「【それいけ還暦F1パイロット】」映画「F1(R) エフワン」 abuさんの映画レビュー(感想・評価)
【それいけ還暦F1パイロット】
還暦パイロットがF1に復帰?
どうせ天才設定でいきなり優勝するんでしょ――そう思っていたら、見事に裏切られた。
全然勝てない。
引退した老体と経験の浅いルーキー、しかもチームはポンコツ。
復帰1戦目、2戦目、3戦目と結果は散々で、勝てる要素がどこにもない。
でも、そこからが面白い。
少しずつチームがまとまり、F1ならではの「二人体制で戦うチームスポーツ」として洗練されていく。
個人の才能ではなく、連携と役割が勝敗を分ける世界が見えてくる。
そして、圧倒的なサウンドと映像。
細かいストーリーを吹き飛ばすほどの迫力で、観る側をねじ伏せてくる。
映画館ならなおさらだろうが、自宅のテレビでも十分すぎる臨場感だ。
ラストラップは本当に息ができなかった。
まるで『ドント・ブリーズ』状態。
そりゃ、老体ブラック・ピットが勝てるわけがない。
でも「勝てない物語」をどう見せるか――そこにこの映画の価値がある。
文句なしに、素晴らしいモータースポーツ映画だった。
コメントする
