バレリーナ The World of John Wickのレビュー・感想・評価
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斬新なアクションシーンの数々は「ジョン・ウィック」シリーズならではで、ラスト30分の展開が特に面白い!
本作は「ジョン・ウィック」シリーズ劇場版初のスピンオフ作品。本作における時間軸は第3弾「ジョン・ウィック パラベラム」の少し後のようです。
主人公のアナ・デ・アルマス演じる新キャラクター“イヴ”の目線で物語が進行していき、初見でも大丈夫なように描き方が意外と丁寧なので、第3弾の予備知識が無くても楽しめると思います。
本シリーズの面白味の核として、「3人の男を鉛筆1本で殺した」など数々の逸話を持つジョン・ウィックというキャラクターの設定に象徴される独自性があり、身の回りにある“あらゆる物”を武器に変えて暗殺者と死闘を繰り広げる、といったDNAは本作でも健在です。
例えば、武器庫に入ろうと、都合良く使える銃ばかりがあるわけではないでしょう。手榴弾くらいしか使えない場合も当然出てきます。そういったシチュエーションでも、最大限に上手く使いこなすことで、見たことのないリアリティーのあるアクションシーンを生み出しているのです。
物語上の時間と、映画における時間が一致する工夫が見られる終盤の展開は、本シリーズに新たな化学反応を生み出していて純粋に面白い作品です。
期待を裏切らずシリーズに新風を吹き込ませた快作
まず、監督名を見て驚いた。レン・ワイズマンといえば、かつてよく目にしたものの、ここ数年は映画畑から遠ざかっていた人。確かに彼のアクションは昔からキレがあるし、「ジョン・ウィック」ワールドを拡張させつつ別角度からの新風を吹かせる上で「なるほど」と思わせる人選だ。シリーズの妙味を損なわない語り口や、銃、爆破、炎まで持ち出す緩急抜群のアクションにはワクワクさせられた。ただそれは決して彼だけの功績にあらず。舞台裏ではシリーズを司るチャド・スタエルスキ(本作ではプロデューサー)が自ら追加撮影を行ったとも伝えられ、しっかり手綱を握って軌道修正していた様子が窺える。結果、アナ・デ・アルマスのバレリーナから殺し屋までを網羅する身のこなしといい、その他のキャラの魅せ方、謎の組織のあらまし、そして目の前で起こる状況を通じて主人公が過去の真相を知る構成に至るまで、期待を裏切らない冴え渡った一作に仕上がっている。
アナのファンなら観て損なし。キアヌも予想以上に活躍
「ノック・ノック」(2015)、「ブレードランナー 2049」(2017)にも出演していたアナ・デ・アルマスの名前をしっかり覚えたのは、ようやく「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」(2019)でのこと。「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2020)のレビューでは「在キューバのCIAエージェント役を演じるアナ・デ・アルマスが、短い出番ながらもボンドとのユーモラスなやり取りや派手なアクションで活躍し、鮮烈な印象を残す。(中略)次回作は全キャストが刷新され完全リブートとなる可能性もあるが、MI6メンバーなど一部が続投になるなら、ぜひアナ・デ・アルマスも出番を増やして再登場してほしい」と書いたが、「ジョン・ウィック」(JW)シリーズのスピンオフという予想外の形で願いがかなった気分だ。
JWシリーズの監督を務めたチャド・スタエルスキがプロデューサーに回り、シリーズ3、4作目で脚本に参加したシェイ・ハッテンがもともと独立した企画として書いた脚本が大幅に改稿され、スピンオフ「バレリーナ The World of John Wick」のシナリオになった(改稿にはアナの希望で女性脚本家も参加したが、クレジットされたのはハッテンのみ)。レン・ワイズマン監督作「ダイ・ハード4.0」にスタエルスキがスタントマンとして参加した縁でワイズマンにメガホンが託されたものの、ワイズマンのオリジナル編集版は試写段階で不評だった。そのためスタエルスキが実質的な監督として再撮影・再編集に臨み、JWの世界観とアクションのクオリティが保たれたようだ。「バレリーナ」続編が早くも検討されているが、実現してもワイズマンの再登板はないだろう。
本作における格闘アクションのユニークなポイントのひとつは、体格とパワーで劣る女性が男性との殺し合いでどうしたら勝てるか、という難問に大真面目に取り組んでいること。殺し屋同士でフェアさなど関係ない。養成所の段階で股間蹴りも容認されている。アナ・デ・アルマスが演じるイヴは、バレエダンサー出身ゆえ美しく切れのある身体さばきで魅了するかと思いきや、けっこう泥臭く周囲の道具を何でも使って敵を殺戮し、悪党相手だから身体損壊もへっちゃら(R15+なので、残酷な描写が苦手な方は要注意)。特に手榴弾を大量に入手してからのシークエンスでは、近接戦での手榴弾殺法の多様なバリエーション(相手をどう爆破するか、何を盾にしてわが身を守るか)で観客を驚喜させる。
東欧のどこかにある設定の暗殺教団の拠点が、“殺し屋村”みたいでちょっと笑ってしまう。大人たちはもちろん、幼い子供たちまで全員が訳知り顔だ。スピンオフゆえJW役のキアヌ・リーブスは少し顔を見せる程度だろうと予想していたら、意外にも終盤でしっかりアクションの見せ場がある。この殺し屋村でのイヴとJWの関係性の変化も見所なので、ぜひ楽しんでいただきたい。
知った顔が揃う同窓会ではあった
ジョン・ウィックWorld、まだまだ健在
007の時の方が魅力的だったかもなー。長い髪がアクションで邪魔にな...
007の時の方が魅力的だったかもなー。長い髪がアクションで邪魔になるからか、おでこを出してかっちり固めてしまった前髪がルックス的に残念で、いつもほどの美人に見えないのが辛い。
前半、これはハズレじゃないかと思って、見るのを中断してネットで感想を漁ったら、「後半の村へ行く辺りからは俄然盛り上がる」みたいなことが書いてあったので、続きを見たところ、中断後の直後が武器屋での戦いで、そのすぐ後が村へ行く話だったから有り難かった。
村は「プリズナーNO.6」のハードアクション化路線みたいな感じで、住人みんなが次々襲ってくる「ザ・レイド」的な面白さがあるが、またすぐ捕まっちゃって拍子抜け。でも戦いが始まったら盛り上がる。気取ってばかりの会話劇がつまらなくて、アクションになると引きつけられて、の繰り返しなのは「ジョン・ウィック」と同じ。
でも殺し屋にジョン・ウィックが派遣されるのは、ファンが大喜びするのを狙ってのことだと思うけど、ストーリー的には先が見えてしまって緊張感を削いだ。あの2人が本気で殺し合うとは思えず、ジョン・ウィックが加勢して共闘しちゃうのは目に見えていたから、主人公の単独での戦いというサスペンスが軽量化してしまった。事実、最後に敵ボスはなぜか主人公の銃口の前に、いつもの余裕を持って立つのだが、本気で殺しに来ていると判っていて、いったいなぜあんな態度をとるのか。あっさり銃殺されて終わり。このへん爺さんとは思えない反撃ぶりをするとか、もうひとラウンドほしかった。
スケート靴を鎖鎌のように使って敵を斬りつけたり、火炎放射器対消火栓ホースという馬鹿馬鹿しい戦いだったりが、アイディアとしては小学生レベルでも、丁寧に映像化するとこれだけのものになるというのは、なかなか楽しい。でもジョン・ウィック・シリーズでもいつもそうなのだが、こんなにアクション描写を面白く出来るのなら、ストーリーの方もあの訳の分からない殺し屋集団とか掟とかじゃなくて、もうちょっと感情移入しやすい設定や展開にしてもらえないものかなと思う。最後も賞金首をかけられて、続編あるかもで終わるのも、ジョン・ウィックと同じ。
バレリーナなので、爪先立ちの技で危機を乗り越えるとか、そんなとこが1回ぐらいはあるんじゃないかと思ったけど、バレリーナ関係なかったんだね。
「アトミック・ブロンド」や「トゥームレイダー ファースト・ミッション」もそうだけど、女性主人公のアクションものは女優が頑張ってるのに、話がかなりつまらないのはなんでだろ。女性の弱さを入れないといけないと思いすぎてないか。007に出た時のアナ・デ・マルテスのように、飄々とした態度で敵を次々やっつける痛快さがあってもいいと思うんですけど。
遜色なし、むしろ最高。ウィックのDNAは健在
おおむね良かった
ジョンウィックの描き方が良き!
水は大切に
山椒は小粒でも
からだの節々がずきずきするような、見ているだけで筋肉痛になりそうな、ジョンウィックらしいアクションが全編に炸裂した。スクリーン側にカメラを設置しておけば逐一歪む表情によって「ジョンウィック鑑賞中」というリアクション動画ができそうな絶え間ない格闘。
常道として、女がアクションヒロインをやることは、アクションにエロス資産を投入することだが、バレリーナはその図式に阿って(おもねって)おらず、アナデアルマスはその綺麗な顔立ちとは裏腹にイガイガの装甲で無軌道に転げ回っているようだった。山椒は小粒でもぴりりとからいと言うが、ぴりりなんてもんじゃなかった。
アンダーワールドにおける夜や黒の存在感と、ジョンマクレーン(ダイハードにおけるブルースウィリスの役名)の台詞をぜんぶ覚えているというレンワイズマン監督はジョンウィックシリーズとの親和性が高かった。
得物(武器)がなんであろうと映画的ダイナミズムのために打撃と取っ組み合いへもっていき、手榴弾を銃のように撃ち、銃をナイフのように操り、ナイフを拳のように殴り、得物を放り出して取っ組み合い、得物を掴んで撃ち合い、通り過ぎた道程に死屍が累々と連なっていく様は、単身でハルシュタットを無人にしそうな勢いだった。
リアルな徒手空拳と若干抵抗もする書き割りのようなやられ役。ジョンウィックは夜間のネオン下で格闘するイメージだが、今回は寒々しい雪化粧の町へ移動するも、熱いアクションでむしろ身体が火照った。
アルマスさんが敢闘賞および努力賞だった。スタント割合は解らないがさまざまな武具の扱いの手慣れた感じが堂に入っていた。そんなものは一朝一夕で成しえるものじゃない。毎日触って鍛錬しほんとにキキマラになろうとしたに違いなかった。
ところで映画プロモーションの来日舞台挨拶には、海外の映画キャスト・スタッフにとって知る由もない日本のタレントが登壇し花束を贈呈したり無理矢理な絡みをするのが定石である。その役に任じられたタレントに罪はないが、あれは見ていてヒヤヒヤするし嫌なものだ。
とりわけ来日プロモーションは通訳を介することでタイムラグが生じると同時に、通訳が和訳しているときに外タレがポカン化する現象をまぬがれず、全体がAwkwardな空気感に包まれるのが常だと思う。
アルマスさんとワイズマン監督の挨拶には金メダリストの女性柔道家が登壇したが、それに絡めて柔道着を着たアルマスさんもワイズマン監督も終始日本的なプロモーションの進行に迎合的だった。もちろん仕事なんだから大人対応するのは解るが、アルマスさんの態度には理知を感じたし、当たり前だが利口な人だった。
ちなみに2003年にソフィアコッポラ監督が外タレが日本で遭遇する風変わりな饗応についての映画をつくった。
日本人は欧米人をノリがいいとかユーモアのセンスがあると思っているが、ノリがいいから、ユーモアのセンスがあるから、だからといっていきなりトップギアに入れてくるわけではない。
ところがCMの撮影で来日したボブハリスは、出会った途端にトップギアに入れてくるCMディレクターやマシュー南やチャーリーやコールガールの対応に苦慮した挙げ句、異文化適応障害のようなメランコリーに陥ってしまう。たまたま同じパークハイアット東京にいて、夫に置き去りにされメランコリーになっていた若い人妻シャーロットと意気投合し、眠らない街東京を回遊する。男女間で友情が成立しうるのか解らないが少なくともこの映画にはあった。
ソフィアコッポラは要するにおまえら変だぞと言っているのだが今(2025年)なお日本の業界は2003年にロストイントランスレーションで描かれた通りだ。
たとえば、なぜ映画バレリーナのプロモーションに来て柔道着を着せられ赤いドレスを着た女性柔道家とカメラにおさまらなければならないのか。
なぜ日本は外タレにナオトインティライミの歌を聴くCロナウドのような困惑をもたらしてしまうのか。
それらの現実の出来事はボブハリスが遭った珍妙な饗応と、どこが違うというのか。
結局バレリーナ・ジャパンプレミア舞台挨拶動画も他の外国映画のプロモーション同様、たんにバカらしくてAwkwardなだけだった。それでも、ふたりは笑顔でそれに付き合っていたが、もしそこにノーマンリーダスがいたら常に学芸会の親側発表みたいなことをさせられるプロモーションに辟易して途中で逃げ出したかもしれない。
アルマスさん以外ではルスカ・ロマのディレクター役をアンジェリカヒューストンが演じていた。表向きは館主で、劇場では折しもタルコフスキーのアンドレイ・ルブリョフが上映中だった。
コンチネンタルホテルのコンシェルジュ役のランスレディックが突然死したのは2023年3月17日だそうだ。本作は2022年には撮影が始まっていたという。
他の出演者では福島リラがよかった。登場シーンはほんの僅かだが、荒みきって傷ついたぼろぼろの雰囲気でぐいっと引きつけられた。scene-stealerだったと思う。
映画はてんこ盛り。フライドザワークラウトにいたってはリックダルトンが霞むほどつくられるが全体として詰めすぎ盛りすぎな印象が残った。
ちなみにチョンジョンソ主演のネットフリックス映画でバレリーナという同じく女単人称の韓国ノワールのがあったので無関係だとは思うがちょっと既視感をおぼえた。
imdb6.9、RottenTomatoes76%と92%。
正統派スピンオフ
乞う、続編!!!
スピンオフにしては上出来
アナ・デ・アルマスさんのアクションが素晴らしい
かなり期待してたのでちょっと残念。寝た。
アナデアルマス観たさに。ギリ間に合うかで観にいく。
結果、疲れた。疲れていたので途中寝た。最近はアクション映画でよく寝る。昔はアクションしか興味なかったのに、今ではアクションやってると先に進まないのでさっさと進まないか、と思ったりする。よくしたものでアクションシーンはミュージカルにおけるダンスみたいなもんだと思ってるので特にこの映画はそれをやる場所を選んで徹底的やってるけど、なんかもっさりしている。
おそらく今まで数限りなくある殺し屋の女性ヒロインの誕生エピソードからして特段めずらしくなく、唯一ハッとしたのは大人になってからの殺しの省略(殺人事後)。エレベーターからの脱出の際にカメラが追ってくとひとりでこんなに殺しましたというのが見え、おまけにエレベーター待ちしてるのと会話して出ていく際に車の前に潰れた人がいて、エグっと思って車が遠かって、、な、ところ、この一連がおおーーー!!!と、このプロとしての殺しを殺してるアクションを見せずに事後で見せるかっこよさなのだが、これがピークであとは眠くなる一方だった。
そんなことはないか。手榴弾で仕留めていくところも面白かったし、火炎放射器と消火栓の水、とかなんだかわかんない面白さもある。
しかし、思えば寒そうな季節設定と衣装も悪い。あのアナデアルマスをどう魅せるかが勝負なのに何も風でなびきもしない格好で、クリエイティブは何をやってるのだと問いたい。つくづく007のチームは優秀なんだな、と思わざる得ない。でもまじ眠ってしまって、まだやってんのかの世界だったのでこれ以上書き残すことはない。。
怒涛のバトルアクション
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