「彼は美しく妖艶であった」ミステリアス・スキン まゆさんの映画レビュー(感想・評価)
彼は美しく妖艶であった
MYSTERIOUS SKIN
幼少期の時に受けた性被害から、人並みの心の在り方を見失った主人公ニール。
母親はたくさん恋愛をし遊んでいるが、ニールと母親は、それぞれの人生を尊敬し、親子として充分な愛があった。時にカップルのように見える彼らはとても素敵だった。
そして、ニールが本当に魅力的。
この世の中、ミステリアスで影があり、魅力を感じるという話を耳にするが、ニールはそれを体現しているようだ。
それって、全てを知ることができない余白があり、それがまた更に興味を掻き立てるのかもしれない。
彼はとても美しく、妖艶であった。
また、触れると壊れそうな危うさがまた彼の魅力を引き立てる。
それを代言してくれた親友のセリフ。
“彼は美しく目が離せない。神のようだ。”
代わりに言ってくれてありがとー!!!
目が離せないほど、美しい。ニックを演じた俳優さんも、ニックという役を作り上げた製作陣も、本当にありがとうって気持ち。
そして、当時共に性被害受けたブライアンと出会う。
お互いの過去を話し、ラストシーンはニックの体の中でブライアンが子供のように泣く。そしてそれをニックが慰めるのだ。彼らの距離感の描写がとても印象的だ。何か、愛を感じたのはなぜだろうか。正反対の芝生を生きてきた彼らだが、心の深くで繋がったのだろう。彼らがその後更なる繋がりと愛を育むかもしれない。その時、光が見えた気がした。
ティーンネイジャーにしてどん底を知っている彼らは、
これから、山ほど2人で笑うだろう。親友もね。
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