「手の中に冷たい感触が残るような物語」ルノワール ねこたまさんの映画レビュー(感想・評価)
手の中に冷たい感触が残るような物語
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面白かったです。
私は好きな映画だな。
主役の女の子の鈴木唯さんの不気味な何を考えているのか分からない感じの抑えた演技が良い。それでも演出で、女の子の心中を感じられて、胸に鋭い痛みが走ります。
「伝言ダイヤル」(時代設定当時のアダルトツール。小中学生が使って犯罪に巻き込まれて社会問題になった)で知り合った「心理学に興味がある?」という学生と会うエピソードは、その象徴だと思いました。
末期癌の父親役のリリー・フランキーさんは、観る前はどうかな?と思っていたのだけれど、娘との心の奥底での繋がりを感じさせる演技で、とても良かったと思う。
石田ひかりさんは、あまり上手に感じられなくて、母親の人物像が表面的になってしまっていたと思います。(それは女の子の心象的な演出かもしれないけれど)
そのため、父親の死後の母子の関わりに深みを感じられなかったのは、私は残念でした。
子どもが抱える内面世界の不気味なリアリティーを最後まで感じさせてくれたお話しです。
不気味な光の中でお話しが進んでいって、手の中に冷たい感触が残るような物語。
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