キムズビデオのレビュー・感想・評価
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驚異的な成果を出した無邪気な猪突猛進
キムズビデオという伝説のビデオ屋にまつわる数奇な物語は非常に面白いし、面白がるだけではいられない切実さでキムズビデオのライブラリー救出を成し遂げた監督たちの行動力と情熱には心から感服する。のだが、ドキュメンタリーとしては、キムズビデオのライブラリーがどれだけの価値があるものかを検証したり、キムさんの謎の素性を掘り下げたり、あまりにもバカバカしいシチリアの事情を俯瞰的に捉えることより、映画オタクの自己実現が優先されていて、とても個人的なドキュメンタリーだと思えばそのアプローチもありなのだが、どうしても作り手がテンション上がってヒャッハーとなってる感じが、言葉を選ばずにいうとどうしても鼻につく。これはフィクションですよという体のビデオ奪還作戦のくだりも、そこはハイストムービーとして面白そうに撮ってくれないと映画そのものへのオマージュにならないと思うのだが、残念ながら致命的に面白くない。まあ、それだけ無分別に猪突猛進ができたからこそあのライブラリーを救えたのかもしれないので、手段を選ばず成果を出すことの必要性という点で、とても貴重なサンプルケースではある。
65点ぐらい。まあまあ…
マニアックでレアな作品も揃え、5万5000本のビデオテープに25万人の会員を保有したニューヨークのキムズビデオ。
映画マニアたちが通ったらしいけど、その中には若かりし頃のコーエン兄弟(『ファーゴ』など)がいて、延滞金を600ドル滞納していたり(笑)
トッド・フィリップス(『ジョーカー』)や、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)や、ショーン・プライス・ウィリアムズ(『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)が、店員で働いていたらしい。
配信サービスの普及により閉店することになったけど、その膨大なビデオテープ・コレクションの運命は…ってドキュメンタリーです。
いろんな映画を切り取ったものが “その時、あの映画の、あのシーンみたいに” みたいな感じで使われていて、映画好きな気持ちを刺激された(笑)
オーナーのキムさんは、タランティーノとも仲良かったらしい。
店中で音楽ライブも行っていたようだけど、ギターウルフがキムズビデオでライブを演った時の映像が、ユーチューブで観れます。
意外としっかり魅せてくる
この類のものは、どうせ見つかりませんでしたという結末になると思っていた。
主人公が執念深いな。
行動力があるとも言える。
てかキムさんに普通に会えるんかい。
行方知らずになったままだろ、一般的に。
ということで想定を裏切ってきたのが良かった。
イタリアの公権力を持つ人々や地位の高い人がのらりくらりしてて、おもしろかった。
レンタルビデオ屋って、TSUTAYAですら今もうなかなか見かけないよね。
サブスクで観れば良いんだろうけど…その作品だけ観られたら良いからねえ。
サブスクと言えば、大学の基礎科目で先生が論文を取り寄せる?のも論文がサブスク化されて予算的に難しくなってきたと、当時言っていた。
数作品だけ観られたら良いんだからサブスクはそれこそコスパが良くないんだよねえ。
『ビデオ安売王』ってまたあるのかなあ
どう評価するかで映画への関心が問われる ネタばれ注意
NYのレンタルビデオ屋が廃業してそのテープをイタリアのシチリア島に寄贈した。元レンタル屋の会員が寄贈先に行くとビデオの管理はOH!MyGOD!な状況で救い出そうと決意。管理者の市長に返還をかけ合うも無視される。意を決して撮影と見せかけヌーベルバーグのゴダール、チャプリン、ヒチコック、ベルイマン、Jチェン、コーエン兄弟など映画の精霊を召喚して奪還作戦を決行する。NYに取り戻した後、シチリアの市長と話し合い大団円と言うハッピーエンドな結末。途中の昔のレアな映画をちょっとづつ紹介面白いと言えば面白い。
どこまでがドキュメンタリーか、映画として撮ったのかかなり破天荒でした。
ミニシアター系でしか見れないが、たしかに一般の映画館ではおタク過ぎて納得の映画か。4つ星は映画オタク向きとしての評価です。
どこまでホント
レンタルビデオの無念
同じくマニアックな品揃えのレコード店のドキュメンタリー(アザーミュージック)も見ていてとても良かったんだけど、そちらは硬派で寂しげな作品だった こちらの作品は場所も同じイースト・ビレッジなのにヤラセのようなこのハチャメチャ、熱狂ぶり、褒められたものではないけれども、とても痛快だった そしてキムさんのビジネス手腕素晴らしい、其処ならよくある見たい物が置いてなくてがっかり〜は無かったんじゃないかと思った 🇮🇹との奇縁、政治絡みなのも意外、でも誰も見向きもしてないし、持て余してたんだよねきっと つくづくコレクションは価値の分かる人の元へ、そして惜しみなくシェアが基本なんかな思った 全作品知ってたらもっと楽しかったろうなぁ、自身レアな作品には目がないのでとても面白かったです
ジェフリーが耳を探し当ててしまったように
これが本当にドキュメンタリーならば、あまりにもおおらかというか、雑というか、信じ切れない部分が多々ある。「海賊版」と言っているビデオに違法性はないのか。あの管理状態で正常に再生できるのか。あれはビデオの解放ではなくて強盗ではないのか。キム氏のうさん臭さは何なのか。そもそもその膨大な作品の中にどれほどの名作があるのか(←これに関してはB級好きもいるので一概に言い切れないが)。
今は、ネットでいくらでも映画が観れる時代。貸し出し中につき在庫なし、なんてない時代。あらすじだって調べられるし、ハズレを引き当てる確率は低い時代。そんな時代って、もしかしたら味気ないのかもしれない。わざわざ店舗に足を運んでケースをガサゴソ出し入れしながら借りてた古きレンタルビデオの時代は、時に大ハズレを引き当てることもあった。それでもネットでクレジット決済みたいな手軽さじゃなく、バイトで手にした現金で払って借りてきて、つまんなくてももったいなくて最後まで観たもんだった。そのノスタルジーを感じてくれ、って言うんならそれは十分に感じることができた。ただ、だから何これ?とも思う。
「架空の人物と実在の人物が似ているこはよくあることさ」「映画と夢、嘘の間に境界線はない」という。それって、これは完全なるドキュメンタリーじゃなくてフィクション混じってますってエクスキューズなのだろうか?
フィルム・ノワールは美化した犯罪
90年代後半に初めてNY行ったとき、あの看板あったのすごく覚えてるけど、旅行者にはなかなか敷居が高くて、中古レコード屋をハシゴするときに横目で見ているだけでした。
あの店のドキュメンタリー!と期待して見たのですが…
なんか、いろんな映画のワンシーンも含めて、いろんなネタが小出しにされてて
スリルとサスペンスも非常に地味…めっちゃ映画愛語る割に見せ方が下手すぎん?
結局シチリアのマフィアとの関連も不明、キムさんの心情も深く語られず、後半の強奪は流石に犯罪だしヤラセだよなー、って思うし、コンテナとか運搬資金はどっから出たのかも語られないし、NYに戻ってきたビデオを運営する店の奮闘(雨ざらしとか傷んでるやつは思い切って捨てたかもしれないけど、ビデオの状態とかチェックして出してるんだろうか?)とかもないし、なんかダラダラと記録を見せられた感じ。
淡々としたナレーションより、監督が顔出しで感情的に想いを語ってくれたほうが応援したくなったかなぁ。映画の精霊とかいう有名監督のお面とか、逆に白けたわ。
海賊版自体、犯罪ではあるのだけど、ネットもサブスクもない時代、私も新宿の海賊版ビデオ屋に通いましたよ…正式な流通経路がない・映像に飢えた人間がいる以上、商売が成り立っていたんだよなぁ。
あの店もネットの普及でなくなっちゃったなぁ…
摘発没収されてもすぐキ厶さんがしれっと新たな海賊版置いていくってとこは笑った。
あと、サレーミでホラー映画の音楽作ってる管理人?エンリコさんの音楽を使ったところはグッジョブでした。
それにつけても80年代の狂ったロウワーイーストサイドに行ってみたかった…。
ミステリーから監督の下卑た野心までもを記録
1980年代のNYで、世界中のマイナーな映画作品を含む膨大な所蔵作品でマニアの人気を呼んだレンタル・ビデオ・ショップ「キムズビデオ」の歴史を巡るドキュメンタリーです。映像配信時代の到来と共に、お店は2000年代に閉店したのですが、お店の5万本もの作品群は一体どこに行ったのだろうと監督グループが追うと、とんでもない場所で発見されます。しかも、そこに想像もしなかった人々の利権が絡んで来るのです。無茶苦茶な話だなぁとアングリ。
そうして行方を追うドキュメンタリーのミステリー的要素だけでなく、「うはは、このネタで売れる作品を撮るぞ」という監督の下卑た野心の暴走までもが期せずして記録されているのが痛快でした。日本映画では恐らくあり得ない逸脱・脱線物語です。こんな事、本当にあるのかなぁ。
簡単な記録。 NYの映画ファンたちが通い詰めたレンタルビデオ店のコ...
会員になりたい!!
要映画知識レベルMAX
この映画を真に理解するためには、映画知識レベルMAXが必要だ。
少なくとも、ブートレグ映画の世界を知っていないとダメだと思う。
引用作品の九割方わからなかった俄かの自分には荷が重い作品だった。
NYにあったレンタルビデオ店が所蔵していた大量のブートレグビデオの行方を丹念に追い、放置状態のそれらを元所有者のキム・ヨンマン氏と共に取り返すドキュメンタリー。
イタリアに放置されていたコレクションを通して
イタリア人のおおらかさと適当さ、推しの強さや厚かましさ、闇深さが強調して表現されている。
イタリアの政治の闇に切れ込むなど、ポップな宣伝に反して、実に硬派な作品だった。
残念なのは、VHSやDVDを取り戻すところが劇中劇でぼかされているところ。
本当は相当な駆け引きや交渉があったのだと推測できる。
その過程を丁寧ににドキュメントして欲しかった。
(シチリアのドス黒い闇故にああなったのかも。)
なお、とにかく画面が字幕でうるさいので、字幕読むのが遅い方やそもそも苦手な方は回避推奨です。
(酷いと画面上下左右全部に同時に出ます。)
サブカル少女の血が騒ぐ
映画好きによる映画好きのためのドキュメンタリー
前情報をほとんど入れずに観たおかげで、びっくりな展開に目が釘付けでした。
監督、ビデオ偏愛が為せる技とはいえ身体張りすぎ…てか、ほぼ命かけてます。
よく最後まで撮影できたな、と思いました。
イタリア人、元市長もビデオの管理人も、警察官でさえも全員がもれなく胡散臭い。
リアルゴッドファーザーの世界。
「現実なのか映画なのか分からなくなる」て、これは撮っていてスリル満点で楽しかったでしょうね。
キムさんですが、韓国から身ひとつでアメリカに渡り、果物露天商→クリーニング屋→レンタルビデオ屋を興し大成功した何やら謎めいた人物。
映画好きであることは間違いないですが、ご本人が監督した映画(ちらっと流れました)が何やらアングラな匂い…
個人的にはキムさんの人生にすごーく興味が湧きました。
映画を観終わって久しぶりにレンタルビデオ屋に行きたくなりましたが、地元にはもう一軒もないんですよね。
新作だけじゃなく、奥の方の棚から知らない映画をパッケージ見ながら選ぶのが楽しかったなーとふと思い出しました。
VHSビデオデッキは動くのだろうか?
レンタルビデオ店にせっせと通ってた時代もあったが、家ではもはや映画もドラマもネット配信オンリーである。ましてやVHSとなると現存するのは娘が小さい頃撮っていたホームビデオをダビングしたVHSだけであり、それすら10年以上観てはいない。VHSのデッキが動くかも不明である。そんな今の世の中での「キムズビデオ」の公開。誰が観にくるか?と思って公開初日に行ったらかなりの入り。マニアックな映画ファンが沢山いらっしゃることが嬉しかった。
これ、ほんとにドキュメンタリー?って感じが随所にありましたが、大胆に大量のビデオ奪回を挙行(アルゴ作戦?)する制作者とキムズビデオ創設者のキムさん(海外で成功する韓国人は図太い)も、いいかげんなシチリア島の市長や警察やキムズビデオの管理者にも観ているうちに妙な親近感が出てきて、映画自体はとっても楽しめました。
5万5千本のビデオが世界の映画の歴史として今度はちゃんと保存ができて、これからもちゃんと残っていてくれることをお祈りしています、。
夢と現実を見つめたカメラ
レンタルビデオ、配信の為にすっかり街からは姿を消した。
そもそも、DVDが主流になった時点で、ビデオテープは姿を消していった。
普通に保存していても劣化していく。
あんなに沢山あったビデオテープは何処へ行ったのか?
何となくインド映画「エンドロールのつづき」を思い出した。あちらは映画のフィルムの行方を描いた名作でした。
そして、この作品、そんなノスタルジーにも近くなった想いを刺激するドキュメンタリー⋯と思ってたんですが、⋯途中からは明らかにモキュメンタリー⋯自らの夢に近い想いを描いたのでしょう。
気持はわかりますが、ちょっと雑かなぁ。
#キムズビデオ
本当にドキュメンタリー!?
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