「衝撃のラスト(演者について追記あり)」火喰鳥を、喰う ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃のラスト(演者について追記あり)
故人の日記を受け取った事から、次々と起こる不可解な現象。現状が徐々に重く過酷なものへとなってゆき、観ていてこちらも鼓動がジワジワと早くなる。2転3転するストーリーに全く目が離せない。
 見所は、主役と影の主役、2人の直接対決シーン。まるで違う色の巨大な炎がぶつかり合うような迫力に圧倒された。演者の力量が高く、それぞれの想いに突き動かされた行動に説得力を感じた。
そして衝撃のラスト。
ここからどうなるのか?この続きが観たい!と思わず地団駄を踏んでしまう。続編があったら迷わず観に行くだろう。
 世界観にどっぷり浸かってしまい、観終わった後、自分のこれは現実?と疑ってしまうほどの深い深い余韻。あのシーンの意味は?あのセリフは?あの人物は?と頭の中で推察が止まらない。特に原作を読んでいない勢にはストーリーのカラクリが難解。もう少し映画の中でヒントや説明を散りばめて欲しい。
 謎の解明の為に、帰りに原作を買おうかどうか迷ったが、解答をすぐ手に入れるのは逆にもったいないと考え直した。まずは映画の世界観の中であれこれ推察してみようと思う。
 演者について追記を。
 水上さんは初見で観るこちら側代表、水先案内としての役割を的確に果たしていた。何度も繰り返される「何を言ってるんだ…?」がこちら側の感情を代弁。最後までこちら側との接点としてブレない演技に脱帽した。
 山下さんは、雄司の前では普通の明るくいい奥さんなのに、北斗が登場してからはガラリと表情が変わる。北斗との関係性を知り、これが本当の夕里子だったのかと納得。北斗の前だとむき出しで素のままの夕里子が現れ、とても引き込まれた。右半身はこちら側、左半身はあちら側で分断されて揺れ動く難しい役をしっかりと演じきっていた。
 宮舘さんは登場シーンでこの映画の雰囲気に合っていないと感じた。突然異分子が平常に紛れ込んだ感覚。が、物語が北斗の思惑に侵食されていくにつれ、とんでもない存在感を放っていくようになる。物語の世界を全反転させる強大なパワーを持つ役であり、演者、影の主役だと感じた。
 3者のバランスがとても良かった事が、観客を未知の世界に引き込む1つの呼び水になったと思われる。
共感してくださった方々、ありがとうございます。
映画を観たのは昨日なのに、今日もまだ様々なシーンがフラッシュバックしている状態です。
私が映画を観に行っている一番の理由は、非日常を味わう為です。そういう点で、この映画は私に合っているのかもしれません。
序盤は普通にとある田舎の日常で導入しておきながら、訳の分からない不可解怪異で徐々に、時に突拍子もなく異世界に引きずり込まれる経験が楽しかったです。
まずは原作よりも映画をもう一度観に行きたいと思っています。
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