以上ないくらいの好配役!
中でも特筆すべきは綾野剛さんと柴咲コウさんの名演!
薮下先生役は綾野剛さんじゃないと成り立たないんじゃないかな、とさえ思った
自分の大好きな悪役No.1の小澤さんも、出番は少ないけど期待に違わぬ存在感で満足(笑)
最後に
この話は目に耳にしていたかもしれないのに全く記憶になかった
そして、もしかすると自分もその当時「ひどい教師だな」と感じていたかもしれない
そう思うと、情報というものはできるだけ多方面の角度から見ないといけないものだと改めて考えさせられた作品だった
【追記1】
観賞後数日経ち、当時の事件の検索などもしていたら記憶が甦りました(遅すぎ…)
やはり自分は当時「ひどい教師」だと感じていたこと、その後の展開に違和感を覚えたことも思い出しました
そして、『モンスターペアレント』と言うワードが世間に流布するようになったきっかけの一つがこの事件だったように記憶しています
一つ気になるのは、その時の違和感の原因は何だったのか…これから時間をかけて自分に問いたいと思います
【追記2】
どうでもいいことなのでレビュー本文には書かなかったけど、着ていった服が拓翔くん登場時のものと若干被ってしまい、ちょっと恥ずかしくて終演後最後まで席立てなかったチキンヤローなのでしたw
綾野剛と柴咲コウのバケモノ演技力タイマン勝負
…とは言いながら、バイプレイヤー陣も充実。個人的に最高だったのは、クライマックスで原告の主張が瓦解した瞬間からの原告代理の表情。いかにも有能そうなイケメンなだけに、混乱を抑え込んで(多分自分でも敗北を承知している)無理筋な主張で、職務を全うしようとする様は感動的でさえある。虚実も時間軸も複雑に往還する構成は少し分かりにくい部分もあったが、動きの少ない法廷物を飽きさせない工夫か。監督得意の暴力要素は抑えられているが、その分、マスコミや「空気」による支配の重苦しさは全編を通して伝わってくる。10年後の主人公の老け込みようは、とても勝訴した姿とは思えない…。そんな彼の前を横切る10年前と変わらぬ「2人」の姿の鮮烈さ!実話由来ゆえにすっきりしない結末を見事にぶった切るヴィジョンだった。
恐ろしく酷い実話だが、想像を超えてこない
実話を題材にした想像を絶する話。
これが我が身に降りかかると考えると、これほど恐ろしいことはないのだが、現実には十分にあり得る話であって、映画としては特段、目新しさを感じることは出来ない。
描き方も三池監督にしてはオーソドックスで、視点を変える演出もありがちで、我々を驚かすものではない。
亀梨和也や木村文乃など、豪華な脇役陣もキーパーソンになり得ず、ただ物語の進行上の役割しかなく中途半端である。
綾野剛の絶望と柴咲コウの狂気が2大軸も、非常にバランス良く描かれ過ぎていて映画として弾けていかない。
絶望に特化して見せることで、より狂気を浮き彫りにするか、逆に狂気を特化することで絶望を浮き彫りにするのが、実話を脚色する妙なのだと思うのだが。
こんな酷い話が現実にありました的な映画になっていて物足りない。
みんな主観で生きている
昨日観た作品ですが
今この時間になってもずっと心に重く残る作品でした。
パラレルワールドではない。同じ世界線で生きている人達なのに、視点が変わると全く別の物語になっている。
なのに、どの人物にも矛盾した行動や言動は一切ない。
自分の裁判の有利不利よりも、
PTSDの疑いが晴れた児童の身を案じて胸を撫で下ろせる
教師が、「殺人教師」と言われ恐れられ、迫害される。
子供を自分の命よりも大切にしている献身的な母であることで己を保てている母親は、子供にプレッシャーを与え、うそをつかざるを得ない状況に追い詰めている。
誰のことも責められないし、だれのことも迫害できない。
人の数だけ悪者もいい人も存在する。
そして、いったいどこからどこまで、
でっちあげたという自覚が母親にあったのか……。
この映画をみた私にとっては、
みんながみんな、保身のために動かざるを得なかった被害者であると感じました。
当事者でもないのに、家の壁にイタズラ書きをしたり、雑誌の情報を鵜呑みにして罵詈雑言を浴びせる観衆が、1番悪者だったとも。
観た後に怖さが持続する良質なホラー映画に似た恐怖
よくこれ、映像化したなという驚き。
いわゆるモンスターペアレンツによる、嘘と言いがかりとでっちあげの冤罪によって、一人の教師が追い詰められていく姿が描かれており、吐き気すらしました。
ホラーとサスペンスを得意とする「ヴァイオレンス映画の匠」三池監督の技量と、柴咲コウのサイコパス演技によって、もはや恐怖映画のレベルまで上がっていたような。
また、亀梨和也が(文春のN記者に相当する)「週刊春報」の鳴海記者を演じていて、その信じられないほど裏取りしない記事の書き方や、誠実さのないチャラさを浮き彫りにしていて、腹立たしさを伴いつつ、また怖さを感じました。
もしもこの彼ら(原告の両親と子供)が本当に危ない連中だとしたら、(映画本編にもセリフとしてありましたが)今どこでどうやって生きているんだかは、知りようがないわけで。
またどこかで冤罪を生んでいるんじゃないか、もしも生活圏に彼らや、彼らに類似した存在が出現したら?と想像してしまったら、現実世界も怖くなりました。
質のいいホラー映画を観た後と、同じような効果がありました。
と同時に、当時教師へ謝罪を強要した元校長や教頭、教育委員会の連中は何ら処罰されておらず、また教師に対しての謝罪も補償もされていないようなので、理不尽だなと思いました。
ただし、この映画はやはりエンタメとして演出されていることには留意が必要かと。
直近公開だった『フロントライン』と同様に、徹底した取材によるドキュメントを下敷きにしていても、ある意味「善悪を二極化した創作物語」であり、捏造を生んだ親子や文春の悪意が強調されているわけです。
観終わってからググって、裁判の判決文などもろもろ読んでみまして、その結果から考えれば、原告の母親と子供が嘘をつき、冤罪を生んだことは明らかではあるものの。このとおりだったかは裁判に関わった当事者しかわからないわけで。
映画を事実として一方的に信じてしまい、この親子や文春を改めて叩くのは、当時のマスコミを一方的に信じて教師を叩いた大衆の行為と何が違うのか?
一市民としては、安易にネットや報道を信じたりせず、裏取りをされていない証言を鵜吞みにせず、一方的な正義を振りかざしてリンチをする側に回らず、陰謀論などにもはまらず生きることが大事かなと。
他人の不幸を見て「叩いていい相手」と思い、娯楽として炎上に加担するのって、正直ドン引きするレベルで醜悪ですよね。
SNSでは本作を指し、「オールドメディアだから、マスゴミが悪い」みたいに言う人もいますが、メディアがSNSや動画に代わっても、裏取りをしないで無責任に噂やフェイクを垂れ流すのは一緒。
インフルエンサーこそ、本作の鳴海記者と何が違うのか、一番信用ができません。
むしろ、気軽にでっちあげできるツールが増えていて、危険度は以前より上がっていると思いました。
今後も、遠くの真偽のわからない事件に踊らず、自分の目の前にある問題や生活、家族に集中して生きていきたいと思いました。
胸糞悪い
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