「意外性のある展開がなかなか面白い」火喰鳥を、喰う 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
意外性のある展開がなかなか面白い
ほんの1か月前に観た“九龍ジェネリックロマンス”で、男の魅力を増したなと思った水上恒司。彼の好印象が本作を観る気にさせた。
【物語】
久喜雄司(水上恒司)と妻の夕里子(山下美月)は、雄司の故郷、信州の片田舎にある実家で暮らしている。ある日、雄司は久喜家の墓石に彫られていた祖父の兄、戦死した貞市の名前が何者かによって削り取られていることに気付く。戦後80年も経って、貞市の日記が発見されたという知らせを新聞社から聞いた直後だった。
そして新聞社の人間が久喜家を訪れ、実際に発見された日記を受け取るのだが、雄司は「火喰鳥、喰いたい」と書かれた一文に不穏なものを感じる。手帳を入手後、祖父の失踪等、周囲で不可解な出来事が頻発する。この事態に耐えかねた夕里子は大学時代の先輩でこの手の怪奇現象に精通している北斗総一郎(宮舘涼太)に事態の解明を依頼する。だが、雄司は常識はずれな言動を見せる北斗を最初から好きになれなかった。
やがて北斗は夕里子への異様な執着を見せるなど益々異常性を見せる中、事態は益々奇怪な方向へ転がって行く。
【感想】
ホラー映画は常にフィクションなわけだが、フィクションの中にもリアリティーが無いと白けてしまう俺。そういう俺にとってこの作品は悪くなかった。 怪奇現象の語り手となる北斗に対して、いつも完全否定する雄司の存在を設定し、「そんなことあるわけないじゃん」というこちらの思いを代弁してくれるところが良い。この存在があるからこそ北斗の言うおかしなこと(作品としてはそこが肝なんだが)をイライラせずに聞いていられた。
本作はホラーということになっているようだが、むしろミステリー色が濃い。ホラー・ミステリー作品とでも呼ぶのが良さそうだ。怖さは薄いのだが、筋書きとしては結構面白い。ただ、結末に「辻褄が合わないな」と思ったのは俺だけだろうか? 俺には「あれ、おかしいな」で終わってしまったことが残念(例えば大人になって働いている雄司存在は???)。俺の理解不足・記憶違いであれば良いのだが・・・
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