「難解。しかしキャスト陣の芝居は圧巻。」火喰鳥を、喰う endさんの映画レビュー(感想・評価)
難解。しかしキャスト陣の芝居は圧巻。
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 映画化にあたり当然原作から端折る部分が出てくるわけだが、「この部分は描いた方が(変えない方が)良いのでは?」と思うところが多々あり、難解な出来になったという印象を持った。
また、私は原作の結末が作品の最たる魅力と感じていることもあり映画のラストにはかなり不満だが、「望まない形で引き裂かれた久喜夫妻の心に籠っていた互いへの強い執着により、出会いをトリガーにして再び世界は改変に向かう(かもしれない)」と解釈すると、物語の軸には沿っているのでまあアリなのかなと考えを改めた。
「今」を存続させたい2つの世界があり、どちらが正になれるかという食い合いをしているわけだが、貞市陣営の強いこと。ちなみに貞市陣営の「主人公」にあたる人物のバックボーンを知った上で観ると「おっ」と思うシーンや台詞もあるので、気になる方はぜひ原作を読んでいただきたいと思う。
ネームドキャラを務めたキャストのお芝居は文句なく良かった。
主要どころで言うと、既にたくさんの映画やドラマで活躍している水上さん、山下さんは表情一つに乗せる感情が多く見て取れて素晴らしかった。
また、宮舘さんのお芝居は初めて見たが、最後まで良い意味で異物として際立っていた。声の表現力が高かったことにも驚いたし、キーマンとしての役割を完璧にこなしたと思う。
亮の再登場部分が良く分からなかったことや、与沢の最後のシーンはもっと丁寧に描いて欲しいなど思うところはあれど、キャスト陣の尽力もあり映画としては及第点以上をつけて良いと思う。
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