配信開始日 2025年4月24日

「「遊星からの物体X」」アッシュ 孤独の惑星 R41さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「遊星からの物体X」

2025年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「遊星からの物体X」の謎が解き明かされた。
「X」は隕石によって地球に到達、南極に着地と同時に冷凍保存された。
その遊星とはアッシュだった。
さて、
この作品は何を伝えたかったのだろう?
主人公リアは最後にクルーのことを思い出す。
仲間 そしてすべてを捨ててやってきたアッシュという惑星で起きた思いがけない出来事
そこで命からがら脱出できた喜びと、仲間をすべて失ったこと
起きた出来事を思い出せないリアから物語が始まる。
クルーの死体
フラッシュバックする記憶の断片
SOSをキャッチしてやってきたブライオン
錯綜する記憶
原因は不明ながらもなぜこんなことが起きたのかを最優先して確かめたいリアと、軌道上の基地へ戻るのを最優先したいブライオン
問題は殺人事件よりも脱出すること
残り僅かな酸素
この物語は何が起きたのかというミステリーを未知なる惑星をモチーフに描いている。
そして端然と大どんでん返しもある。
「遊星からの物体X」というのは勝手な表現だが、宇宙という未知を題材に何でもありというのも少々疑問を感じる。
そしてやはりプロットにも疑問は残る。
ブライオンは「SOS クラークが問題を起こした」のでやって来たといったが、SOSを発信した映像はない。
しかし基本的にはリア以外にSOSを発信できるものはいないことになるが、クラークはランダーへ行ったのでクラークがSOSを発信できる立場にいたのにこのプロットはおかしいように思う。
リアに記憶がないのはわかる。
そうなると軌道上の基地にいたブライアンを呼んだのはエイリアンということになる。
そうなると辻褄が合うが、これは単に物語を複雑怪奇にするための工夫だと思われるが、実際には非常にわかりにくい。
基盤の中にいた無数のナメクジエイリアンをどのように処分したのだろう?
ナメクジ発見の段階で基地は捨てるしかないはずだ。
また、
エイリアンなるものが大気浄化装置を作り上げたということだが、彼らはアッシュで生まれたのか、そしてどんな理由で大気浄化装置が必要だったのかまったくわからない。
そしてエイリアンはリアを選ばれし者だとしたが、その理由は全く不明だ。
加えて、大気浄化装置を作ったエイリアンとナメクジのような生物は同じだろう。
彼らは人間などに大気浄化装置を渡さないと言っていた。
リアはすべてを捨ててアッシュまでやってきた。
一緒にやってきた数人のクルーすべてを失い軌道上の基地へ帰還したが、そこには誰もいない。
この点は非常に絶望的だ。
物語は殺人事件のミステリーを宇宙を題材に描いている。
宇宙へ行った目的も、殺人事件の目的も明確だった。
大気浄化装置を発見したことは人類が生き残るための希望となった。
しかしそれは絶望となった。
そしておそらくこれ以上考えても意味がないように思う。
プロットというのか脚本が練り込まれていない。
この作品の面白さはよくわからなかった。

R41