「(10/9追記) 考察のしがいがあるスルメ作品」火喰鳥を、喰う ふたばさんの映画レビュー(感想・評価)
(10/9追記) 考察のしがいがあるスルメ作品
原作を再度読み、自身の考察の答え合わせをしに再び映画館へ。
1つ辻褄が合うと別の1つの辻褄が合わなくなり考察に終わりがない。
観る側に解釈を委ねられている・試されているようでワクワクする。
しかし、初回も思ったが、前半の作り込みに対して後半が早急すぎる。
文庫本1冊を100分に凝縮するとはいえ、演出に関してはかなり物足りなさが残る。
貞市が生存する世界から弾き出される人達の経緯・結末を省いたのは何故か。
高熱にうなされていた玄田がいつの間にか快復~与沢に真相を告白までがワンカット。
与沢が炎に包まれるシーン、「鳥…鳥…」と言いながら火喰鳥の描写無し。
特に亮は突然特殊メイクで再登場し、戸惑う鑑賞者が多かったのでは?
千弥子が窓を叩き割るシーンも非常に淡泊でワンカット。
作品に不足しているホラー感をここぞとばかりに出せる見せ場だったのでは?
ストーリーを進めるカギとなる北斗はどう活かしたかったのか?
原作では北斗が雄司・夕里子と行動を共にして関係性を作っていくが、
その過程や雄司との通話をカットした事により、変に浮いた存在となっているのが残念。
元々存分に浮いてなければいけないキャラではあるが、浮き方がそうじゃない感じ。
そしてやはり理解ができないのが終わり方。
過去を巻き戻していく長めの演出で間が抜けて、ラストのあのシーン…これは考察困難。
とまあ、不満ばかり書き連ねてしまったが、細部までツッコミを入れたくなる程じっくり観てしまう作品だった。
初見、特に原作を知らない人には「意味がわからない→つまらない」と結論付けられるかもしれないがそれで終わるには惜しい作品。
原作と映画を照らし合わせながら解釈を深めていく事でジワジワと世界観にはまっていける作品だと思う。
それにしても北斗の存在には胃がザワザワした。
声のトーン・表情が加わる事で、ある意味原作より胡散臭くなった(賞賛の意)。
鑑賞者に「何だこいつは」と思わせるほど、北斗としては「僕の勝ちだ」なのかもしれない。
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(10/7投稿)
実写化発表前に原作読了済み、
実写化を楽しみにしながら映画鑑賞した個人的なつぶやき。
前半は丁寧に作られていたが、
後半から映画オリジナルの部分が増えて駆け足気味。
玄田の自白~夕里子絶命~北斗と雄司のバトルまでの描写が断片的で、
北斗という執着キャラの最大の見せ場が味気ないものになっていた。
保、亮、千弥子、ヒクイドリの描写もあまりに少なく混乱する要因になっている。
「何が起きてるんだ?」と混乱した状態で終わりたかったのに、
ラストの某大ヒット映画を連想するシーンで「何で…?」となる。
原作を活かして尺を使って欲しかった部分がオリジナルに置き換わり、
さらに描写不足が重なった為に非常に物足りない消化不良な状態となってしまった。
ただ、これは上映時間や年齢制限の事情を考慮したからだろうか。
原作に忠実なグロ描写を期待した当方のエゴかもしれない。
しかし、こういうミステリーかホラーかわからない、
考察すればするほど様々な答えを想像できる作品は大好物なので再度鑑賞に行く予定。
出演者の方々の演技も総じて良かった。
テレビで舞台挨拶や宣伝の様子を見たが、普段の姿と演技とのギャップが面白い。
今後も活躍してもらえるように願っている。
あと一点、パンフレットの出来が良いのでお勧めしたい。
なかなか読み応えがあり、作品への理解や愛着を深められると思う。
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