「モータースポーツエンターテイメント」映画「F1(R) エフワン」 クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
モータースポーツエンターテイメント
ブラッド・ピットが出ている映画を観るのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』以来か。どちらかというと好きな方の俳優だが、役柄はどれも似たり寄ったりな感じではある。
レースシーンのある映画は、最近では『フェラーリ』で見たくらい。それほどレースだとかの映画も見ない方かもしれない。
ぱっとしないF1チームに風来坊のベテランレーサーがやってきて、実力はあるが生意気で成績を残せていない若手レーサーとチームを組む、というざっくりしたあらすじを書くと、似たような展開の映画は山のようにありそう。
新味がなさそうでも多く作られているというのは、それだけ外れも少ないということにもあるだろう。『F1』もそうした映画の一つになるか。だいたい展開は読めるし、捻った物語でもないが、不快感とか変な違和感もないのでリラックスして見ていられる。
実在のF1レーサーが実名で出ているが、日本人ドライバーは実況で名前が呼ばれただけだった。鈴鹿もほんの少し申し訳程度に挿入された感じ。無いよりはましかもしれないが。
レースシーンは迫力があってよかった。スクリーンXという特殊な投影法で初めて見たが、こういう映画にはあっていて良かった。
最後はピットが勝つとは思わなかったが、それもありか。エンドロールでも映像がながれていたが、もうちょっと長くても良かった。何か最後に落ちでもあるかと思ったがそれは無かった。
エンタメ作品として創られているはずの映画にここ数年変な思想的な主張がちりばめられていることが多いハリウッド映画だったが、原点に帰ったような映画で好感はもてた。
