ルノワールのレビュー・感想・評価
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鑑賞後、気になった事柄を色々調べたらいくつか合点がいきました
物語の舞台である、1987年頃の雰囲気をとても感じました。主人公はじめ登場人物の人々も、たしかにその頃実在していたのではないかというリアリティがありました。
トランプのカード当て、そのカードを当てる側の人が、なぜそのカードと回答したのか?
妙に気になったので調べてみたら、例えば主人公の母が答えたダイヤのクイーンは、野心や支配欲と言った意味を持つ場合もあるようです。知りませんでした。
他の人が答えたカードや、病室の窓に縛り付けたリボン等、私が理解できないだけで、色々な事柄やアイテムが意味を持つのかも知れません。
監督さんはじめスタッフさんの意図とは異なるのかも知れませんが、そういう点を自分なりにでも理解した上で、もう一回鑑賞したいと思いました。
懐かしき時代
ある意味もの凄くリアル
80年代の
小学5年生の女の子のお話
なんかずっと
微妙にイヤな気分で見てた。
テレビで超能力者を見て
超能力、催眠術を練習しだす主人公。
見てるこっちは
「そんなバカなことやってぇ」って
冷めてというか、否定的に見てるんだけど
その練習を一緒にやる友達。
大人も、一緒になってやる。
子どもの遊びに付き合う
って感じでなく、ちゃんとやる。
お母さんも
がんに効くと言われた
どう考えても怪しい食べ物を
大量に買ってくる。
お父さんと娘で
怪しい宗教団体みたいなのに
参加したり、
お父さんも
怪しいクスリを
100万で買おうとしたり。
誰も否定的に言う人がいないまま
どんどん物語は進んでく。
すごいモヤモヤが積もっていく。
イライラとは違うけど
嫌な気持ちがずっと続いてた。
最終的に
「なんてバカなことしてたんだろう」
って我に返るんなら
スッキリするんだけど、
ラストでも
超能力の練習してた。
嫌な気分で終える作品だった。
逆にむしろ、
なんも言えないのがリアル
なのかなぁと
見終わって結構たった今
思わなくもない。
かわいい
198✗
響かなかった
長かった〜という印象でした。
いろんなエピソード(制作側が入れたいこと全部)が繋がることなく、並べられている感じで⋯
私の心には響いて来なかったです。
伝言ダイヤルのパートも出来事だけだし、他のパートも人の心の機微が見えない。
フキなどは、大人が作り上げた子どもを演じている感じが強くて、ナチュラルじゃなかったんだよなぁ⋯。
円卓のが面白かったなー、とか比べるところでもないけども、なぜか思い出してしまいました。
あと、なんか嫌だなーと思う人が多くて⋯
お父さんの部下とか、お母さんに薬を買わせる人とか、伝言ダイヤルの男とか⋯
って、全体的に、みんなのキャラが薄いのかも⋯
11歳の子どもの父親は、もう少し若いほうがリアルだなぁ⋯と。
リリーさんは、おじいちゃんにも見えなくもないのよ。
石田ひかりさんは、良い感じに歳を重ねてらして⋯
お母さん役もっとみたいかもー。
好きな映画なので2度見たけど、娯楽作品としては面白くないと思う。
僕は、例えば「M:I」みたいなエンタメ作品でも出演者の日常生活や暮らしを描いた部分が好きで、飽きずにずっと見ていたいと思ったりする。もちろん日常生活だけで終わってしまったら「M:I」にならないし、娯楽作品として面白くも何ともない。て言うかダメである。
さて今回の「ルノワール」だが、主人公のフキ1 1歳のひと夏の体験が日記のように断片的に描かれる。何となくひと繋がりの物語が有るような無いような感じだ。
僕はこういう日常生活みたいのをずっと見てるのが好きだけど、物語として面白いかって聞かれると全然面白くない。もし2時間以上やってたら絶対眠くなる。
1987、8年頃に11才だった早川監督(1976年生まれ)の記憶や体験が、映画に反映されてるのだと思う。フキは自分の投影で、それを映画にしたのかもしれない。
カンヌのコンペティション部門に選ばれたということは、審査に通って賞レースに参加したって事らしい。審査員のほとんどは1980年代後半の日本の世相を知らないだろうから、いったい何が面白かったのだろう。きっと何か映画としての面白さや芸術性で選ばれたに違いない。僕にはサッパリ分からない。審査員には映画の時代背景の資料とかが配られるのかもしれない。
フキが周囲の大人たちとやり取りする中での表情が面白い。
一番面笑ったのが、英語塾の先生がフキに同情して抱きしめたときの戸惑ったような困ったような顔だ。
日本てハグとかの習慣ないから、親戚でもなく、週一ぐらいしか会わない先生に抱き締められても困るよねえ。ねー。
あと、ダイヤルQ2がらみのところは、さすがに犯罪に巻き込まれるところまでは行かないだろうとは思っていたが、ハラハラしたぜい。危っぶねー。
(追記訂正)
ダイヤルQ2ではなく、伝言ダイヤルが正しいみたいです。どっちも使ったことないからゴッチャになってました (/--)/
それから、ポスターにもなってる、最後の船の上で楽しそうに踊る場面が気に入った。フキの喜怒哀楽の表情がハッキリ分かる場面は一つもなかったような気がするが、ここだけは笑顔で楽しそうで良かった。この場面の意味は分からないけど (^^)。やっぱし夢の場面なのかな?
以上、おしまい。
2025(令7)/6/21㈯ A
6/25㈬ A
少女から大人への間の光と影
少女から大人へ移ろう瞬間の日常を光と影を織り交ぜて繊細に点描する、「PLAN75」の早川千絵監督の長編2作目。2作連続で今年のカンヌ国際映画祭出品作品となった。
11歳の少女フキ(鈴木唯)は発想豊かで個性的な小学5年生で周囲からは少し浮いている。
末期がんで余命わずかな父親(リリー・フランキー)と管理職で忙しくいらいらしがちな母親(石田ひかり)の間で比較的放任され自由に育っている。英語教室で出会う裕福な家庭の同級生、過去を抱える同じマンションの女性(河合優実)、母親が通うセミナー講師(中島歩)、伝言ダイヤルの男性(坂東龍汰)などとフキのエピソードが点描される。
どのエピソードでもフキは奔放で配慮がない。それは純粋さと無意識の残酷性を併せ持ったこの歳頃の少女特有のものとして瑞々しく描かれている。
オーディションで選ばれたフキ役の鈴木唯は観ていてハラハラするようなシーンを伸び伸びと演じ切っていて驚く。
時代背景の80年代後半は携帯電話もスマホもインターネットもない時代。超能力やUFO、心霊現象や怪しげな健康食品など怪しげなもので溢れ、嘘と事実が混濁しどこかしら牧歌的な時代であった。フキの奔放さはこの時代背景だからこそ引き立つ。
そして「ルノアール」というタイトルは早川監督が映画のイメージを限定させないために、あえて物語と関連性がないタイトルを付けたと語っているが、フィルムルックなコントラストの映像といい、フキが自転車で駆け抜ける広々とした郊外の川沿いの夕景など、屋外の情景を光と影で描いた印象派を想起するものとなっている。
監督の評価は保留にしたい
かなり難しい。上映中から大いに頭を悩ませた。
この映画の作者が何を言いたいのか、何を訴えたいのかはぼんやりとわかったつもり。それを言葉にしてこのレビューに残そうと思うといろいろと悩んでしまう。それが難しいと言った点。
ぶっちゃけで言ってしまえば早川千絵監督の個人映画であり、今の自分自身の残しておきたい映像を鈴木唯の姿を借りてフィルム(現代はフィルム撮影ではないよというツッコミはさておいて)に残せたわけだから、その意味でこの作品は大成功。どこのどんなツテを使ったかはわからないがそれがカンヌまで届いたのだからこれまた成功。過去にこんな手法で世に出た監督がいたなぁと思ったら河瀨直美の顔が浮かんできた(苦笑)。
彼女同様に早川監督は「撮れる」という評価はできるが、観客にどう伝わるかという考察が足りないのではないか?だから商業的に見ると当たり外れが大きい。最後まで僕を椅子に繋ぎとめておいたのはティーザーにも使用された楽しそうに踊るカット。これが最後の方にちょっとだけ出てきて、その印象だけで映画が終わる。論理に裏付けられた思考がないから論理ではなくただの印象だけで「良かった」「悪かった」と論じるしかない。それはこちら側も問題かもしれないが正直に。
全体を見るとここでも指摘の通り「お引越し」や「こちらあみ子」などの影響も感じる。もっとも「お引越し」は古すぎてこちらの記憶も定かではないすまん。
唯一、おそらく誰もが指摘するであろう技術的短所が整音だ。BGMがセリフに丸かぶりしたりきちんと拾えていなかったり。これは日本映画共通の弱点ではあるが今回は顕著だった。どうにかならないのかな。
ともかく、自己顕示欲丸出しのような今回の作品でも一定の評価は得たわけだから、早川監督には「伝える」技法をもっと研鑽していただき、真の評価は次の作品まで待ちたいと思う。
どう読み取るか
共感するしない。
それは正に個々の思考の問題であって、相違があれば焦燥感や孤独感・痛みを味わい不安に駆られ、合致すれば歓びや哀しみを共有し安心感・幸福感をもたらす。
その最たるものが、エンディングでのフキの微笑みであり、催眠術であり、伝言ダイヤルであり、森のくまさんだったのでは。
多感な時期を過ごすフキ。その心の移り変わりを唐突に場面転換で表現していると思うと、一見、脈略ない転換に見えるが腑に落ちる。
そして、その対局にあるのが父圭司。
死という現実を突きつけられ、向き合い受け容れる。ただ死という一点だけを見つめて病室で過ごす日々。
人は目まぐるしく思考している。その思考の中で立ち位置を探し、もがき苦しむこともあれば歓喜することもある。
「幸福の画家」と呼ばれるルノワール。
それをタイトルに持ってくるあたりも巧妙。
いろんな要素が鏤めてあり、なかなか欲張りさんの物語。
それこそ思考が重なり合えば、こんなに奥深い作品はないだろう。
難しい。
女優・鈴木唯
アートっぽい雰囲気で始まりちょっと期待してみたが
「やっぱり自分に合わない」と感じてしまった。
え、理不尽な殺人事件の被害者かよ?
え、お父さん大病で死んでしまうのかよ?
え、ご近所さんの旦那さん、事故で死んじゃったのかよ?
死に方のありがちな設定の全部載せ、ご苦労様です。
身内が事故で亡くなった日のことを話す未亡人の姿が
「○○の×が△△△△、と■■□□ない★は」の
あの人とまんま被って見えた。河合優実は好きだけど、
不幸な役ばっかりで新鮮味を感じなかった。
小学生の両親役の役者さん、年齢層高め。
怪しい大学生の家に上がって、これからどうなる?という時
まさかの家族の帰宅。しかし少女を連れ込んだことは
発覚しなかった。玄関に少女の靴はなかったのか?
いろいろと違和感がある映画だったけど、オーディションで
役を獲得したという鈴木唯の、いきなりの主演が見どころ。
約2時間の映画の主演女優としてほぼ出ずっぱり。
感受性や死生観が独特な少女の役を見事に演じきった。
物語が特別面白いと思わなかったし演出に感心することも
なかったのでもう一度観たいとは思わないが、逸材の
新人女優の初主演作品という価値で記憶には残ると思う。
口臭い・・・
今作で一番のパワーワード 多分、フキはこれを一生背負って生きなければならない・・・ これが一番の悲しい出来事だと思う※自分も母親にいつも言われていて、舌苔をこそげ落とす器具を誕生日にプレゼントされた(泣)
感受性の豊かさに共感
映像美はあるのだが…
・映像美はあるのだが…+αがない、あるいは物足りない。
映像・トピックの継ぎはぎ感、パッチワーク感が拭えない。
・シークエンスのつなぎに河原のシーン、鉄道のシーンが挿入されているが安易では?鵜飼?のシーンがあったが、外人の東洋趣味(オリエンタリズム)をくすぐるもの以上ではないのでは?
・なぜ、今“伝言ダイヤル”なのか…
・映画は、今起こりつつある事象、あるいはこれから起こりうる事象を先取りして取り扱うものである(たとえ時代設定が古くても)、と思うのだが、そのような事を感じさせることのない映画だった。
・幼女趣味の男にホイホイついて行ってしまう女の子はストーリーとしてオカシイし(たとえ夢の中の話だったとしても)よろしくない(カンヌ等世界的舞台では、尚更受け入れられないだろう)。
・YMOのライディーンは今聞いてもカッコイイ。大音量で聴けて良かった。ダンスも良かった。もっと長く見ていたかった…。
自分を客観視するのは難しい
風変わりな小学五年生の女の子の話。
2022年公開の『こちらあみ子』っぽい。
あみ子は自分の行動がどういう結果をもたらすかわからずやってるけど、フキはある程度わかってやってると思うので、こちらの方が悪質(笑)
自分が不遇な環境に置かれた状況を想像して作文に書いたり、友達の家族の秘密をそれとなく伝えたり、伝言ダイヤルに興味をもったり…
子供なのもあって、フキに何か起こることは少ないけど、大学生との交流はかなり危険なことに。
フキ以外の家族がまともかというと、それぞれ秘密を持っていたりして、みんな他人に厳しく自分に甘いのだなと思う。
描写が最小限なので、よくわからない部分もあったけど、フキの視線で見る大人の世界が面白いので、そういうのが好きな人なら。
配役について、リリーフランキーが父親に見えない。おじいさんかと思っちゃった。
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