ホランドのレビュー・感想・評価
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ジオラマの世界
ホランドというオランダを模した町。町や教会の中心人物で人望も厚い眼科医フレッドとその妻ナンシー。ナンシーは夫が隠し持っていたポラロイドカメラの未使用フィルムを偶然見つけフレッドの浮気を疑うようになる。そして高校の同僚であるデイブ(ガエル・ガルシア・ベルナル)に協力を頼み、探偵ごっこのように夫の調査を始めるが、ナンシーとデイブが逆に愛し合うようになる。そして、夫の性癖を疑った直後、デイブが一軒家でフレッドの女性殺害シーンを目撃、格闘・・・といった凄い展開。
フレッドは未解決連続殺害犯?という内容だが、どうも一筋縄ではいかないような話。デイブが殺害現場を目撃してしまったので、さすがにこれだけは夢ではないだろうけど、どこか現実と妄想が入り組んでいる気がしてならない。
ホランドのように保守的で規律正しい町。「何度も君を守ってきた」と説得するフレッドの言葉からは、ナンシーが犯してきた連続殺人をかばってきたとも取れるし、キャンディがイヤリングを盗んだという虚言壁もしくは妄想癖があるように感じさせる。ただ、それも精神疾患を庇ってきただけとも取れるからややこしい。その一方、規律正しさやマンネリ化した性生活からの逃避のようにデイブと突発的に愛し合うところなんてのは町がナンシーを苦しめていたのかもしれません。
息子ハリーとジオラマ作りを楽しむフレッド。駅の看板など、そして領収書から殺人事件のあった土地を割り出すナンシー。何だかあっさりし過ぎていて腑に落ちない。また、『ミセス・ダウト』の映像もナンシーの心情の現れなのか?そしてポメラニアンの謎。意味がありそうでなさそうな。さらに、デイブ自体が本当に存在したのかどうか。深掘りしようとするとキリがない。
浮気の方が…
疑い出したら最後、夫は連続殺人鬼だった。最初は夫の浮気を調べるうちに、ミイラ取りがミイラにではないが自分も浮気するようになってしまうコメディと思ったがサスペンスだった。ニコール・キッドマンの母親役はどことなく自信無さげで如何にもオママゴト感を醸し出すのが上手く、役に合っていたと言うか好演していたと言うべきか。ラスト、ベルナルはどこ行ってしまったのか。
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