「タイトルなし(ネタバレ)」羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 ユバさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
前作同様、『人間と妖精の共存』をテーマに、主人公、小黒と無限の姉弟子である鹿野との交流を中心に、物語が展開していく。
ただ、今作は前作とは違い「内部抗争」のような形となっていて、前作よりもよりシリアスな雰囲気を漂わせている。ゆえに敵以外に人間がほとんど登場せず、前作のような「小黒と人間との交流」を期待している人は肩透かしを食らってしまうかもしれない。
幼さゆえの小黒の視野の狭さ(どちらか一方が正しくて、どちらか一方が間違っているという認識)が目立つものの、鹿野含めた周りの大人がそれを否定も肯定もせず、ただ彼の成長を見守っているのが印象深い。
自身を取り巻く環境がどんどん複雑化していく中で、小黒が最善を尽くそうと頑張っているのが非常によく伝わってくるので、見ている側はそんな彼を応援したくなる。主人公として、とても好感を持てるキャラクターだと思う。
その一方で、前作で感じていた「情報過多な部分」は今作でも健在していた。
特に今作は前作の倍近い数の人物が登場し、その上で「全て知っている前提」でストーリーが展開していくのでついていきづらい。羅小黒戦記自体、テンポが速い作品なのでなおさら。
実際、シアターを後にする際、他の客達が「鹿野以外のキャラの名前を覚えていない」と話しているのを聞いたので「ついていけない」と感じる人はたぶんそれなりにいるのではないかと思う。
作画は前作よりもレベルアップしていて、特に戦闘シーンはかなり見応えがあったので、それゆえにせっかくの面白い作品を、ある程度の予備知識がないと100%楽しむことができないというのは、少し残念だなと感じてしまった。
ただ、繰り返しにはなるが、作画は前作よりもレベルアップしているから、これだけでも観に行く価値は十分にある。
前作のスピーディな展開についていけた人は、観に行ってみてもいいかもしれない。
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