劇場公開日 2025年9月19日

「そんな死に方する!?」THE MONKEY ザ・モンキー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 そんな死に方する!?

2025年9月21日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

怖い

■ 作品情報
スティーヴン・キングの短編小説『猿とシンバル』が原作。監督・脚本はオズグッド・パーキンス、製作はジェームズ・ワン、デイブ・キャプラン、ブライアン・カバナー=ジョーンズ、クリス・ファーガソン。主要キャストはテオ・ジェームズ、タチアナ・マズラニー、クリスチャン・コンヴェリー、イライジャ・ウッド、サラ・レヴィなど。製作国はアメリカ。

■ ストーリー
少年時代のハルとビル兄弟は、父が遺したぜんまい仕掛けの猿のおもちゃを発見する。この猿は太鼓を叩くたびに周囲で不慮の事故死が相次ぐ呪いのアイテムだった。シッターや母親までもが命を落とし、猿が原因だと確信したハルは、おもちゃを破壊しようとするが、何度捨てても壊しても、必ず兄弟のもとへ戻ってくる。呪いの猿を井戸に葬り、平穏な日々が戻ったかと思われたが、25年後、伯母の不審死をきっかけに、封印されていたはずの猿が再び現れる。大人になったハルとビルは、猿の呪いから逃れるため、そして大切な人々を守るために、再びこの恐ろしいおもちゃと対峙することになる。

■ 感想
予告編で目にしたサルのおもちゃと背後に流れる陽気な音楽が、なぜか頭から離れず、その不気味な魅力を刷り込まれてしまったようです。ホラーは苦手なのですが、最近は少し鑑賞するようになり、耐性がついてきたこともあり、今回も思い切って劇場へ足を運んでみました。

当然ですが、本作にはしっかりとホラー要素が散りばめられています。人が大勢死に、グロテスクな描写も多々あり、まさにR15+指定の残酷描写が容赦なく繰り広げられます。それなのに、怖さよりもおもしろさの方が上回っているという不思議な感覚。シュールでブラックな笑いが随所に仕掛けられており、完全に悪趣味であることは否定できません。死に方のバリエーションも豊富で、「そんな死に方する!?」と予想の斜め上をいく見事な死にっぷりを披露してくれます。不謹慎ではありますが、その悪趣味さが妙にツボにハマり、何度も吹き出しそうになります。

ビルとハルの兄弟の確執、そしてハルと息子のピーティーとの親子の絆といった人間ドラマも描かれていますが、正直なところ、それらはあくまで物語の添え物といった印象です。この映画の真骨頂は、呪いのサルが太鼓を叩くことで誰かが死ぬ、その現象を利用する人間の心理を描いているように感じます。憎い相手に死が訪れるまで、無関係な人間が何人死のうが構うことなく、ひたすらサルのネジを巻き続ける……。その底知れぬ人間の闇に、ゾッとさせられます。ある意味、サルよりも人間の方がずっと恐ろしい存在として描かれている気がします。

それにしても、このサルはいったいどのようにして誕生したのでしょうか。その謎については本作では深く触れられておらず、疑問が残ります。もしかしたら、その起源を巡って続編が作られるのかもしれないと、ひそかに期待しています。陽気な恐怖と人間心理の暗部が絶妙に融合した、なかなか味のある一本です。

おじゃる
YOUさんのコメント
2025年9月23日

最後の方は死ぬたびに、「ピタゴラスイッチ♪」ってなっちゃいました(失礼しました)

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