「しっかりしたホラー描写とブラック・ジョーク。」THE MONKEY ザ・モンキー かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
しっかりしたホラー描写とブラック・ジョーク。
オープニング、まるで70年代のイタリア映画かジャーロ作品を思わせるような文字のフォントと楽曲で一気に引き込まれ、その後はラストまでノンストップで楽しんでしまいました。
グロに蓋をしない残酷描写は勿論、緩急を利用したホラー描写も抜群に巧いのですが、劇場には笑い声が。
この映画、グロやホラー描写がきちんとできるにも関わらず、ブラック・ジョークへと全フリした娯楽映画でした。
「死」を軽く扱う事で、ポンポン人が死んでしまう展開に妙なリズムが生まれてました。
不謹慎かと思われる描写もコメディ映画のような編集ですぐに笑いへとシフトさせてます。
それでいて役者には笑いに繋がるようなコミカル調の演技をさせていません。
その落差が本作の魅力にもなっておりました。
また、細部に渡る仕掛けも丁寧。
叔母さんの死後、玄関の方へと向かって続く煙の跡を天井に残していたのには笑うよりも感心してしまいました。
作品自体は娯楽作品とはいえ、ホラーやグロ要素も多く、不謹慎な点も多々あるため万人にはおすすめできないんですが、ちょっと日常に疲れを感じる人は観に行って欲しいです。
ラスト、阿鼻叫喚の地獄絵図に何故かスカッとできちゃう不思議な映画でした。
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