「いろんな意味で、お金の臭いがしすぎる映画でした」シカゴ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな意味で、お金の臭いがしすぎる映画でした
「2002年オスカー作品賞受賞作」。
GWの日数を指で数えながら、あと一本足りないと気づき、店内を歩き回って歩いたあげくにこのキャッチに引っかかりレンタル。
題名がブロードウェイミュージカルで有名な作品は知っていたが、本作もまさかミュージカル仕立てだったとは。。。というのも、わたくしミュージカル大の苦手なのです。
ミュージカルはアメリカが築いた表現手法なのでしょうか?
本作のような善人が一人も出てこない映画は、逆にミュージカル仕立てにしたことで毒が緩和され、結果観ててそれほど疲れはしなかったです。
他人をだしぬき、色気を使って巻き込み、時には昨日の敵を味方につけるというそれはまぁ名声とお金のためならなんでもありなショービジネスでサバイバルする人々が描かれているわけです。
こんな題材だからやはり観る人を選ぶ映画であります。2002年って言えばアフガン侵攻とかイラク戦争があった時期ですよね。そんなご時世では、アメリカ社会というものは、どこかで自己正当化できるようなメッセージを探していたのでしょうか。観悪的な世界を描きつつも、そこに生きる人々の力強さを伝えたかったのだと勝手に想像します。
大統領が変わった今になって観ると、こんな映画を一生懸命作ったことに笑ってしまうんだけどもね。キャサリン・ゼタ・ジョーンズはきっと素で演技していたのでしょうが、レニー・ゼルウィガーの悪女ぶりには失望。演技がってことではないのです。ただ、そういった経歴のつくりかたに正体不明な「お前もかよ」って言葉が、観ている間ずっと頭にこだましていました。
大袈裟にしている割には、メッセージ性が薄い作品でした。
本作の製作にかかわったすべての方に、お疲れ様でしたと言いたいです。