「普通の内容、非凡な作品」ふつうの子ども uzさんの映画レビュー(感想・評価)
普通の内容、非凡な作品
呉美保監督の割に、重さはなく、子どもの生態をそのまま切り取ったような作品。
冒頭から、非常に自然な日常が描かれる。
はじめは喋り方に違和感があったが、あの頃ってああいう芝居がかった口調になったりするよね。
唯士くんが心愛ちゃんの気を引こうと起こす行動は、身に覚えもあり微笑ましい。
自分なら面倒くさくて勘弁だけど、あれに大人っぽさを感じて惹かれるのもあの歳ならではか。
(絶対おかっぱの子にしといた方がいいと思う)
陽斗くんは不快感の方が強いけど、物語の推進力としてはアリだし、確かにああいう子もいる。
最初の貼り紙程度なら、「結局手書きもしとるやん」というのも込みで楽しくも見ていられた。
ロケット花火からは笑えなくなるが、子どもならリアルにやる範囲なんだよなぁ。
模倣犯に対抗心を燃やす描写も然り気なく上手い。
自覚はないだろうが、義憤よりもやはり遊びや背伸びの感覚が強いのだ。
グレタさんっぽい少女の言葉を英語で暗誦できるあたり、心愛ちゃんも真剣ではあるのだが…
最終盤では、瀧内公美がぜんぶ持ってった。笑
陽斗くんのみっともなさや、正義を盾に言い返すことも出来ない心愛ちゃんが霞むクセの強さ。
あの中では一番正論だし合理的ではあるんだけど、正しくはないのもいい塩梅。
大人も子どもも演技が自然だし、描かれる内容もどこでも起こりえるものばかり。
そういった意味で、タイトルに偽りなく“ふつう”なのだが、これを撮れるのはふつうじゃない。
コメント&いいね!ありがとうございますー。
心愛ちゃんとお母さんの家の様子も覗き見たくなりました。
心愛ちゃん、ちょっと心配です。
それにしても、子どもたちも大人たちも、みんな興味深いキャラでした。
中学2年生ぐらいになった時に、また見たいかも。


