「心に重くのしかかる傑作」ミステリアス・スキン Alejandro Gillickさんの映画レビュー(感想・評価)
心に重くのしかかる傑作
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小児性愛者によって性的虐待を受けた2人の少年のその後を描く作品。主演を務めるのはその後インセプションや500日のサマーなど数々の名作に出演することになるジョセフ・ゴードン・レヴィットと、第97回アカデミー賞(2025年)で作品賞を含む10部門にノミネートされたブルータリストの監督として知られるブラディ・コーベット。
2人の少年ブライアンとニールはかつて同じ少年野球チームに所属しており、チームのコーチを務めていた男に性的な行為を強要された過去を持つ。ニールはそれをキッカケに自分が同性愛者であることに気づき、街の男たちを相手に売春行為をして金を稼ぐようになる。一方ブライアンは、ショックのあまりエイリアンに拉致されたと記憶を改ざんし、真相の追究に没頭し始める。記憶の断片からニールが当時自身と一緒にその場にいたことを思い出したブライアンは、10年越しに彼と再会し、真相を一部始終聞かされるところで映画は幕を閉じる。
ブライアン・ニール両者にとってその後の人生に大きく影響する出来事であることは間違いないが、それぞれの出来事に対する解釈がまるで違うのが興味深い。ブライアンはラストのリアクションでもわかる通りレイプであったと認識しているのに対し、ニールはあそこに真の愛があったと語る。ニールがその後繰り返し売春行為に及んだのは、金を稼ぐことが目的ではなくもう一度愛されているという感覚を味わいたかったからだと思う。
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