「LIFE」ルノワール ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
LIFE
ポスター的には一夏の成長を描いた作品かな〜くらいに思っていたんですが、カンヌにノミネートといったところでちょっとだけ悪い予感がしていたので心して鑑賞。
悪い予感は間違っていなかったです。相性もあるかもですが、本当に合わなかったです。
年代が昭和というところもあって、今よりもコンプラもモラルも緩い時代、そういう大らかな時代があったのは良い事だよなーとは思いつつも、どうしても負の部分を全面的に押し出していて、尚且つストーリーが繋ぎ繋ぎなのもあってまとまりが感じられずで乗り切れなかったです。
複雑な環境下で過ごしているフキが様々な場面を巡るといった感じで様々な物事を知っていくという物語なのですが、大人たちが自分のせい他人のせいで苦しみながらの様子を見て色んな感情を知っていくという感じのはずなのに、その大人たちの行動が受け入れられず…といった感じで。
母親は旦那の病気にヤキモキし不倫、父親は病気に苦しみながらも宗教に引っかかったり財布を無くしたりするといったボヤッとしたものしか描かれず、かといってそれが繋がるわけでもないので、この親にしてこの子ありと言わんばかりといった感じでした。
死についての変化というところも最小限に抑えられており、それによって人生観が変わったともならないのが残念でした。
肝心のフキも好奇心旺盛といったら聞こえがいいんですが、子供だからこその残酷な行動をやってしまったりはまだ許容範囲内にしても、伝言ダイヤルの話や競馬場周りの話はどう考えてもキツい…となりました。
伝言ダイヤルで見知らぬ人に会うっていうのは今考えるとあまりにも恐怖すぎるだろうと思いましたが、当時は別におかしくないことなんだろうなという温度差は確かに感じました。
坂東さんがめちゃくちゃナチュラルな狂気を帯びているからこそ、あのシーンの気持ち悪さはエゲつなかったです。
歯磨きのシーンとか歯磨いてないのに思わず嗚咽。
超絶戯言でファンタジーである事を承知での文句になってしまうのですが、今作を観ようと思ったきっかけの一つが作中に競馬場が出てくるやん!しかも笠松だ!といったところで見逃してたんですが、フキがよく見たらダートに勝手に侵入してるんですよね…。
時代背景を鑑みたとしても、開催中、もしくは調教中の馬場に入るのはてんで迷惑ですし、そもそも不法侵入なんで年齢だろうがなんだろうがアウトです。
あとお馬の近くで鳴き声のモノマネをやるところがあったのですが、ホンマにやめろ…と心の底から思いました。
お馬さんは音に敏感なのに、あんなに近くで叫びでもしたら大暴れするからファンタジーだとしても本当にその描写はやめて欲しかったです…。
ラストシーンも風呂敷を雑に畳んだかのような終わり方でしたし、思わせぶりな終わり方は何かを空想する事すら拒んでしまうレベルなので嫌でした。
今作を観る動機の一つであった中島歩さんと河合優実さんの出演も1エピソードのみの登場だったので、そこんとこも肩透かしですし、悪い意味で役者の贅沢すぎる使い方では?と思ってしまいました。
あと音楽とセリフが丸かぶりしているシーンが何箇所もあり、セリフが届いてこねぇ!とモヤモヤするところがあったのも残念でした。
この手の作品はもうカンヌ他外国の賞を獲るためだけに作ってんじゃないのかな?と邪推してしまうくらいには日本人ウケガン無視だなぁってなりました。
前作もまだ見てなかったのでそちらも観て色々と比較したいなと思いました。
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 16:00〜18:05
やはり競馬好きだと色々と思うところがあるのですね。
自分は素人ですが、丁度アニメで『ウマ娘シンデレラグレイ』を見てるので、1987年の夏ならオグリが出るか、と少し期待しました。笑
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