「中国アニメと侮るなかれ、今年1の傑作」羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 ryuzoさんの映画レビュー(感想・評価)
中国アニメと侮るなかれ、今年1の傑作
今年は鬼滅やチェンソーマンなどアニメのヒット作が多いです。
どちらも素晴らしい出来栄えで記録的ヒットも納得です。
しかしあえて声を大にしてこの羅小黒戦記が今年1番の傑作であると言いたいです。
キャラクターの良さ、背景美術、アクションシーン、音楽。どれをとっても素晴らしい出来栄えで終始ワクワクが止まらず見ることが出来ました。
個人的にストーリーは1作目の方が好きですが、1作目よりさらに濃密なバディものでシャオヘイとルーイエの姉弟弟子のバディはドラマチックで飽きることなく最後まで鑑賞できます。
今作から登場するルーイエは過去に悲しい出来事があるキャラクターですが、その過去はルーイエから語られる事はなく、セリフのない回想シーンで絵と演出だけだ語られていきます。
その回想シーンがとてもエモーショナルで下手に語られるより、染み入って入ってきます。
シャオヘイとの掛け合いも良くとても素晴らしいキャラクターでした。
師匠であるムゲンは、ホントに人なんですかね?笑
今回は物語の大筋には絡まないものの、見せ場はたっぷりで最強たる所以をまざまざと見せつけてきます。
あんな化物相手に押し勝てるシャオヘイの領海の力って凄まじいんだなと実感しました。
シャオヘイとの師弟関係も微笑ましく見ていてホッコリします。
そしてなんといっても、主人公のシャオヘイがとにかく愛くるしい。
前作から人間と共存する未来を選んだシャオヘイですが、師匠の下で修行をし、考えを学んでとても素直で良い子に育っています。
ルーイエのダーティーな行動にもきちんと怒りを示し叱責したり、きちんと自分の考えを持って行動したりしています。
1作目からの成長と、ムゲンがいかにシャオヘイに愛情を持って育ててきたことが端々に感じることが出来てこちらも親のような気持ちで見てしまいます。(映画終わりにあんないい子に育ってと泣いてる人がいましたが激しく同意しました)
この作品の良いところの1つに妖精たちの多様な力や能力があります。
今作は前作以上に妖精がたくさん出てきて見てて飽きません。
シャオヘイの空間属性の空間転移やルーイエの索敵能力、バリアや、ハガレンばりに地面を操ったりetc
とにかく色んな表現が出てきて感心しました。
所々に日本ぽい演出や見栄の切り方があり日本アニメに対するリスペクトを感じられます。
肝心のアクションシーンも動きが多彩で中国らしい細々と矢継ぎ早にコマが動く、動きの早いカンフーのようなアクションが目を引きます。
正直鬼滅のアクションシーンの百倍いいです。
こういった緩急ではなく断続したアクションのテンポはこれから中国アニメの象徴になっていくのかもしれません。
所々にちりばめられたギャグ要素も面白く。
シャオヘイが師匠に化ける敵をいつも師匠にボコボコにやられているので、ここぞとばかりに憂さ晴らしするシーンは凄く面白かったです。
ルーイエが爆笑してるのもよくわかります。
誰が見ても楽しく見れる映画を作るのは中々難しいですがこの映画は、数少ない一本です。
最後に、これだけ素晴らしい作品を観ることが出来て良かったと思う反面、日本のアニメ業界に一抹の不安も感じられたことも付け加えておきます。恐らくアクションだったり演出の部分は日本から引き抜いた人材から中国のアニメーターに伝わり中国ナイズドされた物なのだろうなと感じました。
日本もアニメーターの給料をきちんと上げないと技術流用されあっという間に中国アニメに抜かれる可能性もあるのではないかと思います。
お互いに切磋琢磨してさらに面白いアニメを作っていって貰いたいと1アニメファンとして願いたいと思います。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
