でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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見応えしかない。実力派揃い 子役たちも含め臨場感!!
演技派豪華俳優陣で凄かった。物凄かった。引き込まれ続けた。何となく結末を知りながら見たものの新しい感覚、終わりまで1秒たりとも飽きる隙のない作品でした。
プロモーション(ヴァイオレンスぽい描写、と追い詰められる人間描写のくり抜き)と三池監督の映画とゆうことで嫌煙している方がいたらその想像はいい意味で打ち砕かれます。社会性のメッセージも高い作品。ぜひ見てほしい。
子役の綺羅くんも良かったですね。予告にも映ってましたが綺羅くんの後ろの席クラスメイト役の女の子も綾野剛と綺羅くんのやり取りを“見てはいけない”ような雰囲気があったり教室の異状さが伝わってきて息を呑みました。
緊迫の中、所々面白要素がシレッと入っていた気がしたのは私だけ?
埼玉県では上映時間が少ないのは勿体ない。
なのにパンフレットは売り切れてた(泣)
もう少し違う視点からのプロモーションを上映してる間に作った方が良いんじゃないかと!もう一度じっくり見たい作品になりました。
ノーが言えない人間の末路
生徒に凄惨な体罰を行ったとして、小学校教諭である藪下が懲戒処分となった。しかし、事実はそれと反するものであり、藪下は弁護士や家族と共に法廷で真実を明らかにしていく。
本作は、福岡市で実際に起こった事件を基に作られた作品らしい。そのため、リアリティー性は抜群で、人間関係の生々しさはこの上ない。
はじめに、被害児童の母の視点から供述が行われる。これだけを観た観客は、とんでもない暴力教師だ、今すぐ辞めさせるべきだと感じる。しかし、その考えはストーリーが進行するにつれて、瓦解する。藪下が出廷するシーンが2度あるが、被害者側の供述を聞いた後と、双方の供述を聞いた後で、全く同じシーンがまったく別物に見える。これは、実際にこの事件が起こった当時の見え方そのままなのであろう。
本作の持つメッセージとしては、モンスターペアレンツの登場、責任ばかりが問われ立場が弱くなっていく教師という職業の過酷さ、マスコミなどが流す不確定な情報による印象操作の脅威など、ノンフィクションであるから、感じとることはそれぞれでいいと思う。
私はここで、自身の公務員としての観点から、問題が起こった初期の段階に注目し、藪下がその場しのぎのために、事実と反することに概ね同意してしまったことの重大さに言及したい。
それは、半ば誘導尋問のような最初の保護者説明会である。あのような公の場で安易な回答は控えるべきであった。当然悪いのは、でっちあげた被害者なわけであるが、公務員として職務にあたる上で、このような人物にも対応する必要がある。校長や教頭にしっかりと弁明し、ここで毅然とした態度をとるべきであったのだ。
本作を、こんな悪質な冤罪事件があったんだなくらいに俯瞰できればいいが、世の中にはこのような人物と常に相対さなればならない人が一定数存在する。その人にとっては、本作の持つメッセージは、別のものとなりうるだろう。
ドールハウスより怖ろしい
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冤罪の怖さを見せつける映画でした。
私の近くにも「他人を傷つける真っ赤な嘘を、真顔で確信的に言う人」がいました。また同様なスタイルでセクハラ・パワハラ告発として会社の人事部に訴える人は後を絶ちません。
波風立てないことを最上とする、部下を守ろうともしないいい加減な上司(校長・教頭)、超いい加減な権威者(精神科医の先生)、妄信的に正義感を振りかざす一方的な豪腕者(マスコミ報道者)は、世間に山のようにいます。
常に冷静に事実を見つめる姿勢を保ちたいと心から思いました。
構成・脚本は見事だったと思います、この映画。冒頭の10~15分の映像の後から「教師が悪くない」という展開にどうやって持っていくのか皆目想像できませんでした。
ただラストの10~15分は余計だったと思います。裁判終了から数分で閉める(その後の話はナレーションにする)ほうがあっさり感があって良かったのかもと思いました。
面白かった!
素直に面白かったです。
面白かったって表現はどうなのかとは思うけれど、
どうなるの?というドキドキ感はすごかったです。
そして驚いたのは、Wikipediaで調べると、かなりの部分がノンフィクションだということです。
綾野剛先生の人の良さにつけこんでの、一方的な周りの押さえ込みが酷い。
一番悪いのは、柴咲コウさんよりも、校長と教頭だと思いました。
こんな管理職にあたると不幸ですね。
親の意見を鵜呑みにするだけでなく、何故?を聞いて、
もっと守ってあげればいいのに。
マスコミもただただ面白がって、報道するその姿勢は2003年も今も同じなのかな。
あの夫婦は、お金が目当てなのですかね?
悪の権化は何も罰を受けず、綾野剛さんが傷ついただけというのは切ないと思えます。
映画としては、
三池監督らしい、スピーディーな展開が良かったです。
tiktok好きな若者層にも受けるのでは。
薮下さんの奥様は?
最初、氷室律子が話した際の担任薮下の態度100%あり得ない、未知数の保護者に対して初対面であんな尊大な教師なんていない。
次の薮下の言う話は、今の教師そのものでよく調べているなと思うくらい自然に入って来る。こちらが正しいとすぐわかる。
ここまでで1時間、そう、観ているのが嫌になり、
時間を何回も見る。
薮下の言うことを聞き入れてもらえない時、
殺人教師、とかメディアで叩かれてどう挽回するのか、
と、イヤ〜な気持ちいっぱい。
小学校においてADHDと認定されるされないにかかわらず、周りの教師や子供の正しい判断による注意などを聞かず好き勝手に暴れたり同級生に乱暴をはたらいたりしながら家に帰れば、教師よりも怖い母親の前ではいい子になる知恵の働くヤツは大変始末が悪い。
そういう母親だから、体面を繕うことも染み付いているわけで、一つの物事を見る場合も自分に都合がいいようにしか取らない。親も始末が悪い。
親によっては、得てして低学年なら教師の言葉よりも子供の言い分の方を100%信じがちである。だんだん学年が進むにつれて親も頭を打ち学習して自分の子供の言い分をそのまま信じなくなる。
そうして子供も嘘がつけなくなり、親子共々成長するのだが。
拓翔は4年生、同級生にちょっかいを出してワルサをする。じゅんやがよく狙われていた。
身の回りの片付けが苦手なのか朝持って行った筆箱の中味が帰って来た時はほとんど入っていない状態。
母親は拓翔の手にメモしておくが、拓翔が見なければ意味がない。こういう子のお母さん、子供を連れて放課後教室に来て一緒に探すこともある。
拓翔は母親に詰問されて嘘をついた。
普通の母親なら担任がそんなことするはずがないから、子供特有のすぐバレる嘘だとわかりそうなものだが、律子母は信じた、というか、ねじ込む材料を見つけた、とでも思ったのか。
日本の司法制度で仕方ないのか氷室夫妻が薮下に賠償請求しているが、被害を受けたことを認めてもらいたいが為の賠償請求なのか、ただ単に担任イジメと金儲けを企んだのか⁉️
こう書いて合点がいった。
氷室律子の真の狙いは、
薮下イジメと付随する金儲けが目的だった、と。
いくら子供の嘘やら体面やらがあるにせよ、
動機•理由がわからなかった。
薮下をターゲットにしたのは、家庭訪問の際、
律子のミスだったが、認めたくなく、
夜に来た薮下の真意も律子のミスだとわかりつつ、
立場上、自分のミスと言う薮下にムカつき、
ヤッてやろうじゃないの、と考えた、納得。
(もちろん私の独断的な考えですが)
屋上での話。
律子が拓翔が自殺しかけて私が止めたから命が助かった、
薮下は殺人教師だ、とか言ってたが、
どこの屋上か?
学校なら施錠されている、子供一人で行けない。
校長も教頭もクズ、
担任薮下の話をとことん聞くのが仕事。
親の言い分と合わないところを言及しないと。
教育委員会、市役所からの回り持ち職員の集まり。
ほぼ数年で異動があり腰掛け的な人もいるだろう。
人にもよりますが。
課長補佐とか課長とか部長とか役職付くと、
ちょっとは子供の為とか言うけれど、
とにかく無難無難無難が第一。
新聞やらメディアを怖がり薮下のようにメディアに
追いかけ回される者を毛嫌いする。
そして、委員会独自の調査もせずして懲戒処分を下す。
メディアも悪いけど、薮下の家に貼り紙する輩を
警察は逮捕して欲しい。
一つわからないのは、停職6ヶ月で給料支給せず。
なのに教育センターで研修っておかしくないですか?
研修させるなら給料出さないと。
だからサボろうが、飲酒しようが、ほっといてくれ、
と思った。
余談ですが、
停職6ヶ月と懲戒くらうと、
大概その日付けで辞職、となるパターンをよく目にするが、その場合もちろん冤罪ではない。
いい弁護士が付いて良かった。
薮下さん、辞めずにくらいついて勝った、というか無実が証明されて良かった。
多くの人に見てほしい
期待を超えました。
年を重ねると、ホラー映画よりこういうのが1番怖い。実際にこんなモンスターに目を付けられたら、と不安になります。
20年前の事件とのことなので、時代はモンスター〇〇と言われ始めた頃でしょうか。正直この事件のことは知りませんでした。今の方がクリティカルシンキングが浸透しているので情報を鵜呑みにしないかもしれませんが、当時はマスコミの報道をみんな信じきっていたと思います。橋の下で撮られた写真なんてもう…切り取り方によって印象は180度変わりますよね。
俳優さん達の演技は皆素晴らしく、特に柴咲コウさんと綾野剛さんは見事でした。柴咲コウさんの感情のない目の演技は恐ろし過ぎて寒気がしました。綾野剛さんは間の演技が絶妙で、感情を押し殺したり爆発させたり、そして裁判での長回しのシーンは圧巻でした。
虚言癖のある方は、自分の嘘がだんだん真実だと思い込むことがあるようです。自分は虚言癖のある人からの直接の攻撃の対象になったことはありませんが、流れ弾が当たったことがあり、他人事ではありません。
律子の場合は生い立ちに原因があり説得力がありました。最初は我が子へ向かっていた攻撃も、簡単に先生へと矛先を変えてしまうのもリアリティーがありました。だから、他の保護者達も矛先が自分に向かわぬように逃げるんですよね。息子自身も、絶対に嘘を認められないわけです。
職場の校長達や教育委員会、そしてマスコミやPTSDを診断した医師等、一人一人のえぐみが抑えられて描かれているのもリアルで良かったです。
この映画の救いは、弁護士さんとなんと言っても家族です。奥さんが全力で味方してくれるし、お父さんの背中を追いかけてなのか教育実習中の息子とのやり取りも信頼し合っていて素敵でした。あえてアドバイスしないところに関係性が見えました。
面白かった!
薮下先生❣️
とにかく薮下先生がどんどん窮地に立たされていくのが辛くて、頑張れ、と祈るような気持ちでした。
氷室夫婦が怖いとはいえ、誰も証言しようとしないのが辛すぎる。
体罰の目撃証言がないのに、こんなに簡単に、世間は「かわいそうに見えるほう」を信じるのか。
いや、もしかしたら、私もそうかもしれない。
自分に都合の良いように見る、関係ないのに叩くという風潮は、この事件の時より強くなっているだろう。
昔より、先生に対する尊敬の念が薄れているのも関係しているのではないか。
体罰の疑いが晴れてよかったけれど、世間はそれを知らないのだろうな。
事実を知らないのに人を断罪しない、誹謗中傷もしない。これをこの先も守っていきたいと、改めて誓います。
胸がちくちく
綾野剛の表裏、どっちも楽しめますー
でもやはり、優しい方の綾野剛だ!
キャストがほぼ完璧で
その演技があるからこそ、映画にリアリティが生まれている。
この映画を知ってから鑑賞前に少しウィキペディアで調べたが
裁判をおこすまでしか知らなくて正解だった
なので、予告の段階で殺人教師だの、日本初のいじめ教師だの、それらが
本当なのか、大袈裟程度なのかと思って観ていた。。
映画の半分辺りで尿意を感じたがそれでも映画に引き込まれて最後までトイレ退席しなくて済んだ。
展開が早いのでトイレ行ってたらわからなくなるところだ
これは、おかわりします。
もう一度知った上で観たい。
すごーくイライラしながら鑑賞した。
私ごとですが
20年前に幼稚園のPTA会長と、15年ほど前に小学校で地区長、そのあと中学校で執行部と経験した私は
モンスターペアレントのすごさを知っている。
子供の修学旅行について行く親さえいたし
好き嫌いだけで担任かえろとか言う親もいた。
しかしその場合、その親たちがおかしいと捉えられるだけで
教頭、校長、周りの正常な親たちは真実を知っている。
先生を学校を貶めるモンペの言うことには毅然とした態度で当たるのだ。
それがない時にこんな怖い事になるのだと
他にもいるのかもしれない。
校長や、記者がなんの処分もないのには腹が立つ。
それにマスゴミ!
亀梨くん、良い感じにウザい役してたねー
結局、いつもマスコミに踊らされる事は多々ある。
ずっとしんどい…
目を背けたくなるようなことばかりで、初めて途中退出しようかと思ったほど心が張り裂けそうで辛かった…(基本メンタル弱々なので心が抉られそうだと分かるものは避けている)。
見終わったあともずっとモヤモヤ。
これを見たら教師にはなりたくないと思ってしまうなぁ。
世の先生方、本当に毎日お疲れ様です。
タクトみたいな子がずっと律子の元で適切な教育を受けることなく育っていくと思うとなんだかやるせない気持ちでいっぱいです。
はぁしんどかった…。
でも俳優陣の演技は皆んな凄かったです!
ワイドショーの恐ろしさ!
殺人教師ってかなりセンセーショナル。
綾野も色々あってカッコ悪い役も行けるようになって来て良い感じ、ダメオジ感素晴らしかった。
柴咲コウも「蛇の道」あたりから見開いた空虚な目がマジ怖いが、こればっかりにならない様に注意。
この事件の事は覚えているけど、結末までは知らなかった、、そうか冤罪だったのか。
具体的な目撃証言、物的証拠が無いのに学校と教育委員会の事なかれ主義により謝罪してしまった事が話を悪い方に導いてしまった。
マスコミに煽られどんどん悪者になり、追い詰められて行くのが怖いよね。
判決後さらに学校や教育委員会との裁判になるあたりがリアリティあるしなかなか渋い、まさに戦争だ。負けてもただじゃ済まない感じ。
あのご家庭はどうなってしまったんだろうね?
まあ崩壊したんだろうと予想するとちょい可哀想だ、、、が人を呪わば穴二つという事で。
それでもスッキリしない
はじまりが些細なことだったとしても、声高に一方的に主張する人、こと流れを優先する組織、丁寧な裏どりをサボるメディアにより、人は壊されます。
でも真実が歪められしまうことはないと願いたいし、この実話においても救いはありました。
支えてくれる伴侶がいたし、真実を求める真の弁護士がいたし、配慮ある眼を持った第三者もいて、望ましい結果に至ったのだけれど、何だかスッキリはしません。
それがこうした事案の結果としては常なのかもしれませんが、日本の裁判制度のせいなんでしょうか、あるいはそれが真実の難しさなんでしょうか。
本当の救いは、ご子息の進路選択にあったように思います。
「怪物」とのダブり感を気にしていましたが、裁判の流れが柱にあったり、親子の存在が異質なものだったり、まったく違った楽しみ方ができました。
先生になりたいと思う人がこれ以上減らないように願っています。
結局人が怖い
胸糞わりぃ。
何とも歯痒い結末が絶妙の感慨深い作品に!
セレブリティ志向の強い虚栄心の塊のようなサディスティック女が裁判の持つ魔力に取り憑かれ…… 実話に基づく社会派ホラー?
ポップ•アートの旗手と呼ばれたアンディ•ウォーホルが言ったとされる有名な言葉に「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるであろう」というのがありますが、世界的とまではいかなくても15分間よりはるかに長く、そこそこ有名になれる方法があります。社会的に注目を浴びそうな案件で誰かを訴えて法廷闘争すればいいのです。
私の知人(友人と呼べるほどではない)にある裁判で原告団に加わった経験を持つ人がいます。彼は善良で地味で物静かな四十男(当時)で強く自己主張をしたり、積極的にリーダーシップを取ったりするようなタイプではありません。そんな彼にとって裁判は一生に一度の晴れ舞台で、出廷しただけで舞い上がってしまうような素敵な出来事でした。賃金をめぐる争いでしたが原告団は被告側が提示した和解案を蹴り、一審では勝訴します。「勝訴」と墨で書かれた紙といっしょに記念写真におさまり、彼も嬉しそうでした。でも、二審では雲行きが怪しくなり、結局のところ、弁護士と相談しつつ、和解案をのんで手打ちとなり、彼の晴れ舞台は終わったのでした。この場合では、原告団は最初は裁判という状況に舞い上がりつつも結局は経済的合理性に基づいて判断して手打ちとしました。でも、世の中にはそんな合理性などこれぽっちも持ち合わせてなくて、ただ他人を貶めて優越感にひたり、おのれの虚栄心を満たすために裁判を利用する人がいるんですね。心底、怖かったです。
そう、この事実に基づく物語に、小学生の息子を持つ母親として登場する氷室律子(演: 柴咲コウ)はセレブリティ志向が非常に強く、虚栄心の塊のような女で自分についても数々の虚言で塗り固め、いいイメージを作ろうとしています。そんな女が格好の餌食を見つけてしまいます。息子 氷室拓翔(演: 三浦綺羅)の担任の教師 薮下誠一(演: 綾野剛)です。彼女は夫(演: 迫田孝也)とともに学校に怒鳴り込みに行き……
経緯を見ていてため息が出てしまったのは、薮下先生が氷室夫妻にやってもいない体罰を認めて謝罪するところです。確かにこの「でっちあげ」裁判の元凶は、自分が特別な人間であることを見せつけたいと常に考えている氷室律子にあるのは明白ですが、裁判にまでなってしまった原因のかなりの部分は、厳しい言い方になりますが、この薮下先生のトラブル対応に際しての初動ミスにあると思います。校長(演: 光石研)、教頭(演: 大倉孝二)の命令に逆らってでも「やってません。証拠はあるのですか?」と突っぱねるべきでした。私も元サラリーマンのはしくれ、上司と部下が喧嘩したら百パーセント上司が勝つくらいのことはわかっています。まあでも今回はこの上司ですからね。よくいうところの「上司が部下を見抜くには3年かかるが、部下が上司を見抜くには3日もあれば十分」で薮下先生も校長や教頭がどんな力量の持ち主かよくわかってるはず。また、薮下先生は日頃の行ないがよく人望もあるみたいな感じでしたから、"この時点なら" 自分のクラスの児童やその保護者、同僚の教師たちの多くも彼の味方になってくれたはずです(安藤玉恵演じるあの母親もこの時点なら、そんなはずはないと言ってくれたと思います。そんな彼女でも、あの時点だとあれが精一杯になりますが)。
結局、校長/教頭の命令に逆らうのは既知のリスクです。でも、体罰を認めて氷室夫妻に謝罪するというのは未知のリスクになります。あの予定も入っていなかったにもかかわらず夕食後の時間に呼びつけた家庭訪問の件で氷室律子は要注意保護者リストの筆頭になっていたはず。返す返すもこの初動のミスは痛かったと思います。私もなんとか定年まで逃げ切れましたが、トラブルもいろいろとありました。この映画を観て思ったのは、私に関して言うと、正直言って折り合いの悪い上司もいましたが、幸いなことに、この校長/教頭のような無能な上司についたことはありませんでした(まずは部下の話をよく聴き、その後に現場に行って子供たちの話を聞いて事実確認してから対応を考えると思うのですが、それもせずに、ただ謝れって……)
あ、これ、映画のレビューでしたね。私は三池崇史監督とはあまり相性がよくないと思っていました。露悪的なところとか、演出に品がないところとかが気になって。でも、この作品では程よく抑制された品のなさがうまく機能して、そこそこ面白いエンタメ作品になっていたように思いますし、事実に基づいた物語ということで、いろいろ考えさせられることも多かったです。
事実は小説よりも奇なり
実際にはもっと複雑で入り組んでいる事件なのだが、2時間の映画ですべてを描き切るのは難しい。だからこそ、物語の展開が分かりやすくまとめられている。結果として、映画としては十分に面白い作品になっていると思う。
演者の話。
綾野剛は二つの顔を見事に演じ分けており、その演技力には改めて感銘を受けた。
また、柴咲コウの演技には、ドラマWシリーズ『坂の上の家』での役柄が重なって見えた。感情がないサイコパス的な人物を演じさせると、彼女の表現力の高さが際立つ。あんな目をできる役者はなかなかいない気がする。
小林薫さんは言うまでもなく素晴らしい。役どころも一番いいポジションだったので、彼が演じたのは良かった。
まとめ
あんなセンセーショナルに訴えられると、たとえ冤罪だとしても二度とそれまでの日常に戻れない可能性さえある。メディアや報道のあり方を改めて考えさせられた。
全403件中、101~120件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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