「退場シーンがサラッとしすぎて恐怖感が薄い」火喰鳥を、喰う やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
退場シーンがサラッとしすぎて恐怖感が薄い
特級呪物(?)がトリガーになり、過去が書き換えられてしまうことで、現実が徐々にパラレルワールドに侵食されてしまう・・・というサスペンスホラーです。
信州松本の片田舎の旧家で繰り広げられる序盤の展開は、嫁さん(山下美月さん)が妙に都会的に垢抜けて美しいのが甚だしく違和感(笑)・・・以外は、正統派ジャパニーズホラーの雰囲気はよく出ていたと思います。
また、原作が秀逸なのか分かりませんが、悪霊、幽霊、妖怪など怖がらせの主体がオールドタイプのものじゃない「別の何か」というのも薄気味悪くて好感がもてました。
しかし・・・端的に欠点を申し上げますと、脇役はもちろん、まさかの主役級についても「退場(いわゆる、アレです)」がサラッとし過ぎでまるで怖くなりませんでした。
理詰めかつ狡猾な手段で精神的にもっともっと追い込まないと。そして絶望感を味合わせてから、じっくりやらないとなぁ・・・とまるで下衆なヴィランみたいな思念が頭を常に過っておりました(笑)。
特に主役級のあの人は「能力者」なんだから、あんな簡単にやられてはいけないし、それまでに「能力の片鱗」や「逆転のトリガーの示唆」くらい見せないと、エンドロールの後につづくべき「反転攻勢」も期待できないです。
最後のシーンについては原作未読なのでそもそも、そういう話じゃないかもしれませんが、せっかく雰囲気のある良いキャストを使ってもシナリオ、演出が雑すぎて・・・これじゃ怖く無いし、ラブストーリーのほうが無駄に浮き上がり過ぎてしまうのでは、と思いました。
ただ、鳥が怖い方には、おすすめかも・・・。
では。
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