キムズビデオのレビュー・感想・評価
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要映画知識レベルMAX
この映画を真に理解するためには、映画知識レベルMAXが必要だ。
少なくとも、ブートレグ映画の世界を知っていないとダメだと思う。
引用作品の九割方わからなかった俄かの自分には荷が重い作品だった。
NYにあったレンタルビデオ店が所蔵していた大量のブートレグビデオの行方を丹念に追い、放置状態のそれらを元所有者のキム・ヨンマン氏と共に取り返すドキュメンタリー。
イタリアに放置されていたコレクションを通して
イタリア人のおおらかさと適当さ、推しの強さや厚かましさ、闇深さが強調して表現されている。
残念なのは、VHSやDVDを取り戻すところが劇中劇でぼかされているところ。
本当は相当な駆け引きや交渉があったのだと推測できる。
その過程を丁寧ににドキュメントして欲しかった。
(シチリアのドス黒い闇故にああなったのかも。)
イタリアの政治の闇に切れ込むなど、ポップな宣伝に反して、実に硬派な作品だった。
なお、とにかく画面が字幕でうるさいので、字幕読むのが遅い方やそもそも苦手な方は回避推奨です。
(酷いと画面上下左右全部に同時に出ます。)
サブカル少女の血が騒ぐ
映画好きによる映画好きのためのドキュメンタリー
前情報をほとんど入れずに観たおかげで、びっくりな展開に目が釘付けでした。
監督、ビデオ偏愛が為せる技とはいえ身体張りすぎ…てか、ほぼ命かけてます。
よく最後まで撮影できたな、と思いました。
イタリア人、元市長もビデオの管理人も、警察官でさえも全員がもれなく胡散臭い。
リアルゴッドファーザーの世界。
「現実なのか映画なのか分からなくなる」て、これは撮っていてスリル満点で楽しかったでしょうね。
キムさんですが、韓国から身ひとつでアメリカに渡り、果物露天商→クリーニング屋→レンタルビデオ屋を興し大成功した何やら謎めいた人物。
映画好きであることは間違いないですが、ご本人が監督した映画(ちらっと流れました)が何やらアングラな匂い…
個人的にはキムさんの人生にすごーく興味が湧きました。
映画を観終わって久しぶりにレンタルビデオ屋に行きたくなりましたが、地元にはもう一軒もないんですよね。
新作だけじゃなく、奥の方の棚から知らない映画をパッケージ見ながら選ぶのが楽しかったなーとふと思い出しました。
VHSビデオデッキは動くのだろうか?
レンタルビデオ店にせっせと通ってた時代もあったが、家ではもはや映画もドラマもネット配信オンリーである。ましてやVHSとなると現存するのは娘が小さい頃撮っていたホームビデオをダビングしたVHSだけであり、それすら10年以上観てはいない。VHSのデッキが動くかも不明である。そんな今の世の中での「キムズビデオ」の公開。誰が観にくるか?と思って公開初日に行ったらかなりの入り。マニアックな映画ファンが沢山いらっしゃることが嬉しかった。
これ、ほんとにドキュメンタリー?って感じが随所にありましたが、大胆に大量のビデオ奪回を挙行(アルゴ作戦?)する制作者とキムズビデオ創設者のキムさん(海外で成功する韓国人は図太い)も、いいかげんなシチリア島の市長や警察やキムズビデオの管理者にも観ているうちに妙な親近感が出てきて、映画自体はとっても楽しめました。
5万5千本のビデオが世界の映画の歴史として今度はちゃんと保存ができて、これからもちゃんと残っていてくれることをお祈りしています、。
夢と現実を見つめたカメラ
レンタルビデオ、配信の為にすっかり街からは姿を消した。
そもそも、DVDが主流になった時点で、ビデオテープは姿を消していった。
普通に保存していても劣化していく。
あんなに沢山あったビデオテープは何処へ行ったのか?
何となくインド映画「エンドロールのつづき」を思い出した。あちらは映画のフィルムの行方を描いた名作でした。
そして、この作品、そんなノスタルジーにも近くなった想いを刺激するドキュメンタリー⋯と思ってたんですが、⋯途中からは明らかにモキュメンタリー⋯自らの夢に近い想いを描いたのでしょう。
気持はわかりますが、ちょっと雑かなぁ。
#キムズビデオ
本当にドキュメンタリー!?
ドキュメンタリー? 映画の精霊たちを召喚して可哀そうなビデオたちを救出するお話
ドキュメンタリーの業界には「作り手側がこれはドキュメンタリーであると言えば、それはドキュメンタリーである」という格言があるそうです(この格言の存在の虚実も曖昧ですが)。
かつてマニアの殿堂だったアメリカ•ニューヨークのレンタルビデオショップ「キムズビデオ」。2008年に閉店となったその店の約55,000本ものビデオソフトは遠くイタリア•シチリア島のとある村に保管してあったそうです。しかし、管理が杜撰でそれを憂えたマニアたちがその可哀そうなビデオソフトたちを取り戻そうと奮闘します。ヒチコックやらゴダールやらジャッキー•チェンやらの映画界の「精霊」たちのお面をした人々がわらわらと集まってきて倉庫にあるビデオを箱詰めしてコンテナに積んでゆきます。現地側の有力者なども登場します。まあこの辺は「再現フィルム」っぽいのかなとは思いました。そこはそれ、そんな野暮なことは言わずに精霊たちのビデオ救出劇を楽しむことといたしましょう。
実際には、密輸でもしない限り、イタリア-アメリカ間の国際貿易ですから、やたら交渉ごとが多くて山のようなペーパーが必要ではないかと思います。そもそも、最初にアメリカからイタリアに「輸出」したときに「販売」という形をとったかどうかが定かではありませんのでよくわかりませんが、「原産国アメリカ合衆国」のものをまたアメリカに「輸入」するわけですから、通関書類を準備するだけでややこしそうです。通関がこれからということなら、EU -USA間の「トランプ関税」の摘要を受けるので輸入通関時のビデオソフトの申告額をどうするかという問題もあります。
まあマジメに考えると、輸送費、輸入諸掛り等の費用とかなりの労力を使って、可哀そうなビデオたちを引き戻すというのは「本当にご苦労様でございます」レベルの仕事だと思います。真相はよくわかりませんが、たぶん、マニアの皆さまはまだ「夢の途中」で可哀そうなビデオたちはまだEU圏内の少しはマシな倉庫に保管されており、この映画の収益で次の展開を図ろうとしているのではないかと思っています。ということで、野暮なレビューをお許しください。
刺激を受けたらそれを盗め
映画だと痛快、現実だと狂人
いつもは映画を観る前にあらすじをチェック。
しかし、今回は見忘れて鑑賞。
結果的には、それが功を奏した。
事前の知識は「ニューヨークの有名なレンタルビデオ店が、配信が主流の世の中になり閉店し、そこにあった大量のレアなビデオの行方を追う」という程度だった。
正直、個人的には前半は少し退屈に感じた。
しかし、終盤の予想外の展開には度肝を抜かれ、そこから一気に物語に引き込まれていった。
前半は、昔の名作映画の映像とともに、監督が「映画例え」のナレーションを畳みかけ。
おそらく古参の映画ファンは狂喜乱舞するような内容なのだろう。
ただ、私は2011年から突然年間100本以上映画館で鑑賞するようになったファンなので(しかも家ではあまり観ない)、昔の映画の知識が乏しく、正直、ポカーンとしてしまう場面が多かった。
それでも、前半で特に心に残った場面が2つある。
1つ目は、監督がキムズビデオのコレクションが保管されている建物に忍び込み、警報器が鳴り出したため必死に走って立ち去ろうとする場面。
その映像を観て、『電波少年』のことを思い出した。
もう1つは、キムズビデオのコレクションの保存方法が杜撰であることを知ったキムさんが、イタリアの政治家たちと話し合う場面。
キムさんは怒り心頭であるにもかかわらず、感情を抑えて冷静に諭すように話していた。
しかし、政治家たちは、言葉が通じないのをいいことに、現地の人間の間で舐めた会話をしていた。
これを見て、腐敗した政治家は日本だけではないことを知った。
中盤、2012年公開の映画『アルゴ』の映像が流れ、「この映画なら知っている」と思った。
その直後、監督がナレーションで耳を疑うようなことを語り、その後、まさかの有言実行する展開に釘付けになってしまった。
映画の中ならいくらでも観てきた場面だが、現実でそれを実行するのは狂気の沙汰だと、普通の人は思うはず。
まさかそれを現実に行う場面を観ることになるとは想像もしておらず、とても興奮した。
その後の、監督がキムさんに報告する場面も印象的。
キムさんがどのような対応を見せるのか興味深かった。
しかし、冷静に考えれば、キムさんもキムズビデオの経営で法を無視していたことを考えると、監督の味方をするのは当然のことに思えた。
フィクション?ノンフィクション?
笑顔と表情からキムさんの歴史を見た思い
すごい映画愛&レンタルビデオ愛!デビッド・リンチの作品2本とフェリーニの映画2本が挙がっていて嬉しかった。ジャッキー・チェンのお面が笑顔で可愛かった。
キムズビデオが「保管」されていたサレーミに関心を持った。街全体が蜂蜜色でシチリアのノートとかプーリア州のレッチェみたいだと思った。警察署長は流暢に英語を話していた(本当かな~)。市長は注文の多い人だった(フィクション市長?)。サレーミの人達がシチリアの言葉でなくてスタンダード・イタリア語を話していたようなのが不思議だった。wikiで調べた:サレーミはシチリア三角の西端にある小さな街。1270年はペスト、1542年はイナゴ大発生、1740年は土砂崩れ、1968年は映画でも言及されていた大地震。どの国も地域も襲うパンデミックや自然災害はこの小さな街も例外にしなかった。でもキムズビデオ到来は凄い例外だ‼️
何万本ものビデオとDVD、見ただけで頭がクラクラした。ビデオは昔は一万円以上とすごく高かった。自分では買えないから母親に買わせたというか、買ってもらったことを思い出した。
ニュー・ビデオ・パラダイス
かつてニューヨークに実在したレンタルビデオ店、キムズビデオの膨大なビデオライブラリーの行方を追うドキュメンタリー作品です。まず、胸を打たれるのは、世界各国から希少なビデオをかき集める韓国移民のキムさんと、そのビデオライブラリーを惜しんでイタリアまで追いかけるレッドモン監督、この二人の限りない映画愛と情熱です。確かに配信サービスの方が便利なんだけど、ビデオカセットやDVDのように手に取れる形があるからこそ、映画作品を実体のあるものとしてとらえることができると思いました。(わたし自身、いまだに本当に好きな作品のDVDを買っています。)正直、映画の作り方としては粗さが目立つけど、それを補って余りある映画への幸福な情熱が感じられて、いい気分でした。
配信kills the Video Store
いやー面白い! 大量のビデオテープとDVD奪還作戦! ウソのようなホントのような話。
80年代NYにあった伝説のビデオショップ「キムズビデオ」。店内の映像から、そのタイトル数とジャンルの膨大さが伝わってくる。バンドが演奏してたりして、映画オタクだけじゃなくカウンターカルチャーオタクも引きつけてたのかな。いやもう収蔵数5万超に及ぶ映画たちと同じ空間にいるというだけでワクワクするよねー! 映画オタクとしては。
謎めいたキムさん、シシリーの顔役、一度もカメラを見ない警察署長、役者やのー(ちょんわちょんわ)!
ヒッチコックやらゴダールやらチャップリンやら、映画の神々が降臨する。そして強奪する。脱法ドキュメンタリー。権利関係の弁護士が大活躍したに違いない。
どこまでが真実かという面白さ!
事実は映画より奇なり
コーエン兄弟
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