「ザッツ・エンタメ! でもラストの展開は…どうなの?」映画「F1(R) エフワン」 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ザッツ・エンタメ! でもラストの展開は…どうなの?
セナやプロスト、中嶋悟に鈴木亜久里といった時代のフジテレビ全盛期のF1から、随分とご無沙汰をしてしまった私。
最近の車のこともレースのこともよく分からないが、その辺りはちゃんと説明してくれる親切設計になっていた。
おそらく、私の知らないF1にまつわる有名人も出てたんじゃないのかな。(エキストラにしては、変な見切れ方してた人が何人かいたから。知らんけど。)
作品全体は、想像していた以上にエンタメに振り切って、主人公ソニーを演ずるブラッド・ピットの魅力を武器に、「これぞ映画!」というケレン味をてんこ盛りにしてフルコースで提供される感じ。
先日のトム・クルーズ(62歳)の活躍にも驚かされたが、いやいや、ブラッド・ピット(61歳)の身体もすごいよ。
音楽もカッコいいし、もちろん見事なハッピーエンドだし。
夏休みに友達やカップル、家族で観て盛り上がるには最高の一本だろう。
「『トップガン マーヴェリック』の陸上版」みたいな触れ込みだったけど、個人的にはちょっと印象は違ったかな。
私の様な拗らせてしまった人間には、残念ながらこういう直球エンタメはあまりハマらないんだけど、それでもちゃんと楽しかったのは確か。
(ここから少しネタバレしますのでご注意)
ただ、ラストの展開はみんなアレで納得できたのかな。
ソニー本人は「故意じゃない」と否定しても、反則スレスレの行為でああなって、APXチーム自身は圧倒的に有利になったワケだし、そこからは謂わば「勝ち確」の展開。
ま、確かに「最終ラップ、ゴール前のデッドヒート!」ってのもウソ臭いのかもね。
でも、それまでのレースでも散々ソニーはグレーな行為でチーム順位上げてきて、ラストレースもソレ?なんか、フェアじゃなくね?
って感じてたのは私だけなのかな。
あまりにも周りがソニーに甘いっていうのもあるし。
そもそもF1って、巨額の予算をかけたチームプロジェクトなんだし、過去に事故経験のあるドライバー(それも高齢)の健康チェックもしてないのはどーなのよ。
あと、技術チーフの女性も、それまではツンデレかましてたクセに、身体を重ねちゃったら途端にイチャイチャってのも…。
とはいえそんなモノはただの「言いがかり」。
製作ジェリー・ブラッカイマーの、良いクセも悪いクセもくどいくらい全部乗っけた「ケレン」爆盛りのお祭り映画。
是非音響のしっかりしている劇場で、2回目以降はスクリーンの至近距離でご覧頂くのがよろしいかと。
See you down the road!
