劇場公開日 2025年8月8日

「ジェフリーが耳を探し当ててしまったように」キムズビデオ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 ジェフリーが耳を探し当ててしまったように

2025年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これが本当にドキュメンタリーならば、あまりにもおおらかというか、雑というか、信じ切れない部分が多々ある。「海賊版」と言っているビデオに違法性はないのか。あの管理状態で正常に再生できるのか。あれはビデオの解放ではなくて強盗ではないのか。キム氏のうさん臭さは何なのか。そもそもその膨大な作品の中にどれほどの名作があるのか(←これに関してはB級好きもいるので一概に言い切れないが)。
今は、ネットでいくらでも映画が観れる時代。貸し出し中につき在庫なし、なんてない時代。あらすじだって調べられるし、ハズレを引き当てる確率は低い時代。そんな時代って、もしかしたら味気ないのかもしれない。わざわざ店舗に足を運んでケースをガサゴソ出し入れしながら借りてた古きレンタルビデオの時代は、時に大ハズレを引き当てることもあった。それでもネットでクレジット決済みたいな手軽さじゃなく、バイトで手にした現金で払って借りてきて、つまんなくてももったいなくて最後まで観たもんだった。そのノスタルジーを感じてくれ、って言うんならそれは十分に感じることができた。ただ、だから何これ?とも思う。
「架空の人物と実在の人物が似ているこはよくあることさ」「映画と夢、嘘の間に境界線はない」という。それって、これは完全なるドキュメンタリーじゃなくてフィクション混じってますってエクスキューズなのだろうか?

栗太郎