火喰鳥を、喰うのレビュー・感想・評価
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執念が妄念になって身近に怨念
信州の旧家の跡取り息子『久喜雄司(水上恒司)』の周りで
怪異が頻発するようになる。
始まりは一族代々の墓の碑銘が削り取られていたこと。
当該者の『貞市』は大叔父で、
七十年前にニューギニアで戦死していた。
奇しくも事件が明らかになったのは、
彼が遺したとされる現地で見つかった日記が、
三四半世紀近い年月を経て家族の元に戻される当日だった。
それ以降、『雄司』と妻の『夕里子(山下美月)』は悪夢にうなされるようになる。
日記を持ち込んだ「信州タイムス」の記者『与沢(森田望智)』の同僚や
その場に居合わせた『夕里子』の弟『亮』は高熱を発する。
祖父の『保』も行方不明となり、
全ての元凶が日記にあるのではと疑い始めた『夕里子』は
大学時代の同級生で異能の持ち主『北斗(宮舘涼太)』に連絡を取る。
滑り出しは上々。
{ホラー}のようでもあり、
怪奇現象の謎解きの要素も垣間見え、
暗めの画面の色調と相俟って
日常の何気ない出来事にも不穏さが隠れているようで、
観る者の神経をざわつかせる。
十数年前に夫を交通事故で亡くした
底抜けに能天気な母の『伸子(麻生祐未)』を除けば、
登場人物の皆々になにかしらの影を見る。
時折姿を見せる、白い服を着た怪しい少女も
謎のスパイスとして良く効いている。
しかし、物語りが進むに連れ、次第に違和感が。
あったハズの記録や記憶が無くなり、或いは書き換えられ、
居たハズの人が居なくなる不思議にどのような説明を付けて行くのか。
「全てがホラーです」で終わらせれば、
納得はしないものの、オハナシとしては成立するのだが・・・・。
パラレルワールドでは、
『貞市』は戦死していない世界があり、
『雄司』が交通事故で亡くなっている世界がある。
「日記」が触媒となり、
多くの世界と時空が浸蝕し合う。
根底には、
戦地からなんとしても生きて帰りたいとの
『貞市』の執念がある。
そのためには、「ヒクイドリ」を食べることを厭わず
(実際は食用に飼われているらしいが)、
更には人肉食の禁忌すら犯そうとする。
執念が妄念に変換する瞬間だ。
血の繋がりもあり、顔も似ていると言われる『雄司』は、
夢か現かも判らぬまま、複数の並行世界の大叔と体験を共時する。
実は登場人物の中には、
もう一人、妄念を持つ人物がおり、
彼の意識が怪異に大きく関与する。
幾つかの事実が明らかにされてみれば、
コトの発端からしてなのだが、
本人は寧ろそのことを、
悲願を達するための天祐と捉えている節さえある。
げに恐ろしきは、色恋の感情。
ある人にとっての団円は、
別の人にはバッドエンド。
なのに最後に見せられるのは、
負の側面が描かれぬ、
奇妙な平穏さが支配する複数の世界。
とりわけ最後のシーンは
有名なアニメやなにかのドラマのイタダキですか?
懐かしさと新鮮さを感じる新しいミステリー映画
人がたくさん死ぬ訳でも血がたくさん出るタイプでも絶えず悲鳴が響くような展開でもない。なのでこれをホラー映画と言うのは少し違う気もします。ただただ幸せな日常が少しずつ着実に失われていく気持ち悪さがジワ〜〜っと滲んでいて確かに起きている異変に登場人物は翻弄されるしかないので主人公はずっと可哀想でした。
それでも久喜夫妻がしっかり愛し合っていてお互いを守りたいと思い合っているところや夫婦のささやかな幸せが要所要所でちゃんと入って来るので、気味が悪いだけの映画になっていないのが良いと思いました。
役者のお芝居が全員熱が入っていて良かったです。
水上君は若いのにもう俳優としての貫禄がありますね。
重要な役どころの宮舘さんも大変存在感があったと思います。
豊田くんは初めて拝見しましたがはっきりとしたお芝居で良かったです。
考察好きには刺さる作品だと思います。
自分ももう一度見に行こうと思います。
えっ、◯オチ😳🤣
思わせぶりなホラー?
怖いというよりも、その展開にタイムマシンのないタイムパラドックスのように感じた。
とりあえず火喰い鳥って言うのも、キーワードでも何もない、そこから思わせ打っている感じがした。
冒頭に出てくるお墓はちゃんと作ったっぽくエンドロールにあった。
ラストは、アニメ「君の名は。」ですか。
結局、北斗(宮舘涼太)の執着が、過去のニューギニアまで影響を及ぼしたのか、とオカルトっぽい所はあるけど。
執念の強い人には勝てないよね
これでよかった。
たとえ2人が違う途に生きていても、
2人が無事に居られるなら、それでもいい。
その涙のラストシーンと音楽(主題歌ではない)に
本作は、失われた恋愛映画なのだと知る。
水上恒司主演なので観る。
(公開記念舞台挨拶 全国同時生中継の回を選ぶ。)
水上恒司さんのシーンは水上恒司さんしか見ていない、
といっても全く間違いではない僕である。
そこへ胡散臭さマル出しの麻生祐未さんが出ると、
ああ、この人が犯人、この人が絶対犯人だ!
と水上恒司さん熱を冷ましてくれた。
麻生祐未さんは犯人どころか、ただの脇役でしかなかった。
もう、ガッカリである。
そもそもミステリーホラーのKADOKAWAだからてっきり
犯人ものだと思っていたら、違う話になっていた。
執念執着がテーマ、その輩の掌に転がされる。
アクビは3回出たが、ユニークな話だとも思える。
本年度ワーストワン候補作【追記あり】
原作は未読、事前情報は予告編のみ。
最初にネタバレしちゃうと、本当につまらなかった😛
要するにカニバリズムと時空を超えた粘着NTRのお話でした。
まず全体を通して役者陣の演技が酷く、北斗とかいう謎の探偵役に至ってはほとんどコントかと思ってしまうほどで、某氏のレビューにあった「気持ちの悪い演技をする尾上松也」というのがピッタリすぎでした。
肝心の“火喰い鳥”のビジュアルにしても、かなりオドロオドロしいのかと想像していたら、なんだか“ほとんどダチョウ”というあまりの拍子抜けっぷりで、「まあアレならフツーに喰っちやうよな」と(笑)
早く終わらないかなぁー、と思いながら見るのは辛かった。
取り敢えず「野火」を書いた大岡昇平先生に謝れ。
なんだか一部の役者目当てなのか、似た文章の高評価レビューが散見するんだけど、この作品しかレビューしてないからすぐにバレちゃうんだよね。まあそれも“評価”の一部なんだろうけどさ。
PS
舞台挨拶でお辞儀をする時に懸命に胸元を押さえる山下美月ちゃんの恥じらいに⭐️1個を捧げます。
う〜ん、どうしよう、わからない!
水上恒司さん、山下美月さん、とてもいい雰囲気、演技でしたし、イカサマ宝石商みたいな宮舘涼太さんも主人公(水上恒司さん)が劇中で感じた違和感(嫌悪感)をあれだけ表現できてることではある意味いい味出してました。本来なら過剰な怪しさではありますがこのストーリーの中では秀逸だった気もします。(褒めすぎると勘違いしそうなタイプかも?)
でも現実世界とパラレルワールド、妄想(?)の行ったり来たりで混乱してしまい、エンドロール後に種明かし的なものがあるのかと期待したもののあっさり劇場の明かりがついてしまい頭の上に『???』が13個くらい乗っかった状態でイオンワンダーを後にしました。
女の子、終わりの方で何だか唐突に出てきた女の人がお母さん(麻生祐未さん)に何度もかかってきた怪しい電話の人が言った名前みたいなので「そうか、そう繋がるのか?」とは思いながらまだまだ消化不良状態、もっと言えば『食べたものが原形を保っているくらいの噛み砕き状態』です。
この状態では正しいレビューにはなりそうもないのでこれくらいにして、原作に挑戦するか皆さんのレビューで復習してまた臨みたいと思います。
背中がザワザワする怖さ
初日、ストーリーも知らず先入観なく観てきました
どっしり現実感と安定をもたらす水上さんに清らかなムードの山下さん
皆さん、それぞれうまくて
不思議な怖怖ムードに背中がザワザワ…
途中、戦死された方がそんな呪うか?と少し不満感を持ちましたが
キィワードは「執着」
生きたい!帰りたい!と思う悲し過ぎる執着と自分勝手な悪意しかない執着
そして美しい愛という執着
観終わった時、まだ少し気持ちが落ち着かず、一夜明けて脳がやっと全体を受け入れて着地して
ゆっくりと面白かったな、と思い出している不思議な映画というのが今の感想です
宮舘涼太さん
すごくミステリアスな、信用していいのか悪いのか判断出来ない雰囲気を出して上手かったです
良い俳優さんを発見した気分で、これも星に反映してます
TVで観たらつまんない!ってなりそうだから是非映画館で観て!
映画館の予告で惹かれて
そしてレビューの賛否が結構分かれていたので鑑賞を決めました。
睡眠不足も手伝って、先日観た映画でも途中で数分寝てしまった私ですが
この作品はその翳りも無く、冒頭からどんどん話に引き込まれて行きました。
「何?」とか「怖い、怖い」って思ったり
ちょっと寒気したりしながら、笑
昔は目に見える物しか信じられなかったけれど
かなり大人になった近頃は
「言霊」とか「引き寄せ」とか、目に見えない物の力を確実に感じます。
この映画の中での「執着」、凄いですね
もう生き霊ですよ
そしてそれによってパラレルワールドが生まれた?
答え合わせをしようとすると
「?」って所もありそうですが
そんなことは考えなくても良いくらい面白かったです、私はね。
決してダテサマ絡みではございません!
「執着」って否定的な言葉だけど
言い方を変えれば良いものになるのでは、思う私は
執着体質があるのでしょうか…?
そしてこの作品はTVで観たら
クソ面白く無い、ってなりそうで残念
TV放映はして欲しく無いなぁと思いました。
執着心が強いものが勝つのか
原作未読です。
具体的な怪異が襲ってくる訳では無いが世界の見え方が変わって行く、じわりじわりと心のひだに恐怖を塗り込むような映画です。
主役の水上恒司は持ち前の骨太の演技力を柔らかく表現されて、不条理な出来事に巻き込まれて行く様は見ものでした。妻 夕里子役の山下美月は、とある秘密を抱えた新妻を繊細に表現されていて、自分はこの二人の演技を見に行ったようなものです。
しかし、実際に映画を見て嬉しい誤算というか儲かったような気分にさせてくれたのは宮舘涼太です。
胡散臭いというか超常現象に詳しいある意味ストーカー気質のある変人を演じられてドハマりの役どころでした。表情がとても良くビジュ第一のアイドルのはずがとてつもなくイヤらしく共感の欠片もないような表情をする場面があり、あれこの人ってアイドルだよなぁと驚いてしまいました。
ラストでは全ての仕掛け人であった宮舘涼太演ずる北斗総一郎の望む世界線となり、北斗と見えない世界を感じることができる夕里子と執念の末、結婚することになったが1ミリも幸せそうに見えない二人が印象的でした。
とにかく主役の二人を見に行ったら、宮舘涼太という俳優に心を持っていかれた映画でした。しかし、今回の宮舘涼太はストレートというよりドきつい変化球を見せられたようで、これからどんな役どころ演技を見せてくれるのか、楽しみと期待しかないです。
怪奇!巨大怪鳥とキモ元カレ!!
あと歴史改変日本兵!カブトムシ!!
[真面目な話]
設定というより感覚的なものだけど、カネコアツシ先生の漫画「SOIL」や「wet moon」に近いノリを感じた。現実とその"外"とのせめぎ合い、はっちゃけているようで明確に存在する"ルール"。
前情報なしで観たから正直面食らったことは否定できない。
終盤のノリは理屈ではなく、誰が1番強く『俺こそがリアルだ!』と叫べるかの勝負であり
主人公はその点において北斗先生のインパクトとアクの強さに負けたのだ。ラストのその後でワンチャンを狙うのも無理だと思う。
しかし個人的にはこの、完全敗北した結果での平穏というオチは結構好きだったりする。
[さらに真面目な話]
つまるところあの北斗先生(なんとなくそう呼びたい)のキャラクターからどれだけ世界観にピントを合わせられるかの問題だと思う。
オーバーな演技で白ける人も多いだろうが、あれ自体が「現実ではない世界」とのつなぎの様な役割だったとも思えるのでそこは良かった。
自分はあまりホラー作品に慣れていないので
序盤の正直単純と言っていいジャンプスケアでもそこそこの勢いで席から跳ね上がってしまったが
後半に向かうにつれてそういう描写が少なくなっていったのは少し寂しかった。
というか終盤はインパクトのある絵面が少なくて盛り上がりに欠ける。
出来れば序盤から、現実(真実)とその外側のもの(虚)の間に色彩などの視覚的に判別できるような見せ方があれば
派手なジャンプスケアが無くとも終盤の展開に明確な危機感とインパクトが生まれたんじゃないかと。
とはいえ中々ないタイプのシナリオだと思うのでここらは制作側も精一杯のものだったと思う。
じんわり迫り来る。
日記
君の名は
途中まではドキドキしながら展開を楽しんでいたが
彼女が蒸し焼きになったり、ガラスで死んだり色々あって
支離滅裂になり、最後は妄想だったの?という感じで
なんだかな~~~。
いっそのことストーカーの彼の仕業にしてサスペンスで
終わればよかったのに・・・。
結局最後は君の名はかよ?
真面目にみて損した
戦場の絶望にもう少し説得力を
タイトルにもなっているわけですし、ようはアレを食する他は生きる術がなかった極限の状況の代名詞としてのヒクイドリなわけで、もう少し丁寧に映像を作って欲しかったな‥鳥の姿がよく分からなくてもいいから、重みや、息遣いや、足音などに迫るものが欲しかった。戦地の三人の恐怖が、手帳を触ることでこちらにも伝染しそうな怖さがあるとよかったなと。
夫婦のキャスティングはとても合っていました。どんな絆があるのかはあまり説明されていなかったけれど、水上さんの広い肩と、美月さんの華奢な肩(半分くらいに見える!)の対比で、夫が妻を護りたいと思う雰囲気が表現されていたし、弱いながらも凜としている立ち姿の妻も良かった。
でもその、やはり他がちょっとコントに見える笑 胡散臭い感を出したいのは分かるけど、出しすぎじゃないですか? これだと怖くないですーわたしがバラエティ見てたのがいけないのかなぁ、そのままを持ってこられても‥ご本人のせいではありません。
プラスされていたラストは、何パターンか考えた結果だったりするのでしょうか。なくてもいいと思うけれど、色んなパターンの現実があるというのが物語の核になっているので、アリなのかな。
退場シーンがサラッとしすぎて恐怖感が薄い
特級呪物(?)がトリガーになり、過去が書き換えられてしまうことで、現実が徐々にパラレルワールドに侵食されてしまう・・・というサスペンスホラーです。
信州松本の片田舎の旧家で繰り広げられる序盤の展開は、嫁さん(山下美月さん)が妙に都会的に垢抜けて美しいのが甚だしく違和感(笑)・・・以外は、正統派ジャパニーズホラーの雰囲気はよく出ていたと思います。
また、原作が秀逸なのか分かりませんが、悪霊、幽霊、妖怪など怖がらせの主体がオールドタイプのものじゃない「別の何か」というのも薄気味悪くて好感がもてました。
しかし・・・端的に欠点を申し上げますと、脇役はもちろん、まさかの主役級についても「退場(いわゆる、アレです)」がサラッとし過ぎでまるで怖くなりませんでした。
理詰めかつ狡猾な手段で精神的にもっともっと追い込まないと。そして絶望感を味合わせてから、じっくりやらないとなぁ・・・とまるで下衆なヴィランみたいな思念が頭を常に過っておりました(笑)。
特に主役級のあの人は「能力者」なんだから、あんな簡単にやられてはいけないし、それまでに「能力の片鱗」や「逆転のトリガーの示唆」くらい見せないと、エンドロールの後につづくべき「反転攻勢」も期待できないです。
最後のシーンについては原作未読なのでそもそも、そういう話じゃないかもしれませんが、せっかく雰囲気のある良いキャストを使ってもシナリオ、演出が雑すぎて・・・これじゃ怖く無いし、ラブストーリーのほうが無駄に浮き上がり過ぎてしまうのでは、と思いました。
ただ、鳥が怖い方には、おすすめかも・・・。
では。
北斗総一郎が強烈
北斗総一郎というキャラクターが妙味で惹き込まれた。
登場のシーンはきどって独自理論を言葉巧みに繰り広げ相手を正面切ってばかにする漫画のようなやな奴キャラに見えるけど、
中盤で自分が強い想いを寄せる夕里子が自分の知っている、自分と同じ孤独を分かち合えてた(と思っていた)女性から変わってしまったと感じた時の今にも震えそうな怒りっぷり、何とか自信を律して事を進めるために懇願する様、
後半の目録が明るみになって自分を語る時、あくまでこれは運命で自分は正しいのだという盲目に見えるような目、
抱える孤独をさらけ出す時の震え、
胸がぎゅっとなった。
原作を読んでいたのでかなり変更されている、という印象で、個人的には寂しい部分はあったが、映画として観るにはこういうのもありなのかもとも思った。
全299件中、221~240件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。







