ドア前に置いて。ベル押すな

2022年製作/20分/韓国
原題または英題:Leave at Door, Bell X

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映画レビュー

3.5 【”部屋にいるならフードデリバリー配達員に直接、感謝の気持ちを示そうよ!”今作はフードデリバリーのキツイ仕事の実情から浮き彫りになる現代の世相を、見事に短編で描いた作品である。】

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

幸せ

■フリーランサーのジホ(ジウ)は二日でフードデリバリーの仕事を辞めた女性から37万ウォンで自転車を買い、空いた時間にフードデリバリーの配達員のバイトを始める。
 だが、注文客から「ドア前に置いて ベル押すな」の指示があり、オートロックつきマンションに入るのに大苦戦するも誤配でサービスセンターから電話で叱られたり、正しい所に持って行けば、あんちゃん(リュ・ギョンス)から”冷めちゃって、彼女が食べられないよ!”と言われて、再配達を依頼され自腹でタクシーを使って届けたら、残りはたった11ウォン・・。

 途中で一休みした時に入っていた”お仕事ご苦労様。”のメモ。ようやく業務を終え、ジホは妹にチキンを買って帰るが、妹もデリバリーサービスを頼んでいて、妹のメッセージが”ドア前に置いて。ベル押すな。”ウーム。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、コロナ禍をきっかけに一気に需要が増したフードデリバリーのキツイ仕事を、見事に短編で描いた作品である。
 今作の中では、人と人との繋がりが希薄になりつつある現代の世情を、フードデリバリーで頑張る女性の姿を通して描いているのである。

・お店のおばちゃん(ヨム・ヘラン:韓国名脇役)が、ジホが自転車で配達している事を知った時のチョイ乱暴だが励ます言葉が響くのだなあ。

<資料によると、今作の監督は「野球少女」(面白いよ!)で主役を務めた若き女優、イ・ジュヨンの初監督作だそうである。才能あるなあ。次作に期待である!>

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NOBU

3.0 してる方には悪いが、私にはデリバリーの仕事は無理だ。誤配や崩れ、リ...

2025年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

してる方には悪いが、私にはデリバリーの仕事は無理だ。誤配や崩れ、リスク高すぎ。
本作を見て私のこの思いは確信に変わった(笑)
オートロックの前に置いていったったらええねん(笑笑)

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はむひろみ

4.5 韓国純文学

2025年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ベルを押さない距離の中で

雨は、彼女の焦りをさらに深くした。
冷めた食事は、もう一度のクレームを許さない。
手に持った米麺と、降り出した雨。
自転車を置いて、タクシーに乗る。
その選択は、必死さの証だった。
働いても報われない一日。
財布の中身は減り、心は空白を広げていく。

メールに浮かんだ「チキン」という妹からの短い言葉。
それは、遠くにある温もりの記憶だった。
彼女は仕事を終え、ひとり佇む。
店主が気遣いで添えた小さな菓子を口に運ぶと、
その甘さが、雨の匂いに溶けて胸に残った。

チキンを買い、帰路につく。
アパートの前で、一人の配達員と出会う。
妹がオーダーしたチキンだった。
ダブってしまった。
「美味しく食べて」
「気をつけて」
言葉が交わされた瞬間、
世界はほんの少しだけ、柔らかくなった。

二つのチキンを抱えて階段を上る。
その重みは、孤独ではなく、優しさだった。
不運の連鎖の果てに訪れた偶然の贈り物。
それは、冷たい社会に滲む、かすかな暖かさ。
ベルを押さない距離の中で、
彼女は温もりを受け取り、
それを妹と分け合った。

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R41

1.5 59点

2025年11月25日
PCから投稿
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ま