「“サイアクだ”。」THE MONKEY ザ・モンキー リュウジさんの映画レビュー(感想・評価)
“サイアクだ”。
遠い昔、「キング原作の映画は間違いなく駄作」と言われていた時代があった。
(むちゃくちゃ昔ね)
その“伝説”を再び蘇らせたのが、この映画、、、と思わせるにふさわしい出来栄え。
コメデイホラーと書いてあったので、そう信じて見始めた。
だが、しかし・・・
予告編にあったヘアカラーを山盛り巻いたおばはんのように、
人々が滑稽に死ぬ=その不条理な死を
観客も傍観者的に安全地帯から笑い飛ばすものと思っていたが、
どの死に方も中途半端というか、パンチ(死語)がない。
なら、
主人公の男が何をしても周りの人たちが勝手に死んでいくのを
止められない諸行無常を、観客が「笑わなしゃーない」と思わせるのかと思ったが、
これも主人公その他に関わる設定が煩雑で中途半端。
人にゆっくりと死が迫るように(実は迫らなかったり予想外な展開したり)にしたら、
ファイナルデスティネーションのパクリだしな・・・と思ったり。
で、いちばん“サイアクだ”ったのが、ちっとも怖くなかったこと。
劇場は小さめのハコだったからかもしれないけど、そこそこ人が入っていた。
さてこの中で何人が、
自分と同じように「けっ、猿芝居かよ」と思って出ていったのだろうか。
キング原作(正確にはキングが別名で書いたパックマン名義作品)の映画が、
「死のロングウォーク」「ランニング・マン(日本での書籍名:バトルランナー)」と続く。
どうなんだろう?
キングは好きだから見るつもり(特に「死のロングウォーク」は期待)だが、
心配になってきた。
男神か本作品か迷って、男神観に行ったら、時間とお金をムダにしたので、こっちが正解だったかもと思ったのですが、家でおとなしくしているのが正解だったのですね(笑)
