劇場公開日 2025年6月20日

「主人公11歳女子の目線で見えた, 周囲の人々 とくに大人たちの物事...」ルノワール woodstockさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0主人公11歳女子の目線で見えた, 周囲の人々 とくに大人たちの物事...

2025年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

主人公11歳女子の目線で見えた, 周囲の人々 とくに大人たちの物事.

父は癌の末期, 母は多忙で苛々が募り.
両親や, 学校など友人らのまわりで日々が過ぎ.

この女子, 飄々としたような, 繊細なような, 掴みづらく. 両側面ともあるんでしょう.

時代はどうも80年代のよう
超常現象ブーム, ウォークマン, 子供による親殺し事件,
学級のマスゲームで YMO "Rydeen" が使われたような当時.

主人公目線で諸々が描かれ,
結論や見え方が画一的にならず, 言語化もされず.
そういう見え方, 心当たりは多々あります.
私的にも, かつて見た諸々の出来事に, いちいち理由や結果を追求してはいないですし.

途中で聞こえたオペラ的な歌 Klaus Nomi "Cold Song"
とてつもなく冷たく感じました. 凍り付いて死ぬような歌詞をもつ歌ですしね.
生死観 - この女子, 学校の作文で "寝ている間に何者かに絞殺" や "孤児になりたい" と書いたり, 物語上の父が実際に余命わずかであることと, 辻褄が合うような.
そういう意図かはわかりませんが.

題目の画家ルノワールさんは, 劇中で話題には挙がりますが, 意味を深く持つものではない様子.
絵画のレプリカ販売が盛んだった, 当時はそういうこともありましたしね.

童心を思い出すような, 澄んだ心を持っていた頃もあったねえと感じるような.
そのままで美化も劣化もされてない,この年代,この世代のリアル.
切なくて温かくて, 耳と胸が少し痛くなる, 鑑賞体験でした.

woodstock
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