「縁」火喰鳥を、喰う リコさんの映画レビュー(感想・評価)
縁
大学で化学を教える雄司は、妻で同僚の夕里子との二人分のお弁当を毎日作ると言う家庭的な一面を持ち、二人幸せな日々を送っていた。
そんな中、突然届いた戦死したはずの大伯父・貞一の日記。そこには、「ヒクイドリ(人食い鳥)を食べてでも生きたい。」と言う「生」への強い執着心が記されていた。ここから、雄司の中の不安が徐々に大きくなって行くと同時に、不可解な出来事が次々と起こって行く。
特殊な感覚を持つ夕里子は自分と同じ様な感覚を持つ北斗に謎を解明して貰うべく連絡する。
以前から夕里子に好意を持つ北斗はここぞとばかりに雄司を挑発する。悪魔の様な執着を剥き出しにした北斗と、「生」への強い執念を持つ貞一の孫の千弥子がそんな二人とは対照的な虫も殺せない程、執着とは無縁の雄司をこの世界から消し去ってしまう。でもそれは、雄司が夕里子を生かせたいと言う思いからでもあった。
最後に違う世界で雄司と夕里子がすれ違った時、気づきこそしないが、お互いが「何か」を感じた様に見えたのは未だ魂の深い所で灯っている灯に気付いたからではないだろうか。
偶然、又、すれ違う位の所に二人は居るのだと思った。
10年以上前に「サイムダン」と言う韓国ドラマがTVで演っていて、その主人公のイ・ヨンエとソン・スンホンの最後と被ってしまって、挿入歌が「縁」と言う曲だった事もあって、どうしてもこのまま二人が別れてしまうには忍びなく感じてしまいました。
共感ありがとうございます!
最後のシーンが、なんだか「君の名は。」のラストシーンみたいで、ちょっと切ないというかジーンとくる部分はありました。色々な怪異現象が貞一の日記が原因で統一されてたら、もっと分かりやすくて高評価が付けられたのですが、北斗が好きな夕里子を焼石で蒸し焼きにしたり、並行世界に飛んで行ったりしてSFっぽくなったのは残念でした。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。

