火喰鳥を、喰うのレビュー・感想・評価
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日常が飲み込まれるスピード感にゾワゾワ!
田舎で平凡に暮らしていた雄司・夕里子夫妻の日常で
謎の現象が頻発するようになり、
別世界に飲み込まれるように日常が変わっていく…というストーリー。
次々に二人の世界が変わっていくスピード感に圧倒され、
体感20分で気付けば結末を迎えていました。
キャストの方々の演技もそれぞれの役に合っていて
ますます引き込まれるようで、
終わった後の何とも言えない背筋のゾワゾワ感が癖になります。
ホラー要素は薄めでしたが、その分サスペンス的な要素が強かったかも?
初観ということもあり展開に圧倒されたので、
ストーリーが分かった上でもう一度観るとさらに面白いと思いました。
何回も見たくなる映画
ホラーに脈絡は要らない、とは思うけどさ
既視感のあるエピソードを脈絡なく繋げて、愉しみどころの乏しい映画だな…ホラーなのにちっとも怖くないし。
…と思っていたら、唯一身震いするシーンがありました。
扉に貼りつくカブトムシの集団!
一匹だと怖くないのに、集団だとなぜか怖い…
不思議てす。
そして、雄司。虫嫌いのくせになぜビビらない!?
…いや、わかりますよ?
怖かったはずの虫が気にならなくなるほど、妻への執着が高まってきたという表現なんでしょ?
執着と言えば、北斗の「執着の強いほうが勝つ」という主張。
まあ、そうだろうね。言い換えると「諦めたらそこで試合終了だよ!」ってことだよね。ホラー風の表現なんだね。
ところで、ラストは意外と気に入りました。
(中盤のパラレル化したところからは眠気を堪えるのに苦労しましたが)
こんなに脈絡がない、つまりゲームのルールが訳わからない設定だったら、勝てるはずないもん!
北斗に倣って主張してみるなら
「ルールを支配したほうが勝つ」ってことで…
ルールを好き勝手に変えちゃう支配者に統治されてる国に住んでる人は大変だよね…
あっ! もしやこの映画はファシズム批判が奥底に秘められていたのか? …なわけないか。
あと、鳥はわりと可愛いかった。
キャスト陣の白熱した演技に引きこまれました。ストーリーは好みが分かれるかも?
原作未読です。普通とは違う孤独と生への執着が日常に侵食していく様子に引きこまれました。普通の生活が一つのきっかけでそうではなくなっていくこと。とても面白いストーリーでした。
もっと救いがないラストの方が好みですが夫婦の寄り添う姿を観ているのでラストは希望のある終わり方で納得です。そのためのシーンもあったはず。もっと貞市の孫や北斗へ寄せた雄司側には希望のない世界のラストでも好きなストーリーでした。
ラストって本当は存在してはいけないような世界なはずですよね。そこで初めて出会った二人だったので、この作品は怪異に振り回されながらも手を離さなかったふたりのラブストーリーなんだなとも感じました。
そして何より、キャストの方々の演技が素晴らしかったです。
特に水上さんと宮舘さんの演技がとても!
水上さん演じる雄司。あまりそういうのは信じたくない雄司がどんどん怪異に巻き込まれていく。説明できない何かに振り回されていく姿、圧巻でした。
そして宮舘さん演じる北斗。本当に怪演です!すごい!雄司側に立ってみればソトから来た普通じゃないことを言ってる怪しい人なんですが、説得力ある存在でもっと詳しく教えてほしいとなる謎の安心感にまんまと騙されました。ただただ嫌なヤツではなくて、背景にある孤独と繊細さにまんまと持っていかれました。「嫌いになりきれない北斗」とても刺さります。
もっとここは?ここはどうなってるの?となるのでまた観たい作品です。
ネタバレ考察
いわゆるホラーとは違う、不思議な感覚の映画。お化けが出るわけでも無く、どこと無く怖い、どんどん物語に引き込まれてあっとゆうまにラスト。とても面白かった。
火喰鳥とはつまり、戦争中に餓死する寸前に生き残った最後の3人。戦友を食べるかどうかという極限で人肉を鳥肉に脳が変換した状態だと言うことだろう。どうしても生きたい、その思いが強く、人肉を食べるコースは貞市は生き残るコース、食べなければ貞市は餓死のコース。その『タベタイ』という強い思いがこもった手帳を北斗が見つけ、その思念を利用して夕里子に近づく。
これは戦争中の貞市の『イキタイ(戦友を食べたい)』が勝つか、虫も殺さないほどの主人公が夕里子を『取り戻したい』一心で人を殺せるのかの競争、と北斗は言う。
北斗が殺されたシーンで『僕の勝ちだ』というのは、北斗の罠なのか?ユリコと夫婦になれなかったコースの北斗をわざと殺させ、もう1人の北斗と結婚させたのか?
あの白いワンピースの女の子は、貞市の娘の子?
小説も読もう。
映画は観た後に余韻がすごく、面白かった。俳優陣も良い。考察好きな映画好きにおすすめ。
主役の水上、山下の自然な演技と、強烈なオーラを放つ宮舘が良かった。
ミステリーではない
ネタバレありです
前評判が良かったのとグロテスクな表現やホラーが大の苦手でも観賞可能というフレコミだったので見てきました
主人公の祖父の兄の生存する世界と既に◯んでいる世界、どちらが覇権を握り正史となるのかいろいろな登場人物の人生が絡み合うミステリー&ホラー
と言われてますがミステリーの要素は皆無に感じられました
トリガーは夢の中で命にかかわる出来事が起こった時に並行世界の方に行けるのかな?
まずこのトリガーが分かりにくいです
あともっというと貞市が生きている世界からみて滅ぼさないといけないもう一つの並行世界の時代は主人公の今生きている世界ではないと思う
ズレた時代で覇権を争っても意味なくないですかね?
北斗も役者を知らないので尾上松也がずっと思い浮かんでガス!!ガス!!って言ってる様が頭から離れませんでした
要はこの役全然ハマってない
劇場版パトレイバーのリバイバル上映を諦めてこっちを見たんですが、正直パトレイバー見とけば良かった
ジワジワと染みてくる怪異。
上手く作られている
いまの時代(世界)だと思っていたら…
二転三転し最後はとんでん返しがあった
見ている私たちを欺いていくかの様
貞一の"生きる"事への執着が強く
現在の生活が少しずつ侵食されていく
・・夢落ちが散りばめられて
どこが"真実"で現実なのかわからなくなる
謎がミステリィとなって飽きることなく
次から次へと新たな謎の展開に
見応えはありました
…火喰鳥とは
架空の鳥だと思っていたら
実際に実在する鳥でビックリ
ラストは
冒頭と全く違ってしまった
二人がすれ違って振り返った先には…
とても気になりました
所々分かり難さはありましたが
キャストの皆さんに
グイグイと引き寄せられ
怖かったけどおもしろかった
火喰鳥を、喰う
知らんけど多分映画としては失敗作
役者さんが皆素晴らしい
難解。しかしキャスト陣の芝居は圧巻。
映画化にあたり当然原作から端折る部分が出てくるわけだが、「この部分は描いた方が(変えない方が)良いのでは?」と思うところが多々あり、難解な出来になったという印象を持った。
また、私は原作の結末が作品の最たる魅力と感じていることもあり映画のラストにはかなり不満だが、「望まない形で引き裂かれた久喜夫妻の心に籠っていた互いへの強い執着により、出会いをトリガーにして再び世界は改変に向かう(かもしれない)」と解釈すると、物語の軸には沿っているのでまあアリなのかなと考えを改めた。
「今」を存続させたい2つの世界があり、どちらが正になれるかという食い合いをしているわけだが、貞市陣営の強いこと。ちなみに貞市陣営の「主人公」にあたる人物のバックボーンを知った上で観ると「おっ」と思うシーンや台詞もあるので、気になる方はぜひ原作を読んでいただきたいと思う。
ネームドキャラを務めたキャストのお芝居は文句なく良かった。
主要どころで言うと、既にたくさんの映画やドラマで活躍している水上さん、山下さんは表情一つに乗せる感情が多く見て取れて素晴らしかった。
また、宮舘さんのお芝居は初めて見たが、最後まで良い意味で異物として際立っていた。声の表現力が高かったことにも驚いたし、キーマンとしての役割を完璧にこなしたと思う。
亮の再登場部分が良く分からなかったことや、与沢の最後のシーンはもっと丁寧に描いて欲しいなど思うところはあれど、キャスト陣の尽力もあり映画としては及第点以上をつけて良いと思う。
【”異常なる生への執着、思念、籠りが惹き起こした禍々しき事。”今作は、戦地ニューギニアで亡くなった男の日記が惹き起こす怪異、超常現象を描いた、突っ込み処満載の作品なのである。】
■長野県松本の郊外の田舎に住む雄司(水上恒司)一家の元に、第二次世界大戦中、ニューギニアの密林で亡くなった祖父の兄、貞市の日記が返還された。
その後、一家の代々の墓石から貞市の名が削り取られ、祖父が軽トラと共に忽然と姿を消すなど、異常が起き始める。
雄司の妻、夕里子(山下美月)は、且つての知り合いで超常現象専門家と名乗る自分に執着を持つ北斗(宮館涼太)に仕方なく、連絡を取るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤から、雰囲気バッチリの不穏感満載で物語は進む。そして、登場した北斗が、怪しげで非常に気味が悪い。
執着を持っている夕里子には、雄司の前でも”相変わらず、美しい。”と言い、下の名で呼び捨てにするのである。
・物語が進む中で、貞市が且つてニューギニアの密林で亡くなったはずだったのが、徐々に”火喰鳥を喰って、戦地から生きて戻った”と人々が言い始める辺りから、物語の構成が分かって来るのである。
■それは、貞市と北斗の異常なる夫々の執着により、雄司たち家族の過去、現在の歴史が変わっていくという事なのである。
雄司たちの家には、”知らない人”を訪ねるノイズの入った電話が頻繁に掛かり、北斗も異常な儀式を始めて行くのである。
そして、気が付くと、雄司は大学の教師から天文台の職員になっており、夕里子も母もいないし、彼はその記憶も失っているのである。
つまりは、貞市と北斗の異常なる執着、思念、籠りにより住む世界が変わってしまったのである。
駅のロータリーで雄司と夕里子が擦れ違っても、お互いに気付かないシーンはそれを象徴しているのである。
<今作は、戦地ニューギニアで亡くなった男の日記が惹き起こす怪異、超常現象を描いた作品であり、貞市と北斗の異常なる執着、思念、籠りが惹き起こした禍々しき事を描いた作品でもあるのである。>
ホラー苦手でも観れる、でも人は選ぶ
今日は『火喰鳥を喰う』を観ました。
ホラーが苦手な人でも見られるタイプで、イメージは『犬神家の一族』や金田一耕助シリーズのようなクラシカルなミステリーホラー。血やスプラッタのようなグロ描写はなく、雰囲気で魅せる作品です。
ただ、内容は呪い・陰陽師などスピリチュアル寄りで構成されていて、そこに乗り切れませんでした。たぶん細かい伏線とか深い要素も散りばめられているんだと思いますが、正直そこを考える前に熱が冷めてしまった、というのが率直な感想です。
原作を読んでいれば印象も違ったのかもしれませんが、この方向性のミステリーだと分かっていたら最初から選ばなかったかも…。結果としては「相当人を選ぶ作品」。古典的なミステリーとスピリチュアル要素の融合に惹かれる人なら楽しめると思いますが、そうでない人には退屈に感じてしまう可能性が高いです。
ラブストーリー的な要素もあり…
原作はミステリー&ホラーですが芯にはラブストーリーもあり観た後に余韻が残る映画でした。
水上さん山下さん宮舘さんのお芝居がピタリとハマっていて展開にわくわくしました。
主人公達に割って入る曲者な北斗役の宮舘さん、とても異物感があって良かったです。
何回か観ても解釈が深められて面白いと思います。
衝撃のラスト(演者について追記あり)
故人の日記を受け取った事から、次々と起こる不可解な現象。現状が徐々に重く過酷なものへとなってゆき、観ていてこちらも鼓動がジワジワと早くなる。2転3転するストーリーに全く目が離せない。
見所は、主役と影の主役、2人の直接対決シーン。まるで違う色の巨大な炎がぶつかり合うような迫力に圧倒された。演者の力量が高く、それぞれの想いに突き動かされた行動に説得力を感じた。
そして衝撃のラスト。
ここからどうなるのか?この続きが観たい!と思わず地団駄を踏んでしまう。続編があったら迷わず観に行くだろう。
世界観にどっぷり浸かってしまい、観終わった後、自分のこれは現実?と疑ってしまうほどの深い深い余韻。あのシーンの意味は?あのセリフは?あの人物は?と頭の中で推察が止まらない。特に原作を読んでいない勢にはストーリーのカラクリが難解。もう少し映画の中でヒントや説明を散りばめて欲しい。
謎の解明の為に、帰りに原作を買おうかどうか迷ったが、解答をすぐ手に入れるのは逆にもったいないと考え直した。まずは映画の世界観の中であれこれ推察してみようと思う。
演者について追記を。
水上さんは初見で観るこちら側代表、水先案内としての役割を的確に果たしていた。何度も繰り返される「何を言ってるんだ…?」がこちら側の感情を代弁。最後までこちら側との接点としてブレない演技に脱帽した。
山下さんは、雄司の前では普通の明るくいい奥さんなのに、北斗が登場してからはガラリと表情が変わる。北斗との関係性を知り、これが本当の夕里子だったのかと納得。北斗の前だとむき出しで素のままの夕里子が現れ、とても引き込まれた。右半身はこちら側、左半身はあちら側で分断されて揺れ動く難しい役をしっかりと演じきっていた。
宮舘さんは登場シーンでこの映画の雰囲気に合っていないと感じた。突然異分子が平常に紛れ込んだ感覚。が、物語が北斗の思惑に侵食されていくにつれ、とんでもない存在感を放っていくようになる。物語の世界を全反転させる強大なパワーを持つ役であり、演者、影の主役だと感じた。
3者のバランスがとても良かった事が、観客を未知の世界に引き込む1つの呼び水になったと思われる。
ホラーにしては怖くないし、色々と疑問に感じるところが多過ぎる
戦死した祖父の兄の従軍手帳が見つかったことを発端として、数々の不穏な出来事が巻き起こっていく序盤の展開には引き込まれる。
失踪した祖父がとっくの昔に交通事故で死んでいたことになっていたり、戦死したはずの祖父の兄が日本に帰還していたという証言があったりと、歴史が改変されていくような不思議な感覚が味わえるところも面白い。
ただし、主人公は、そうした不可解な現象に翻弄されるだけで、悪夢によって車に轢かれそうにはなるものの、特段、命の危険が迫っている訳でもなく、ホラーとしての切迫した「恐怖」を感じることはできなかった。
妻の大学時代の知り合いの超常現象専門家は、登場した時点で胡散臭いのだが、怪現象の黒幕が、戦死した祖父の兄なのか、この超常現象専門家なのかが終盤になるまでよく分からず、そうした、「倒すべき敵」が明確でないところも、生き残りをかけた「戦いの物語」としての強度を弱めてしまっていると思えてならない。
話としても、よく分からないところが多いのだが、結局、超常現象専門家が黒幕で、生きて帰りたいという強い「思念」の「籠り」である従軍手帳を利用して、主人公と妻が結婚している現実の世界を、自分が主人公の妻と結婚するもう一つの世界に作り変えようとしたという解釈で良いのだろうか?
ただ、それにしても、主人公の祖父の兄を生きていることにしたら、どうして、主人公が交通事故で死んで、超常現象専門家が主人公の妻と結婚することになるのか、その関連性が不明だし、その企みが成功したとしても、現実の世界の超常現象専門家は死んでしまうので、彼自身は、主人公の妻との結婚生活を体験することができないのだが、本当に、それで満足なのだろかという大きな疑問が残る。
さらに、もっと分からないのは、ラストシーンで描かれた主人公の姿で、現実の世界がもう一つの世界に変わってしまったのだから、主人公は、14歳の時に、父親や祖父と一緒に交通事故で死んでしまっているはずなのに、どうして天文台で元気に働いているのだろうか?
たとえ、「君の名は。」のようなロマンチックなエンディングを作り出すためだったとしても、これは、明らかに、それまでの物語の「ルール」を否定してしまう展開であり、「主人公の苦労は一体何だったのか?」と思われて、到底納得することができなかった。
全302件中、261~280件目を表示






